予備知識が無ければこの本を手に取ることもなかったろうと思う。
文章は軽くて読みやすい。

普通のOLが、酒に酔った勢いで、自衛隊に入ろうと思い立ったというのが面白そうだったので、興味津々、読んでみた。
自衛官になるには年齢制限があったため、まだ34歳まで大丈夫な予備自衛官に応募したという。驚きというほか無い。
予備自衛官とは、普段は企業等の一員として社会で活躍し、いざというときは自衛官として社会に貢献できる、という制度。こんな制度があったことも初めて知る。
予備自衛官“補”とは、自衛隊経験のない一般人が予備自衛官になるための制度。略して「ヨビジホ」
戦闘訓練の中の『匍匐』のところを抜粋してみると
テレ ビなどで「匍匐してる人を見たことがある方も多いと思いますがあれめっつつっっちゃめちゃ難しいです。素人がやると全然前に進みません。いや、器用な人は すぐできちやうのかもしれないですけど。私が下手なだけかもしれないですけど。事実かなり下手でしたけど。
ヨーイドンでスタートしてもみんないつの間にか はるか前を行ってましたけど。男子に混じってだったらそりや女子は負けるよなーとか言い訳してたら、女子3人だけでやらされて、それでもダントツでビリでしたけど。後で聞けば他の2人は陸上の短距離選手と大阪プロレスの女子レスラー。勝てるかい!!・・・・・まあ、とにかく難しいんです、匍匐。
で、匍匐には第1匍匐から第5匍匐まであって、数が増えるごとに姿勢がどんどん低くなります。
第5匍匐はうつ伏せに寝そべって頭を地面にこすり付け、手で草をひっつかんでずるずると這って前に進む状態です。
どんだけ土砂降りで全身ドロドロになろうが泥水飲もうが、雪の日に氷の張った水溜りだろうが、顔を付けた草むらに見たことないような虫がいようが、這いずり回ります。
始めはやはり全身がドロドロとしていくことに低抗がありましたが、それも次第にどうでもよくなります。
逆に、よりドロドロの酷い結果が得られる水溜りなんかがあった場合は、「うっしゃあああ!!」とよく分からない気合いが入ったりしました。
なかなか気合いのスイッチが入らない人は、「これはおいしいんだ。芸人のような気分になればいいんだ。ドロドロになればなるほどおいしいんだ」と自分に言い聞かせてたりしました。まあ、おいしいことはまったくないと思いますが。
でも、土砂降りでドロドロとか虫カイカイとかはまだ大丈夫でしたが、氷の水溜りはこたえました。体の末端すべての感覚がまるでなくなりました。
ちなみに現職の自衛官さんの演習では、演習場によっては突っ込んだ池の中であちこちヒルに食いつかれたりするそうです。
ヒルに比べたら:…・氷のほうがまだマシだなあ。こんなのを真似したくはないなあ。この著者にはきっと自衛隊の訓練に適性があったんだなあ。しんどいといいながらも愉しそうだもの。
他の事柄については、また