アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シネラリア - サイネリアは英語ではない?!

2021-02-02 17:00:00 | みんなの花図鑑

西尾市憩の農園の特売市の花、この花も 色んな色があってきれいでした。



ところが、花の名前が書いてありません。
さっそく スマホの Google Lens でつぎつぎと検索します。

青系も・・・


ピンク系も・・・
ことごとく「シネラリア」です。色は違っても皆「シネラリア」です。


ここまでは良かったのですが、帰って「シネラリア」でググっても ウィキペディアの記事しか出てきません!

wikiの 「シネラリア」記事に理由がかいてありました:

「花屋では昔「シネラリア」と呼ばれていた(中略)。 最近は「死ねラリア」と連想する人が多いので「サイネリア」の流通名で販売されている。」




何ということでしょう!
「シネ」が「死ね」を連想するから、ですって!
湿原の「アシ」が「悪し」を連想するから、「ヨシ」と言い換えたのと同じ発想ですか?




そ~いう風に 音韻主義で考えるのっておかしいと思います。
さらにおかしいのは 変更後の「サイネリア」に何ら根拠がないことです。
そうです、「サイネリア」は英語でもないのです。
Go翻訳で 「サイネリア」を英語に翻訳させると 「cineraria(シネラリア)」と変換されます。




ただ、「シネラリア」という名前も旧属名で、いまはペリカリス属 Pericallis に属しています。
1977年にペリカリス・クルエンタ種(Pericallis cruenta)とペリカリス・ラナータ種(P. lanata)を元にイギリス王室で作出され、この品種が大元となって様々な種を掛け合わせて、現在の cineraria という園芸品種群(Pericallis × hybridus) があります。




いずれにせよ、キク科の花です。花弁のようなものは 舌状花といって 一枚一枚が独立した花です。




中央の(普通の花で言うと) おしべ、めしべに当たる部分は 筒状花といって、これまたたくさんの小花の集合です。
白い星形の花弁の中から こげ茶色の土筆(つくし)の袴のような器官がでていますが、これは 5つの雄しべが合着して一つの筒になったものです(雄しべ筒)。




雄しべ筒の中から 黄色い花粉が出ていますが、これは 雄しべが筒の内壁に出した花粉を 雌しべの棒が筒の中から押し上げたものです。




雌しべの棒は、筒の中を貫通して花粉を押し上げ、その後しばらくして めしべの花柱の先を割り 柱頭を開きます。



ガザニア - 咲きました!

2021-02-02 09:20:06 | みんなの花図鑑

西尾市憩の農園の特売品シリーズ? 3作目は キク科のガザニア。


1月中旬の時点では まだ こんなでした ↓ (以下4枚 1月16日撮影)














以下、1月31日撮影分

半月前、つぼみのようなのが このように開花したのかと思ったら、ガザニアの花は 昼間に咲き午後に閉じる性質があるんですってね



なので、花の開き方は、訪れた時間による差もあるのかもしれないです。




「花弁は黄色、橙色の他に、銅色、白色、赤色や縞模様もあり、しばしば基部に暗色の斑紋がある。」(三河植物観察「ガザニア」)
見方によっては 極楽鳥花が丸くなって一斉に咲いたみたいです(^^)/




「南アフリカ付近の原産である。和名がついているのはクンショウギクGazania linearis、ジャノメクンショウギクGazania rigens、ハネバクンショウギクGazania pectinataの3種であり、この中で園芸種が多いのはジャノメクンショウギク系である。」(同上)




キク科の花なので、一つの花序は たくさんの小花の集合です。
花弁のように見える外側の一枚一枚が 舌状花。




中心の シベのように見える部分は 筒状花の集合です。




筒状花の集団は 外側から順に開花していきます。
蕾が割れて 星形の小さい花弁を開くと、中から 雄しべの筒がもやしのように伸びてきます。
そのあと 雄しべの筒の中を 未成熟な雌しべの棒が 筒の内壁に雄しべが出した花粉を筒の外に押し上げます。
虫たちが花粉を他の花に運んだあと、めしべが カールした柱頭を開き、雌性期に入ります。
キク科に共通の集団繁殖法です \(^o^)/