海辺の暮らし

この歳まで引越しや旅行を繰り返してきた私が、これからの旅も交えて街や漁港のことを書いていきたいと思っています。

至福の時間。

2009-02-05 09:51:35 | Weblog
私がオープンの車に乗っていたことは、前に話した。都会でのオープンカーは、汚れた空気をかき分けて走る印象で、あまりカッコのいいものではない。夏など、湿度の高い空気が汗ばんだ顔に絡みつき、走り終わった後でシャワーを浴びないと気持ちが悪い。
そんなオープンカーも晩秋から初頭にかけての海辺や山道を走るときには、爽快そのものだ。ただし、雨の多い日本では最良の季節が、春と秋の4ヶ月ほどしかないのだから、贅沢な乗り物には違いない。
伊東にいた私が横浜方面に出かけて、気分がいい日には遠回りもかまわずに選んだのが、国道134号線を鎌倉から江ノ島に抜けて、さらに西湘バイパスを走り、小田原から湯河原、熱海、伊東へといたるルートだ。
134号線は稲村ガ崎の辺りから江ノ島越しに富士山が見える。多少の渋滞は我慢しても、この絶景は見逃せない。このあたりで空に茜が差してくる時間帯は、さらに言葉に尽くせない美しさだ。
しかし、もっと早い時間帯にそのあたりを過ぎて、西湘バイパスで夕暮れを迎えるのも楽しみが大きかった。ともかく、平日にこの道に入ってしまえば、渋滞の心配はない。波をかぶりそうな夕日の海辺を疾走して、小田原の先、早川の出口までの間は、運転するものにとって至福の時間だ。
ただし、このコースを疾走するときは、無粋な警察車両、特に覆面パトカーには注意しなければいけない。至福の時間を楽しんでいるドライバーを捕まえるのが、彼らにとっての至福の時間らしいのだ。