♪Love Crazy 「ラブ・クレイジー」
アップルミントグリーンのビーチシャツに、バブルガムピンクを基調にした水着(ショートパンツ)、足元はブルーのショートソックスに、同じくピンクの靴(スリッポン型?)。こんないかにも60年代な匂いのする装いに身を包んで、アレン・ブラザースのバックダンサー役である青山さんは、オーストラリアのテレビ局の収録スタジオに現れます。その溌剌とした風貌には、TVスタジオという設定でありながら、大きなビーチボールを描いたスタジオセットと相まって、ビーチを吹き抜ける潮風を感じてしまいました。BW版では、カラフルでありながら、もっとクラシックな感じの衣装、確かスーツを着て踊っていたようですが、今回の日本版のセットと衣装は、私としてはLove Crazyのダンスにぴったり、はじけるようなポップさ、若さを作り出すには、もってこいの演出だったように思っています。
舞台向かって右側から、皆より一足遅れてご登場の青山さん@バックダンサー、ビーチシャツを着なおしながら颯爽とスタジオに入ってくるのですが、このときに、胸元がチラリ、ピーター(坂本昌行さん)は思わず覗き込むように、この青山さん@バックダンサーに、眼を奪われてしまいます。テレビ収録の準備中のはずなのに、一瞬全然違うことのスイッチが入ってしまうピーターが、何とも笑えるわけです。再演版では、このご登場のシーンが初演版に比べて、なんと言ったらよいのか・・・(笑)、かなり強調されていました。「実は男の子大好き!」なピーターと、青山さん演ずるイケメンバックダンサーの眼が合ってしまう瞬間のあの「間」が、なんとも言えずおかしくて、毎回会場が沸いていましたよね。17歳の頃から既に「男の人についつい眼がいってしまっていた」ピーターのセクシュアリティー(バイセクシャルであること)が、この作品で初めて観客に示されるのが、この場面です。そんなピーターは関係ないとばかり、収録前の最後の身支度のチェックに抜かりのない、テレビ映りを気にする、「イカシタ」青年ぶりを青山さんは好演。アレン・ブラザースの紹介をするMCの後、Love Crazyの曲の出だしと同時にスポットライトがあたって、カメラが、踊りだすダンサーたちを映し始める瞬間の、青山さんの変化の仕方がまぶしく、非常に鮮やかでした。スポットライトがあたった瞬間、バックダンサーたちのセンターで、満面の笑顔でエネルギッシュに踊りだすあの青山さん、本当に真夏の照りつける太陽のごとく、眩しかったですよね。「60年代オーストラリアでのTV収録寸前のバックダンサーさんたちの緊張」と、「2005年6月(初演時)の青山劇場のOZの観客の期待」が重なって、それが一瞬にしてパチンとはじけて、溶け合っていく雰囲気は、何とも言えず、あの曲の始まりの瞬間は、「青山劇場のOZの観客」が「オーストラリアのTVスタジオの収録に立ち会う見学客」に変容してゆく瞬間だったかもしれません。
この曲の冒頭、青山さんは、まさにスポットライトとカメラの中心、センターで踊るバックダンサーのリーダー的存在です。そしてバックダンサーたちに囲まれて現れるアレン・ブラザースともに、客席から笑いが漏れるような、振りで踊ります。しかし、その振りは、「ちょっとやりすぎ?」と思えてしまうほどにコミカルな感じでありながら、Love Crazyの歌詞にぴったりという感じで、終始青山さんの”energy is everything”で、“the whole world is buzzing”してくるようなダンスを楽しめます。腕を上げて胸を前後に動かすもの、脚をツイストする動き、そしてピーターとクリス(松原剛志さん)を囲んで、フィンガースナッピングをしながら、横に移動していくシーンで、青山さんは前列中心で、背を向けてしゃがんでスナッピングするのですが、この手首と指の動きなんて、その部分だけでリズムを感じてしまうような考えられないかっこよさ!それからフィニッシュの、しゃがんで腕を伸ばすところなんて、最高でした~。さらに、”Listen to the music in the water. Don’t you see it swim before your eyes”の歌詞に関連してか、泳ぐような感じの振りも盛り込まれていて、とってもキュート!2005年6月(初演時)という、観客の抱く夏前の今の季節感と、舞台で繰り広げられる60年代のスタジオセットの光景とが、不思議に呼応して、観ている者は、本当に60年代のあの収録スタジオにタイムスリップしているような、なんだか不思議な感覚に陥るのでした。とにかく、太陽の光と夏の海のキラキラ光るようなまぶしさを感じさせる(飽くまでスタジオのセットなのですが・・・)、このシーンの雰囲気がとってもよく伝わってくるダンスでしたし、オーストラリアでブレイクした若きピーターたちの盛り上がり具合、アレン・ブラザースの「俺たちいけるよ!」な勢いが伝わってくるダンスでした。
ところで、この場面は、何度も言っているように、TVスタジオでの収録シーン。私たち観客は、カメラに映っている人たち、映っていない人たち、全てをひっくるめて、シーンとして楽しんでいるわけなんですが、青山さん@ダンサーは、そこのあたりを、とてもメリハリをつけて演じていらして、雰囲気がよく伝わってきたのです。Love Crazyの中盤で、青山さん@ダンサーは一旦カメラからは外れて、スタンバイ状態になるところがあるのですが、このときも舞台右手のほうで、カメラに映っていないので、心なしかリラックスしながらも、すかさず髪の毛を直したり、脚の状態をチェックしたりと、「ダンサー」として完璧にカメラに映ることに余念がないのです。そして再び、カメラに撮られるときになると・・・、再びエネルギッシュにダンシング!という感じで、観客は「収録現場」の雰囲気を、本当にリアルに感じることができるわけです。その風貌だけでも、ピーターが眼で追ってしまうのは、既に納得なのですが、こういうリアルな細かい部分の役作りでまた説得力が出て、名もないバックダンサーの人物像の輪郭が明確になって、このシーン最後のダンサーさんたち引き上げるところでの、ピーターの青山さん@ダンサーに対するお名残惜しい態度にもつながるような気がしました。手をギュッと握ったり、お尻にタッチしてしまったり、と日によって様々な演出でしたが・・・。(再演時には、ジャケットを脱いで、上半身を露出しながら袖に消えてゆくという感じで、シーン冒頭のご登場のときと同じぐらいの存在感があり、ピーターの「男の子大好き路線」を強調するためのよりわかりやすい演出になっていました。)
それにしても、このシーンでの青山さんを含めたバックダンサーの方々、笑顔が最高でした!曲冒頭でのスポットライトが当たった瞬間のカメラを意識した笑顔もパワーがあって、この曲の始まりにぴったりなのですが、曲が進むにつれて他のダンサーさんたちと一緒に踊るところでの笑顔もまた格別!ステージの楽しそうな雰囲気に観客も思わず足ではリズムを取ってしまうようなシーンでした。
Love Crazyの後には、ほどなく香港のヒルトンホテルのラウンジで、ピーターがジュディーに出会うシーンとなるのですが、このシーンになるとき、Waitzin’ Matildaというピーターとクリスが歌う中国語訛りの曲に合わせて、アンサンブルの男女のカップルがダンスをしながら、ホールに入ってくるのです。場面転換の役割も負っているこのダンスシーン、Love Crazyの雰囲気とうって変わって、とってもエレガント!シックなスーツに身を包み、女性の方(WSSご出演の柳田陽子さん)をリードして、輪を描くように踊る青山さん@ホテルのゲストは、先ほどと同じ人?という感じです。端正でいて、しなやかさが際立つ後姿はエレガンスそのもの。ホテルのラウンジのほの暗い照明のなかに、ふんわりと揺れるそのお姿は、この上もなくロマンティックでした!鳳蘭さん@ジュディーのAll I Wanted is the Dreamの熱唱を聞き入る青山さんをはじめとしたアンサンブルの皆さんがとても素敵!オーストラリアのTV局のスタジオから香港のヒルトンホテルのラウンジへと、客席もあっという間のトリップでした!
アップルミントグリーンのビーチシャツに、バブルガムピンクを基調にした水着(ショートパンツ)、足元はブルーのショートソックスに、同じくピンクの靴(スリッポン型?)。こんないかにも60年代な匂いのする装いに身を包んで、アレン・ブラザースのバックダンサー役である青山さんは、オーストラリアのテレビ局の収録スタジオに現れます。その溌剌とした風貌には、TVスタジオという設定でありながら、大きなビーチボールを描いたスタジオセットと相まって、ビーチを吹き抜ける潮風を感じてしまいました。BW版では、カラフルでありながら、もっとクラシックな感じの衣装、確かスーツを着て踊っていたようですが、今回の日本版のセットと衣装は、私としてはLove Crazyのダンスにぴったり、はじけるようなポップさ、若さを作り出すには、もってこいの演出だったように思っています。
舞台向かって右側から、皆より一足遅れてご登場の青山さん@バックダンサー、ビーチシャツを着なおしながら颯爽とスタジオに入ってくるのですが、このときに、胸元がチラリ、ピーター(坂本昌行さん)は思わず覗き込むように、この青山さん@バックダンサーに、眼を奪われてしまいます。テレビ収録の準備中のはずなのに、一瞬全然違うことのスイッチが入ってしまうピーターが、何とも笑えるわけです。再演版では、このご登場のシーンが初演版に比べて、なんと言ったらよいのか・・・(笑)、かなり強調されていました。「実は男の子大好き!」なピーターと、青山さん演ずるイケメンバックダンサーの眼が合ってしまう瞬間のあの「間」が、なんとも言えずおかしくて、毎回会場が沸いていましたよね。17歳の頃から既に「男の人についつい眼がいってしまっていた」ピーターのセクシュアリティー(バイセクシャルであること)が、この作品で初めて観客に示されるのが、この場面です。そんなピーターは関係ないとばかり、収録前の最後の身支度のチェックに抜かりのない、テレビ映りを気にする、「イカシタ」青年ぶりを青山さんは好演。アレン・ブラザースの紹介をするMCの後、Love Crazyの曲の出だしと同時にスポットライトがあたって、カメラが、踊りだすダンサーたちを映し始める瞬間の、青山さんの変化の仕方がまぶしく、非常に鮮やかでした。スポットライトがあたった瞬間、バックダンサーたちのセンターで、満面の笑顔でエネルギッシュに踊りだすあの青山さん、本当に真夏の照りつける太陽のごとく、眩しかったですよね。「60年代オーストラリアでのTV収録寸前のバックダンサーさんたちの緊張」と、「2005年6月(初演時)の青山劇場のOZの観客の期待」が重なって、それが一瞬にしてパチンとはじけて、溶け合っていく雰囲気は、何とも言えず、あの曲の始まりの瞬間は、「青山劇場のOZの観客」が「オーストラリアのTVスタジオの収録に立ち会う見学客」に変容してゆく瞬間だったかもしれません。
この曲の冒頭、青山さんは、まさにスポットライトとカメラの中心、センターで踊るバックダンサーのリーダー的存在です。そしてバックダンサーたちに囲まれて現れるアレン・ブラザースともに、客席から笑いが漏れるような、振りで踊ります。しかし、その振りは、「ちょっとやりすぎ?」と思えてしまうほどにコミカルな感じでありながら、Love Crazyの歌詞にぴったりという感じで、終始青山さんの”energy is everything”で、“the whole world is buzzing”してくるようなダンスを楽しめます。腕を上げて胸を前後に動かすもの、脚をツイストする動き、そしてピーターとクリス(松原剛志さん)を囲んで、フィンガースナッピングをしながら、横に移動していくシーンで、青山さんは前列中心で、背を向けてしゃがんでスナッピングするのですが、この手首と指の動きなんて、その部分だけでリズムを感じてしまうような考えられないかっこよさ!それからフィニッシュの、しゃがんで腕を伸ばすところなんて、最高でした~。さらに、”Listen to the music in the water. Don’t you see it swim before your eyes”の歌詞に関連してか、泳ぐような感じの振りも盛り込まれていて、とってもキュート!2005年6月(初演時)という、観客の抱く夏前の今の季節感と、舞台で繰り広げられる60年代のスタジオセットの光景とが、不思議に呼応して、観ている者は、本当に60年代のあの収録スタジオにタイムスリップしているような、なんだか不思議な感覚に陥るのでした。とにかく、太陽の光と夏の海のキラキラ光るようなまぶしさを感じさせる(飽くまでスタジオのセットなのですが・・・)、このシーンの雰囲気がとってもよく伝わってくるダンスでしたし、オーストラリアでブレイクした若きピーターたちの盛り上がり具合、アレン・ブラザースの「俺たちいけるよ!」な勢いが伝わってくるダンスでした。
ところで、この場面は、何度も言っているように、TVスタジオでの収録シーン。私たち観客は、カメラに映っている人たち、映っていない人たち、全てをひっくるめて、シーンとして楽しんでいるわけなんですが、青山さん@ダンサーは、そこのあたりを、とてもメリハリをつけて演じていらして、雰囲気がよく伝わってきたのです。Love Crazyの中盤で、青山さん@ダンサーは一旦カメラからは外れて、スタンバイ状態になるところがあるのですが、このときも舞台右手のほうで、カメラに映っていないので、心なしかリラックスしながらも、すかさず髪の毛を直したり、脚の状態をチェックしたりと、「ダンサー」として完璧にカメラに映ることに余念がないのです。そして再び、カメラに撮られるときになると・・・、再びエネルギッシュにダンシング!という感じで、観客は「収録現場」の雰囲気を、本当にリアルに感じることができるわけです。その風貌だけでも、ピーターが眼で追ってしまうのは、既に納得なのですが、こういうリアルな細かい部分の役作りでまた説得力が出て、名もないバックダンサーの人物像の輪郭が明確になって、このシーン最後のダンサーさんたち引き上げるところでの、ピーターの青山さん@ダンサーに対するお名残惜しい態度にもつながるような気がしました。手をギュッと握ったり、お尻にタッチしてしまったり、と日によって様々な演出でしたが・・・。(再演時には、ジャケットを脱いで、上半身を露出しながら袖に消えてゆくという感じで、シーン冒頭のご登場のときと同じぐらいの存在感があり、ピーターの「男の子大好き路線」を強調するためのよりわかりやすい演出になっていました。)
それにしても、このシーンでの青山さんを含めたバックダンサーの方々、笑顔が最高でした!曲冒頭でのスポットライトが当たった瞬間のカメラを意識した笑顔もパワーがあって、この曲の始まりにぴったりなのですが、曲が進むにつれて他のダンサーさんたちと一緒に踊るところでの笑顔もまた格別!ステージの楽しそうな雰囲気に観客も思わず足ではリズムを取ってしまうようなシーンでした。
Love Crazyの後には、ほどなく香港のヒルトンホテルのラウンジで、ピーターがジュディーに出会うシーンとなるのですが、このシーンになるとき、Waitzin’ Matildaというピーターとクリスが歌う中国語訛りの曲に合わせて、アンサンブルの男女のカップルがダンスをしながら、ホールに入ってくるのです。場面転換の役割も負っているこのダンスシーン、Love Crazyの雰囲気とうって変わって、とってもエレガント!シックなスーツに身を包み、女性の方(WSSご出演の柳田陽子さん)をリードして、輪を描くように踊る青山さん@ホテルのゲストは、先ほどと同じ人?という感じです。端正でいて、しなやかさが際立つ後姿はエレガンスそのもの。ホテルのラウンジのほの暗い照明のなかに、ふんわりと揺れるそのお姿は、この上もなくロマンティックでした!鳳蘭さん@ジュディーのAll I Wanted is the Dreamの熱唱を聞き入る青山さんをはじめとしたアンサンブルの皆さんがとても素敵!オーストラリアのTV局のスタジオから香港のヒルトンホテルのラウンジへと、客席もあっという間のトリップでした!