入院して以来ずっと、主治医から勧められていた経(鼻)管栄養を始めた。
あまりにも褥瘡がひどいので、身体の栄養状態を良くしなければ治らないとのこと。
口から食べる人間らしさか、褥瘡を治す栄養状態の上昇か。
優先順位がどちらかということですよ、
と言われて決断をした。
了承をしてすぐにでも鼻から流動食を入れ始めるのかと思っていた素人の浅はかさ。
先ずは、鼻のチューブから薬を溶いたモノや、とろみをつけた水を100cc入れて、鼻や喉や胃の状態を観察する。
2,3日様子を見て、土、日は医師や看護師が少ないのでやめて、
月曜からにしましょう・・・・・と、とても用心深い。
火曜日の昼からになった。
この病院では、経管栄養と褥瘡に詳しい人たちが他の病棟からも集まってチームを作って対応しているそうなので、
安心してお任せできるようだ。
初めての時は、チームが集まり、検討を重ねながら、始まった。
かなり粘度のあるもので、チューブの中を通りにくそうだったが、この方が逆流しにくいとのこと。
口から食べると誤嚥するから鼻からチューブで栄養素を入れるのだと思っていたが、
チューブが胃の中にまで達していても、胃が受け付けなかったら逆流してしまうらしい。
逆流した時、口の中に出ただけならいいが、それを誤嚥したら濃厚なだけにもっと怖いことになる。
幸い父は、チューブを鼻に通すときも上手に飲みこめたし、
鼻から流動食を入れても違和感もなく順調のようだ。
問題は腰の褥瘡で、用心深く長い時間をかけて栄養を入れたら腰の傷が痛くなる。
短時間で栄養を入れたら腰の負担は無くなるが、胃の負担が増える。
なかなか難しいことのようだ。
骨折して入院する前の父の体重は56キロ。
今は40キロ。
これ以上は痩せられないほどになって骨ばかりだ。
だから褥瘡になり易く、なったら悪化しやすかったのだ。
少しでも体に栄養を入れて傷を治す体力を取り戻さねばならない。
2月の入院初めからずっと付き添って食べさせてきたにもかかわらず、
こんなに体重が減ってしまっていたことに改めて驚いた。
延命治療はしたくないと思っていたが、
経管栄養も延命の一種なんだなあと思ったりしている。
昨日、愛媛から愛知に戻った。
今は妹が付き添ってくれている。