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寄り道しながら前へ

 思いつくまま気の向くまま
ゆっくりいろんなことを考えてみよう。

 

アーサー・C・クラーク氏

2008-03-20 21:11:55 | 
「2001年宇宙の旅」アーサー・C・クラーク氏が死去(読売新聞) - goo ニュース



ああ、とうとう、クラーク氏が亡くなってしまった。
SFといえばクラーク氏だ。
2001年、2010年、2061年と読み続けた作品もあったし、
宇宙のランデブーでは、私の苦手な生き物に似た宇宙生命体が出てきたし、
最近のテレビでは宇宙エレベーターについても見たし、
それから~~
たくさん影響を受けた作家だった。
最近は、他の作家との共著が多かったけれど。

私が印象に残っているのは、日本のそろばんを扱った短編で、
コンピューターが故障した宇宙船がそろばんを使って計算をして地球に帰るというユニークなものだった。

新しい作品はもう生まれてこないのだなあ、としみじみ思う。

「オリュンポス」を読み終えて

2007-07-03 10:02:38 | 
ダン・シモンズの「オリュンポス」を読んだ。
上下2巻、分厚い!
「イリアム」の続編。



ギリシア神話をめぐる物語をはじめ、シェイクスピア、シェリー、ブレイク、ブラウニングなどの戯曲や詩を織りこみつつ、古代のトロイア戦争を未来のハイテク技術で再現したパロディ感覚のSF。

ホメロスの描いたトロイア戦争から、だんだん英雄や美女たちが勝手な行動をとり始め、平行宇宙もからまってとんでもない方向へなだれ込んでいく。
超進化をとげた人類、取り残された旧人類、機械生命らが、次元移動もしながら闘争する。

 半機械生物なるものが出てきて、一人はプルーストの「失われた時を求めて」から言葉を取り出し、もう一人は、シェークスピアからの引用をしながら、ユーモラスで知的な会話をして楽しませてくれる。映画「スターウォーズ」のR2B2と3POのコンビも思い出させる。

 神様達はギリシャチーム、トロイアチームに分かれて応援戦争をやっていて、派手に戦っているが、いつの間にか神対人の戦争に移っていく。ギリシャの神様達だからエロチックで、自分勝手で、ハチャメチャなトロイ戦争になっていくのがおかしい。
 
 最初に、「イリアム」を読んだあとは、ギリシャ神話を思いだそうと、映画「トロイ」を見たり、阿刀田高の「ホメロスを楽しむために」や「ギリシャ神話を知っていますか」をパラパラと眺めたりしたのだが、知らなくても大丈夫。その通りには進まないのだから。

 著者は引用大好き人間なので、たくさんの元ネタがある。巻末の注釈を見て、訳者さん、ご苦労さん、ありがとう、という思いになった。

 どこかの異次元地球に行ったときは
「もう、カンサスじゃないんだわ、トト」
 これには笑ってしまった。

 オリュンポスを読み終えたが、まだ続くかもしれないらしい。長いよ~。
この先がどうなっていくのか、まったく予想できない。

図書館ネット予約

2007-06-15 15:36:38 | 
有川浩さんの「図書館戦争」シリーズは、1作目を読んだ後、なかなか続編を手にすることができなかった。
図書館へ行ってみても棚にはないし、検索したら貸し出し中だし

こころさんからネット予約をすれば、近くの公民館に届けてくれるのよ、
と聞いてはいたが、そこまでしなくても、
そのうち、図書館の棚で出会えた時に借りればいいわ、と思っていた。

あんまりいつも貸し出し中なので、とうとう市の図書館に予約するための登録をした。

こころさんは近くの公民館だそうだけど、
私は近くの町の図書館に届けてもらうことにした。

そうして「図書館内乱」を予約して手に入れ、
次に「図書館危機」も読み終えることができた。

「図書館危機」は、6/9に借り出し、29日まで借りられる。
普通の貸し出しより一週間長い。
でも、1日で読んでしまったわ~。 面白かったから。

こんなに便利なのならもっと早く始めればよかった。
ありがたいシステムだ。
  

「イリアム」を読み終わって

2007-05-03 19:54:22 | 
あ~、長かったけれど、読み終わったわ~。

「イリアム」ダン・シモンズ



かつての地球でホメロスの「イリアス」を研究していた学者ホッケンベリーが、21世紀に死んで数千年後、神に学師として蘇らせられ、神々の戦いの観察者になっているという設定。
ギリシャ神話がベースになっているんだけど、微妙にずれていくから面白い。
興味深いのはやっぱり神々の闘い、有名なトロイ戦争のところ、タイトルの「イリアム」ってトロイのことだから。

 ホッケンベリーがこっそり神々の集まりをのぞいているところのことを、アカデミー賞の会場の正面入り口でスターが来るのを見ているミーハーのようだと喩えるのがおかしくて、私もほんとにそんな感じがしたものだから。

 木星系の生命(機械?)が使命を帯びて火星にやってきてある装置を設置する。途中で攻撃を受け、2体が生き残り、なんとかオリュンポスに設置するんだけど、この2人、もとい2対のうち1体はシェークスピアを、もう1体はプルーストをそらんじるほど詳しく、彼らの会話が知的でユーモラスでステキ。

 ホッケンベリーやトロイのヘレネや他の女性たちの企みで、ギリシャとトロイの戦いだったはずが、人間対神々の戦いになっていくんだから、どうなってしまうんでしょう。

 ホッケンベリーがそもそも、人間にはない能力を発揮できる道具をアフロディーテから授けられたことから話がややこしく面白くホメロスの書いたストーリーから離れていくことになる。どこでもドアのようなQTメダリオン、ハデスの兜(透明人間になる)他の人に化けられる変相マシンなど、なんでもありのSFで、読み出したら止まらないほどの面白さ。

ヘクトルは神の意図を見きわめようともせず、両手に持った剛剣をバックハンドで横に薙いだ。全盛期のアンドレ・アガシを思わせる、猛烈なスイングだった。黄金の霊液を大量に飛沫かせて、アポロンの右腕が宙に飛ぶ。----アポロンの腕が切り落とされるんだけど、こういう表現になるので、親しみを持ってしまったり。

人間達も出てくるし、けがをしても死に掛けても回復できる蘇生院などがあり、まだまだ語りつくせない豊富な内容満載。

続編は「オリュンポス」という。
「イリアム」よりも長いらしいが、早く読みた~い。


 

「ラビリンス」上下を読んで

2007-04-06 16:49:16 | 
歴史が好きなら、聖杯伝説に興味があるなら読んで欲しいと訳者のあとがきに書いてある。ミステリ小説の愛読者も、ロマンス小説の愛読者も、ファンタジー小説の愛読者もぜひ読んでいただきたい、とも。


 十三世紀のアルビジョア十字軍によるフランス南部の町の攻囲と征服といった壮絶な歴史を背景に、秘密の守護者が守ってきた書が三つ。それらが合わされたとき、聖杯が降りてくる。聖杯には不思議な力がある。
 舞台は中世と現在のフランス南部。主人公は八百年のときを隔てて運命の糸で結ばれたふたりの女性。

 2005年7月。フランス南部の山で発掘作業に携わったアリスは、洞窟の奥深くで骸骨を発見した。そこにあった指輪と洞窟の壁には、同じ迷路の模様が刻まれていた。迷路には何の意味が?その直後、指輪が何者かに盗まれ、アリスの身辺にも不可解な出来事が次々と起こる……
 1209年7月。フランス南部の町で、若き人妻アレースは旅立つ直前の父親から、3つの書と、迷路の模様が刻まれた指輪にまつわる秘密を明かされた。それは、太古のエジプトに端を発する、聖杯の真実の物語だった……
800年の時を越え、幾多の人々を狂わせる「迷路(ラビリンス)」の謎。同じ運命に結ばれた二人の女性。世界をゆるがせた壮大なミステリー!
(カバーより)
 
 中世でも現代でも聖杯を求めて争いが起こり・・・・。


 舞台は世界遺産に登録されているカルカソンヌ。



Wikipediaによれば
歴史的城塞都市カルカソンヌ」は、フランス南西部の都市カルカソンヌのうち、城壁に囲まれた部分を指す、ユネスコ世界遺産としての登録名。世界遺産登録後は、フランス国内ではモン・サン=ミシェルに次ぐ年間来訪者数を誇る一大観光名所となっている」と。

 南フランスのガイドと歴史も学んで、ミステリーが楽しめる一冊。
前半は伏線がいろいろあって整理がつかないが、後半になるとそれまでの、物や人や地名や言葉がどんどん意味を持ってきて、ぐいぐい読み進む。
 私にはとても面白かった。
歴史が好きなら、聖杯伝説に興味があるなら・・・・・私のことだわ。
カルカソンヌの素晴らしい写真はこちらのサイトに。
Google Earth でたぐっていくとこちら

歴史に「もし」があったなら

2007-02-08 23:10:51 | 
歴史の「もし」は考えてもしかたがない、とよく言われるが、

「歴史に『もし』があったなら」
  ――スペイン無敵艦隊イングランド上陸から
        ゴア米大統領の9.11まで
      アンドルー・ロバーツ 編



こんな、興味をそそられるタイトルの本を見つけた。

内容は
1.スペイン無敵艦隊がイングランドに上陸していたら
2.火薬陰謀事件が成功していたら
3.チャールズ一世が清教徒革命を抑えていたら
4.ベネディクト・アーノルドが独立戦争を英国勝利に導いたら
5.ナポレオンがロシアで勝利していたら
6.トレント号事件が戦争に発展していたら
7.オーストリア皇太子フェルディナント大公がサラエボで死ななかったら
8.レーニンがフィンランド駅で暗殺されていたら
9.1941年スターリンがモスクワ脱出に成功していたら
10.日本軍が真珠湾を攻撃しなかったら
11.ブライトンの爆破事件でマーガレット・サッチャーが死んでいたら
12.フロリダのパンチカード式投票用紙の穴がちゃんとあいていたら

10 では、ルーズベルトは日本など問題にしていなかった。目はヨーロッパしか見ていなかったし、ナチズムを撲滅しようと決意していた、と書いてある。もし、日本が参戦しなくても結果に変わりはなかっただろうということだ。

12 では大統領になったゴアと副大統領の会話、という形で想像を働かせている。
ブッシュではなくゴアが大統領だったら・・・・・。
これにはやっぱり関心が湧く。
ブッシュでなかったら、これほどイラクに執着しなかっただろうというのは、誰でも考えられることかな。

 歴史を知っていないと、「もし」の仮定を楽しめないので、よくわからない部分は飛ばし読みしてしまった。
 わかる人には楽しめる。

あとがきにあるように
十二の章はどれも極めて妥当な展開なのだが、ところどころで羽目をはずす遊び心(ナポレオンが統合したヨーロッパにはヒッピーのような若者があふれ、レーニンの暗殺はJFKの暗殺と重なり、ゴア大統領の9・11はユーモラスな脚本仕立てである)や、トリッキーな趣向(本書の編者でもあるアンドルー・ロバーツが担当した八章では、ロバーツ自身が架空の本のロシア人著者になりすまし、〈イフ〉の世界を事実としてまことしやかに伝える)もあり、なかなか楽しい読み物になっている。

もう少し歴史を勉強しておけばよかった・・・・・・・。

眠いです

2007-01-16 15:25:07 | 
昨日、テニスから帰ったあとは、ず~っと本を読んでいた。

「チーム・バチスタの栄光」 海堂 尊

これは、第四回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞していて、
気持ちよく楽しめる医療ミステリーだ。

あらすじは(カバーより)
東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器統御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ''として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。
壊滅寸前の犬学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチームーバチスターメンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか……。

謎解きをするお気楽医師の、のほほんぶりがいい感じ。
作者の言葉遊びがユーモラス。

ずっと読んでいたが、最後までは読めそうもないので午前三時ごろに寝ることにした。
ところが寝ようとしたら眠れない。
宵のうちに読書しながらうとうとしたのが悪かったのか、
寝る努力をしたが、五時ころ新聞が配達された音を聞き、起きた。
そして、読み進む。

朝、読み終わったので一寝入りすればいいのにそのまま起きているので
今は、頭がぼんやりしている。

新年から菌たちと

2007-01-03 19:57:37 | 
新年早々、息子がもって帰った「もやしもん」を読んで笑っている。
1巻、3巻、4巻の3冊。

   

2巻がないのは、母が2巻だけ読んだと息子が思い込んでいるから。
実は、娘の部屋で3巻も読んだのだが、息子は知らない。
だから、母の読んでいないのをもって帰ってくれたつもりなのだ。
気が利く息子だ。

この表紙だけでは何の話かわからないかな?
こんなページをみればわかるでしょう。

  可愛い菌たちが並んでいる。農大を舞台にしたお話。

ソファーに息子と並んで座り、私だけでなく息子も一緒になって「もやしもん」を見ながら声を出して笑っていたら、夫があきれていた。
「二人とも何をしているんだァ?」と。

だって、菌たちと直保の会話がおかしくて。

読書ばかり

2006-12-08 12:58:24 | 
年賀状が気になる。
そろそろ図案を考え印刷しなくては。

ところが、実家から帰ってから読書ばかりしている。

小松左京+谷甲州 「日本沈没 第二部」
を読み終わり、今は

箒木蓬生 「受命」を読書中。

どちらの本も読み応えがあり、時間がかかって家事が疎かになっている。

もう一つ、是非読んでみたいのが
筒井康隆 「日本以外全部沈没」
これは最近映画にもなったそうだから、筒井ワールドを久しぶりに楽しんで見たいと思っている。

映画「日本沈没」のリメイクはどういう出来映えだったんだろう。

「日本列島は沈没するか?」というのも面白かったし、
次々と、 興味が尽きない。

「レインツリーの国」

2006-11-12 20:27:23 | 
著者の有川浩(ひろ)さんの書くものは変わっている。
いつもは、「飛び道具」バリバリの、
巨大ザリガニや空に浮遊する生命体、塩?などが出てきて、戦闘シーンとラブコメの不思議な世界を展開する。

有川さんを初めて知ったのは「図書館戦争」で、それ以来、書かれた物を過去へ辿っているところ。

前置きが長くなったが、
最新の「レインツリーの国」には飛び道具はない。だけど、「図書館内乱」に「レインツリーの国」が意味を持って登場するという。どんなふうに?
先に内乱を読むべきか迷った。図書館では、内乱の方は貸し出し中でなかなか読めない。
せっかく手に取れたのだ、こちらを先に読んだ。

 「レインツリーの国」 有川 浩 新潮社

有川さんらしい言葉のやりとりはいつもながら楽しい。

伸とひとみ、まずはメールのやりとりから始まった。1冊の本について二人の言葉で深まっていくのがすてき。本をこんなふうに読み込んでいくのね、と感心しながら・・・・。
二人がメールだけでなく、向かい合って話したくなるのも自然の成り行き。
会ってみたら、・・・・何かがズレている。
そして、彼女が難聴だったことを知る。
ここまで読んで、あー、そうだったの? とやっと気づく。

いつも言葉のやりとりは気が利いていて、楽しいというかおかしいというか、独特の雰囲気を醸し出す会話場面が著者の持ち味だが、それだけでなく小説の背景になるものはきちっと調べている人だ。
 この本で読むまで、中途失聴、難聴、聾、聾唖について区別があることを考えたことがなかった。伝音声難聴と感音声難聴という言葉や区別も知らなかった。手話についても誤解していた。ヒロインの悩みやためらいなどを通じて少し知識を得ることができた。まだ少しだけど。
 著者は扱いにくい内容かもしれないけれど聴覚障害を正面から取り上げていて気づかせてくれた。

 配慮の必要な、どう言えばいいか迷う所で、ばんばん正直な感情が表現できている。そこまで言っていいの?
すると、言い過ぎに気づいて素直にあやまれる。大阪弁が効果的に使われていると思う。

 母は片方の耳がいつからか聞こえなくなっていた。知っているのに聞こえない側でしゃべったり、聞こえる方の耳でテレビを聞いているのに、そばで大きな声で他の人としゃべって邪魔をしていたり、思い出せば配慮の無いことをたくさんしている。

とてもいい本なので皆にオススメしたい。かわいいラブストーリーは、恋人たちを応援したくなる。

次は「図書館内乱」を読みたい。今度の飛び道具は何かな?