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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

特発性側弯症 マイルドカーブについてのQ&A

2007-04-30 21:50:45 | マイルドカーブ
(H19年7月4日追記 : この項は、august03が和訳したものです。
私は医師ではありませんので、医学的に誤解や誤りが含まれている可能性は
ありますので、どうかそのことを考慮されてお読みいただきたいと思います。)

..............................................................

Q&Aシリーズを和訳完了しました。

記載しながら気づいた事がありました。
このQ&Aにおける回答者は下記のカリフォルニアの整形外科医師です。

  Dr. William P. Bunnell,
  Chairman of the Department of Orthopaedic Surgery,
  Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California.

回答中に、幾つかの数値が登場します。この先生の持っているデータと想像
しますが、正確に言えば、オリジナルデータが提示されていませんので、データ
の信頼性という点では、完全とは言えません。
また、米国内のデータの為、これらの数値や、病態の傾向が日本人にもあてはまる
かどうかは不明です。
これを参考にされる方は、あくまでも上記に注意されて、必要に応じて、
かかりつけの先生からのご意見を求められて下さい。

また、この記事のなかで、医師は1000人を診察して984人になんらかの脊柱のカーブ
を発見したと表現していますが、この数値が側弯症の発症率を現しているわけでは
ありませんので、ご注意下さい。


http://www.scoliosis.org/resources/medicalupdates/mildcurvesqa.php
10問のQ&Aがありますので、少しづつ和訳していってみます。

Answers to Questions About Mild Curves
マイルドカーブについての Q&A

私ども米国側弯症財団には毎年同じ質問のレターや電話での問い合わせを受けます
それは、マイルドカーブについてです。医師から「マイルドカーブ」と診断され、
「現状は治療の必要はない」「もしかすると、将来的には治療が必要になるかも
しれない」と言われた患者さんや両親は、その意味するところがわからずに戸惑っ
てしまい、当財団へ質問してくる、というわけです。
ご両親は、「何も治療しないで、黙って悪化するのを待て、というのか?」
と心配しているわけです。

Q: Dr. Bunnell, we've been told that one in ten persons has scoliosis but
we know that most curvatures will remain mild and never require treatment.
What percent of curves remain mild?
A: Ninety-five percent of the curvatures will not require treatment.
Q: 10人にひとりは側弯症だと言われています。しかし、多くの場合、カーブは
 マイルドなもので治療は不要だとも言われています。どれくらいのパーセンテー
 ジでマイルドなままなのでしょうか? 
A: 95%の患者さんは治療は必要とならないカーブです。

Q: How does an orthopedist determine whether or not a curve is mild?
A: We begin with a physical examination that involves bending the patient
forward so that we can see whether the curvature is causing a rotation of
the spine and a rib deformity. We then may take an x-ray of the patient's
spine to determine precisely the nature and degree of the curvature.
Q: 専門医はどうやってカーブがマイルドかどうかを判断するのですか?
A: 患者さんに前屈してもらいます。そうすることで、カーブが脊椎と肋骨の回旋
  変形が原因かどうかを診察することができます。それからレントゲン写真を
とり、脊椎の状態とカーブの変形状況(コブ角)を測定するのです。

Q: Which curves are considered mild?
A: We usually label a curve mild if it's under 20 degrees. And if a curve
is less than 10 degrees, we don't even dignify it by calling it scoliosis.
Instead, we might refer to it as a postural variation.
Q: どの程度のカーブがマイルドといえるのですか?
A: 20度以下の場合をマイルドと定義しています。
もし10度以下であれば、側弯症とも呼びません。おそらく姿勢による変位/変化
  というように考えます。

Q: マイルドカーブが進行し治療が必要になるかどうかを予想するにはどのような
要因を検討するのですか?
A: ひとつには骨格の成熟度や骨年齢です。古くからの方法は患者の手首をレント
ゲン撮影し、Greulich and PyleAtlasと呼ばれる特別な本に掲載された別の手首
のレントゲン像と比較します。比較によって、年齢は14歳でも骨は13歳である、
というようなことが分かります。骨の成熟度を見分ける別の方法は、骨盤のレン
トゲン像を観察することです。これを見ることで、患者が成長期にあるのか、
それとも終わろうとしてるのかを判断することができます。

少女の場合は、初潮の時期もまたカーブが進行するかどうかの予想に役立ちま
す。私たちは、若い女の子はその最初の時期に急速に成長することを知っていま
す。そして、そのときがカーブが最も悪化する時期なのです。一方、もし若者が
最初の時期を過ぎてしまったとしたら、その子はその後1年から2年は引き続き
身長が伸びますが、伸び率は減少し始めます。
ですから、私たちは、もし患者のカーブが25度近辺だとして、彼女がまだ最初の
時期を迎えていないとしたら、カーブが著しく進行するリスクが高いと言うこと
ができるのです。
逆に、もしすでに最初の時期を過ぎていたとしたら、カーブが進行するリスクは
低い、と言えます。

Q: Once a youngster has been diagnosed as having a mild curvature,
  what steps should he or she take?
A: It will depend upon the size of the patient's curve and the growth
status. A young patient (6-8 years old) with a very mild curve
(15degrees) might only need to be seen once every 6-12 months since the
risk of progression is low. A pre-teen (11-12 years old) with a larger
curve (25 degrees) will require much closer observation (every 3-4 months)
because of the higher risk of curve progression. There is no need to
restrict physical activities during this period, nor are physical
exercises of any benefit in preventing curve progression.

Q: こどもがマイルドな変形だと診断された場合、次にすべきことは何でしょうか?
A: それはカーブの大きさと成長期にあるかどうか、ということを考慮することに
なります。
6~8歳のこどもで非常にマイルドなカーブ(15度程度)の場合は、急激に進行する
というリスクは小さいので6~12ヶ月の間隔で観察します。
11~12歳で大きなカーブ(25度程度)の場合は、カーブが進行するリスクが高いの
で、もっと頻繁な間隔(3~4ヶ月)で観察します。この観察期間中には、
なんら日常生活、学校生活で制限すべきことはありません。普通に生活して下さ
い。また運動によってカーブの進行を防止するという効果もありません。

Q: During the observation period, would you take x-rays each time you saw
the patient, or could you use the Scoliometer?
A: Although an x-ray is the only way to be absolutely sure about whether
or not a curve is progressing, I believe that the Scoliometer is
effective in determining significant progression of mild curves.
Its use easily reduces the need for x-ray (not clinical examinations)
by 50%.
Q: 観察期間中には、毎回レントゲン撮影をするのですか? スコリオメーターは
使用しますか?
A: レントゲン撮影がカーブ進行の有無を確認する唯一の手段です。
スコリオメーターもカーブが急激に進行している場合は測定に役立ちます。
これを使用すれば、レントゲン撮影の回数を減らすことができます。

Q: Can anything be done to reduce a mild curve? What about exercise or
  manipulation?
A: There's not an ounce of scientifically documented evidence that exercise
or manipulation can reduce a curvature. There is a place for exercise in
children who have poor posture; it can help create body awareness so they
don't slouch.
Q:マイルドカーブを減少させる為に何か治療はしないのですか?
運動やマッサージのようなものはどうなのでしょうか?
A:運動やマッサージのようなものがカーブを減少させた、という科学的証拠は
ありません。
姿勢の悪いこどものその「姿勢」を直す運動をほどこす教室はあるようです。
自分の姿勢がどうなっているかを気づかせることで、猫背をしなくなるのです。

Q: If the patient is still growing and the mild curve does progress beyond
25 degrees, what type of treatment would you recommend?
A: I'd probably recommend a rigid brace of some sort, and my choice would
depend on whether the patient had a single or double curve as well as
the location of the curve(s) along the spine.
Q: もしこどもがまだ成長期で、マイルドカーブが25度を越え始めたら、どのような
治療をするのですか?
A: ある種の固いタイプのブレースを使用します。どのタイプを用いるかは、カーブ
がシングル型なのか、ダブル型なのか、そのカーブしている位置はどこか、
などの要因で判断します。

Q: One final question. We know some youngsters who, despite the fact that
their curves are well below 25 degrees, believe they are "deformed."
What would you say to that?
A: It's my contention that mild curves are extremely prevalent in the
population. In fact in 1988, I personally looked at 1,000 high school
students and found only 16 youngsters who had perfectly straight spines.
It's important to realize that almost everybody has a little bit of
irregular curvature. And that's why it's so important that we don't treat
everybody.

Q: 最後の質問になります。あるこどもたちは、25度以下のカーブであるにも
関わらず、「変形」していると信じ込んでいる患者がいることを知っています。
これについて何かコメントはいただけますか?
A: それこそが私の主張したい点なのです。マイルドカーブを有する人達の数と
いうのは非常に大きいのです。実際、1988年に私が高校生1000人を検診した
ところ、わずか16人のみがきれいにまっすぐな脊柱でした。誰しもがわずか
ながらでもカーブをもっているのだということを知ることが大切です。
それゆえに、我々整形外科医は、全員を治療はしない、ということが重要
なのです。
(治療する対象は25度以上でカーブが進行するリスクが高い患者のみに行って
いる、という意味と解釈されます)


(Q&Aはここで終わります)

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