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大人の側弯症 新しい手術手技 XLIF (3) 痛みの原因

2016-03-30 23:53:24 | 大人の側弯症進行
前回 (2)において、大人の変性側弯症の症状、病態についてレントゲン写真を例示してご説明しました。今回は、さらに体の中を覗いたような図を作成してみました。ここでは神経根に注目した形で図式しています。 神経根とは何か、というような解剖についても今後、少しづつ説明していきますが、ここでは、脊椎の中には「神経根」と呼ばれる神経の根っ子のようなものが、脊髄から派生していて、それが脊椎(椎体の間から)横に広がるように、出ている。ということをまずは初歩知識として理解して下さい。なぜ患者さんは「痛み」を訴えるのか? 端的に述べれば、脊椎(椎体)の変形によって、この神経根が「いじめられている」から、というのが最もわかりやすい説明になると思います。例えば、歯医者さんに行って、虫歯の治療で、「神経にちょっと触れますよ、痛いかもしれませんから、我慢できなかったら言って下さい」というような説明を聞いたことがありませんか ? 激痛が走りますよね。神経は触られるととんでもない痛みを感じるわけです。ここに掲示した左図は、神経根が上下から挟み込まれて「いじめられている」状態を示そうとしているものなのですが、そのような切迫感がないから、ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、いまこれをお読みになっている患者さんは、この痛みを十分にご理解いただけると思います。

痛みの原因は物理現象です。

 加齢や極度の荷重の繰り返しによって、椎体が変形していく・椎間板が変性し、つぶれていく。

 椎間板がつぶれることで、上下椎体の間が狭くなる (狭窄が進行)

 脊椎後方から外側に向かって伸びている神経根が、上下椎体により押しつぶされていく

 この為に、痛みが生じる

では、痛みを取り除くにはどうすればいいか?
その為には、物理的に「上下の椎体間を広げてあげる」という操作が有効になる。ということは直感的にイメージしていただけるかと思います。 これが変性側弯に対する手技のひとつになります。 手技の詳しい説明は後日にしますが、単純な図式ですが、このような「痛みの原因」がどこにあるか、ということをまずはご理解下さい。

august03










☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
 医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?


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