いつもご祝儀を差し上げるのだが
実家に住む姉と共にその役目を果たすため
家の前に来たお神輿巡行の列をお迎えし、
ご祝儀を渡し、
子どもたちによる「打ーちましょ、パンパン」の
お神輿を引く子どもたちのお世話に出ていた母が
帰宅早々、
「今日はみんなブルーインパルス見るから、はよ帰らなって言うてたわー」
とのこと。
12日は
万博開幕日に悪天候で飛行が叶わなかった
やり直し飛行の日。
新聞に掲載されていた飛行ルートによると
午後2時45分に関空を出発、
通天閣~大阪城~ひらかたパーク~太陽の塔と回って、
再び大阪城へ。
そして夢洲の万博会場で展示飛行を披露し、
関空へ帰還。
実家は大阪城から南へ歩いて20分ほど下ったところにある。
「うちから見えるかな?」
「どやろ、いちおう空、見とこか」
ということでスマホを準備して、
リビングのある3階の窓の外を意識しながらテレビを見ていたら
バリバリバリ
と、空から音が。
しかしヘリコプターだった。
報道関係か。
しばらくして、また
バリバリバリ。
いつもとは違う大型ヘリが見えた。
何だかいつもと違う浮足立った雰囲気が
ビルとビルの合間の青空に広がる。
「こんなヘリコプター飛んでたら、ぶつかるんちゃう?」
などと言っていたら
これまで聞いたことがない
ゴオオオオ
という重低音が
南の方角から聞こえてきた。
「ハッ、来てるんちゃう?」
姉と顔を見合わせた。
「それが来る」という
期待とも怖れともつかない気持ちが
胸にせり上がってきた。
急いで窓の外を見たら
たしかに編隊を組んだ機体が!!
ヘリコプターなどよりはるか上空に
白線を曳航させながら、きれいに並んで
丘にそびえ立つタワマンの上を通過していった。
「キャー、見れた! すごーい!!」
思わず、姉と窓際で拍手していた。
「もう今年はあと半年、ええことしかないで!」
「ホンマや!!」
まるで「見えざる稀人(まれびと)」を垣間見た気分である。
興奮しすぎて機体を写真に撮れなかった。
飛び去ったあとを撮影したのがこちら。

さて、新聞掲載の飛行ルートによると
万博会場に行く前にもう一度、大阪城の上を通る。
「ということは、また戻ってくる?」
「そうやなあ、いつ頃かなあ」
「太陽の塔まで行くし、ちょっと時間かかるんちゃう?」
などと
リビングに座って話していたら
再び
ゴオオオオ
という重低音が。
今度は北から聞こえてきた。
「ええっ、もう来たん?」
急いで今度はリビングの南側にあるベランダへ。
ベランダからは某男子校のグラウンドが丸見え状態なのだが
そのグラウンドの脇の上空を
編隊を組んで機体が飛び去っていった。
グラウンドで練習中の球児たちは
「めちゃくちゃ早い、もう戻ってきた」
「ブルーインパルスって時速何キロ?」
スマホで調べる。
「時速1000キロ」
「えー、新幹線で何キロ?」
「うーん、200キロか300キロぐらいかな」
「新幹線より早い!」
「昨日テレビで言うてたけど、一機20億円やて」
「へえー!!」
時速1000キロ、20億円(×6機で120億円か)という
国家規模の防衛力というものの威容を
目の当たりにしたのだった。
ブルーインパルスは翌13日(日)も
同じ時刻、同じルートを飛行予定。
今度はスマホではなくデジカメで撮影するため
再び実家へ。
私の自宅マンションは
実は大阪城の近く。
午後2時過ぎ、自宅マンションを出ると
大阪城のすぐそばの難波宮跡公園にも人が集まっている。
大阪城へ向かって北上する人々と逆行するように
大阪城の南にある実家へ向かう。
汗みどろになる猛暑の中ではあるが
町じゅうが浮足立っている雰囲気。
撮影したのがこちら。
今回は4階から撮影。







やっぱり初日の方が興奮した。
編隊を組んで飛行する機体を初めて見た興奮と
ゴオオオオ
という重くて低い飛行音を初めて聞いた興奮。
何よりも
機体を見る前、音だけ聞こえた時の
ちょっと怖い感じが
忘れがたい。