2月3日から東京で始まるヒグチユウコ展のチラシには
こんな絵が描かれている。
かわいらしさと不気味さの、
最高難度の混淆とでも言えようか。
この絵を見ていて
あるシュールレアリスムの画家の絵を思い出した。
それはこの絵。
マックス・エルンスト(独、1891- 1976)の
「花嫁の衣装」(1940)。
小さい頃、美術図鑑か何かで見て
忘れられなくなった絵である。
鳥の羽でおおわれたガウンの裾は
肉片だろうか。
そういえばレディー・ガガが
生肉ドレスを着ていたことがあった。
このあたりに発想のルーツがあるのかも。
(よく知りませんが。)
こうして並べてみると
エルンストの絵には
ヨーロッパの歴史の重さを感じる。
さまざまな美を生み出してきた華やかさと
戦争や征服を繰り返してきた残酷さが織りなす
美しくて暗くて重い、年月の堆積。
(エルンストは第一次世界大戦に従軍した経験を持つ。)
第一次世界大戦後の1920年代に出現した
シュールレアリスム(超現実主義)は
そうしたヨーロッパの歴史の重さの中から
生み出されたものかもしれない。