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美の渉猟

感性を刺激するもの・ことを、気ままに綴っていきます。
お能・絵画・庭・建築・仏像・ファッション などなど。

見るところ花にあらずということなし

2024-02-09 11:57:47 | その他

昨年の秋だったか近所を歩いているとき
「最近美術館に行ってないなあ」と
ふと思った。

コロナ禍の影響で事前予約制をとる美術館が増えて
気軽に行けなくなったことや
物価高の影響でチケット代が高くなったこともある。

勤め人の頃は毎月のように
美術館に行っていたような気がする。

それは普段の生活が美しいものからかけ離れていたので
休日は「美」に逃げ込んでいたのだと思う。

それが最近、美術館に行く気がとんと失せてしまった。

「美術館に行ってないなあ」と思ったとき
ふと空を見上げると
すばらしく美しい夕焼け雲が
空にひろびろと浮かんでいた。

オレンジ色、茜色、紫色のグラデーション。
色は多彩だが色調はやわらかい。
雲のかたちは丸くてかわいくて
まるで羊が仲よく並んでいるよう。

その夕焼け雲を見ていたら
「美術館に行かんでもええな。空を見るだけで美しい」
と思ったのだった。

そしてこれまたふと
「見るところ花にあらずということなし」
という言葉が浮かんだ。

ちょっと調べてみると
松尾芭蕉の『笈の小文』序文の中の言葉だった。

   

 しかも風雅におけるもの、造化にしたがひて四時を友とす。

 見る処花にあらずといふ事なし。おもふ所月にあらずといふ事なし。

 像花にあらざる時は夷狄にひとし。心花にあらざる時は鳥獣に類ス。

 夷狄を出、鳥獣を離れて、造化にしたがひ、造化にかへれとなり。

 

自然の中に美を発見するというより
「自然はすべて美しい」と言っているような。

勤め人をやめて3年。
少しは芭蕉の境地に近づいてきただろうか。

 

(↓ これは夕焼けではありませんが雲が印象的な栗林公園の写真です。)

 

(↓これも夕焼けではありませんが雲が印象的な大阪城石垣とOBP(大阪ビジネスパーク)の写真です。)

 

(↓これも夕焼けではありませんが雲が印象的な大阪府警の写真です。)

 

(↓これも夕焼けではありませんが雲が印象的な四天王寺の写真です。)

雲というものは美しい。

しかも毎日毎時毎分毎秒
縮めていうと
時々刻々と
違う表情を見せてくれるのだ。


ブラタモリに「高熱隧道」が

2024-01-21 20:45:33 | その他

昨日の夜、テレビをつけたら「ブラタモリ」。
黒部の電源開発の話だった。

これまで一般人は行けなかった
黒部峡谷鉄道の欅平駅から黒部ダムまでのルートを
旅行商品化して2024年から公開するという話をしていた。
「黒部宇奈月キャニオンルート」というらしい。

それを聞いてピンと来た。
もしかして「高熱隧道」のことか?

案の定、画面には
ついさっきノミで掘ったばかりのような
荒々しい岩肌がそのままのトンネルが現れた。

案内の関電社員の男性が
「さわってみてください。熱くありませんか?」
というようなことを言い始めた。

そして関電社員の口から
「ここは高熱隧道と言います」と
その名が告げられた。

ひえー、あの「高熱隧道」を
旅行商品化するのか。
ちょっと茫然となってしまった。
(なお、高熱隧道は黒部宇奈月キャニオンルートの一部です。)

知っている人は知っているだろう。
吉村 昭の小説『高熱隧道』(新潮文庫刊)を。

戦前、黒部第三発電所の建設工事のために
岩盤最高温度166度という高熱地帯に
むりやりトンネルを掘る話である。

なんでそんな無茶をしたのかというと
平たく言えば戦争のためである。
戦争遂行のために新たな電力が必要という論理だ。

小説の中で度肝を抜かれるのは
工事にたずさわる人たちの宿舎が
大雪の降った一夜のうちに消えてなくなるという
(雪に埋もれているわけではない)、
あり得ないような事故である。
(何が原因かは、よろしければ本をお読みください。)

あまり書くとネタバレになるので書かないが
これでもかこれでもかと
想像を絶する難工事と事故の連続が描かれる。

それは自然の猛威によるものだけではなく
ダイナマイトによる事故など
人為的な事故も含まれる。

そしてそれらは
吉村 昭が取材した「事実」に基づいている。
事故の描写もすごいが
そんな無茶をさせる軍部のやり方も
淡々と、だがしっかりと描かれている。

工事の困難さ、事故のすさまじさ。
当時の大日本帝国という国の体質。
これが本当に事実なのかと
頭を殴られるような衝撃を受ける小説である。
でも描写はあくまで淡々と。

その高熱隧道へ行こうと思えば行けるとは。
時代は変わるものである。


何という年明け

2024-01-09 11:11:20 | その他

年が明けた。

 

元日に能登半島で大地震、

翌日には前代未聞の航空事故と

大変な年明けとなった。

 

被災地へ物資を運ぶ途上での

海保機乗員5名の死亡を

おそらく最も速く伝えたNHKニュースでは

テレビ画面越しでも伝わってきた

スタジオ内の沈痛な空気が忘れられない。

 

自然の力の圧倒的な強大さを見せつけられ

人の命が失われることの痛ましさを思い知らされた

何という年明け。

 

被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。

そして

お亡くなりになった方々へ

心より哀悼の意を表します。


2023-03-09 18:29:51 | その他

今日の原稿執筆は京都迎賓館について。

自分でも予想していなかった結論になった。

何ごとも書いてみないとわからない。

 

ということで疲れたので過去の写真を掲載します。

 

あとひと月もしないうちに桜が咲くだろう。

これはどこの桜か覚えていないけれど、

朝日カルチャーセンターの庭園講座に通っていた頃の写真だとは思う。

 

2年間の京都暮らしでは、家の近所の疏水べりの桜を毎日見ていたが

今年は大阪城の桜が待っている。


百合の花 その二

2023-03-03 16:47:08 | その他

百合の花のつぼみが

一つ、開いた。

このつぼみではないが

つぼみの開く「カサッ」という音を

生まれて初めて聞いた。

 

人間の目から見れば

百合の花はじーっとしているように見えるが

本当は瞬時も休まず、動いているのだろう。

 

人間の目に見えることなんて

ほんの一部だ。