テレビや新聞は、報道に偏りがあると思っていた。だから、インターネットから幅広く情報を仕入れればいいと思っていた。
だけど、どうもそれだけではないらしい。
次のように紹介されている
あなた好みの情報を自動的に取捨選択して見せてくれる、近年のネット社会のフィルタリング技術。その裏に潜む、民主主義さえゆるがしかねない意外な落とし穴とはーーー。
最近のインターネットは、いつのまにか、自分が興味を持っていることや自分の意見を補強する情報ばかりが見えるようになりつつあるらしい。
インターネットの世界にはあらゆる情報が存在しているが、その情報と我々との間にフィルターが置かれ、そのフィルターを通過できる一部の情報だけが我々に届く状態になってきている。しかもこのフィルターは、一人ひとりに合わせてパーソナライズされている。つまり、いま、我々が見るインターネットは一人ひとり違っていることになる。
フィルターを作って設置しているのはグーグルやフェイスブックといった企業だ。その背景にあるのは広告。ユーザーの興味関心が正確に把握できれば、それに合わせた広告が提示できる。グーグルやフェイスブックを使うと、これらの企業に膨大なデータが蓄積されていく。これらのデータには法外な価値が生ずる。
フィルターバブルの中に入るというのは、自分が目にする選択肢をその会社に選ばせることを意味する。
そういえば、自分が検索したり、ネットで買い物をしたら、その関連の物ばかり、ネットの広告で見かけるようになった。
便利だと思う半面、様々なものが隠されて一部の物しか目にできなくなるというデメリットもあることに気づかなければいけない。
有名人でもないから誰もこんなちっぽけな個人の情報など欲しがらないだろうと思って安心してはいけないのだ。
SFの世界が現実に迫ってきた。
たとえば、2002年公開のSF映画「マイノリティ・リポート」では、道を歩く人にパーソナライズされたホログラムの広告が話しかけるシーンがある。
1万人の写真が収められたデータベースと顔のスキャン結果から通行人の年齢と性別を判断し、若い女性がいると判断すれば、そういう人物に適した広告を提示する。このようにパーソナライズされた世界初の屋外広告版が東京のNEC本社ビルに設置されているのだそうだ。
クラウドの時代がやってくるとすると、もっと簡単に把握され、コントロールされるのではないかなあ。