緋鷹のきまぐれなブログ

ロハスな感じで。

sequel of dream ~ last episode ~

2005-11-16 | KnightOnline note+
莫大な借金を背負い、更に魔法でピッコロの姿にされてしまった妹

70レベルになればその魔法を解くことができると聞き

愛する妹を救うため、ひたすら狩りを続けるアトワイト

そして心身ともにボロボロになりながらもついに70レベルに到達し

すぐにモラドンにいるキムの元へと向かったアトワイトだが

そこではまたしても運命の悪戯が待ち受けていた…




妹と再会してからというもの、俺は寝る間も惜しんでただひたすら狩りに打ち込んでいた

以前は更なる強さを求めて70レベルを目指していたが

今の俺の頭にはただ妹を助けたい、その想いだけしかなかった

そして疲労とダメージで何度も意識を失いかけながらも、ついにその瞬間が訪れた



こいつさえ倒せば…!





これで妹を救うことができる…俺は休む間もなく、ボロボロの体を引きずりながら

妹にかけられた魔法を解いてもらうため、キムの元へ急いだ

















そして俺はログの70スキルについて、会得方法やモーション・ダメージなど

知っていることを全てこと細かくキムに教えた














なんとか魔法は解けたようだが、本当に妹は無事元の姿に戻れたのだろうか…

一抹の不安を抱きつつも、ひとまずこの日は体を休めるために家に帰ることにした



翌日にすっかり体力の回復した俺は、エルモラド本土をぶらぶらしていた

やはり妹の事が心配だし、後でモラドンに行って探してみるか…

などど考えながらぼんやりしていると、誰かから耳打ちが来た




こ、これは妹からだ!





ひとまず無事なようでほっとしたが、何か様子がおかしい…








話を聞いていて、俺はあることに気づいた

普通、エルモラド本土にいる時はカルスからの言葉は聞き取れないはずだ

しかし妹からの言葉ははっきりと聞こえ、今は緑が溢れる場所にいるという

もしかして…妹は転生してエルモラド族に…?





その時、突然妹の悲鳴が!





妹がモンスターに襲われている!助けなければ!





妹を捜し始めた俺は、何かに導かれるようにこの場所へ来ていた





妹の声だ!やはりこの近くにいる…





居た、妹だ!

今まさに妹に斬りかかろうとしていたハウンガウォーリアだったが

俺はその攻撃をギリギリのところで受け止め、逆に斬り捨てた





ふう、なんとか間に合って良かった…








やはりエルモラドに転生していたが、その声は間違いなく妹のものだった





妹は未だに状況がよく飲み込めていないようだった

だがそれも当然だろう、突然転生して見知らぬ土地に飛ばされた上に

あんな危険な目にあっては冷静でいられるほうがおかしいというものだ

ひとまず妹を落ち着かせるため、家に連れて行って話をすることにした








どうやら妹の母親はノイローゼになり、父親と妹を捨てて家を出て行ってしまったらしい

そしてその後すぐに、父親も突然イシルーン漁に出てくると言ってしばらく帰ってきていないという

まぁ今の飲んだくれのあいつじゃ愛想をつかされても仕方ないか…

確かに俺が小さい頃は良き父親だったし、妹もその姿を知っているからこそ

いつか更正することを信じて健気に庇い続けているのだろう

するとその時、俺たちの話声に気づいたのか母さんが顔を出した

















俺は今回のことを正直に母さんに打ち明けることにした


























やはり母さんはにわかには信じ難いような顔をしていたが

何とか状況を理解したようだった

















女同士ということもあり、母さんと妹はすぐに打ち解けていた

二人暮らしが長かったから、家族が増えたみたいで母さんはとても嬉しそうだった

そんな二人を見ながら、俺もこのまま妹と一緒に暮らせたらいいのに、と思っていた

まったく、あいつはこんな良い妹をほったらかして何をやってるんだか…





その時タイミングよく、妹にあいつから知らせがきたようだ





わざわざあの危険で過酷な労働で有名なイシルーン漁に出ていたということは

だいぶマシな人間になっているだろう…と思い、俺と母さんも会ってみることにした





数年ぶりに会ったあいつは大分やつれたようにみえた

やはりイシルーン漁はかなりの重労働だったのだろう

妹がエルモラドに転生したことについても説明したが、さほど驚いてはいないようだった

元々楽天的な性格だったし、あいつもエルモラド族だからな

それでもまさか自分の娘が転生するとは思わなかっただろうが…





それでも妹のために文句の一つでも言ってやろうと思ったが

そんな俺を遮るかのように母さんが口を開いた























そう言うあいつの顔は、昔の頼りになる父親の頃の顔だった

そうか、本当に真面目になったんだな…




















カルスの女性とも別れ、妹もエルモラドに転生したとなっては

もうカルスで生活していくことはできないだろう…

妹のことも心配だったし、これからの生活について話し合った








あまり口に出しては言わなかったけど、母さんも結構寂しがってたからな

面倒見の良い性格だから放っておけないってのもあったんだろう

それに俺も今ならあいつに負けないくらい強くなったから

例えまた荒れたとしても母さんと妹を守ってやれるしな














この日の夕食は久しぶりにとても楽しく賑やかに過ごすことが出来た

俺と妹がお互いに知らなかった幼い頃の話や、カルスでの生活のこと

そして辛かったイシルーン漁のことなど、父さんは色んな話を聞かせてくれた

母さんと妹が作った料理もとても美味しかったし

やっぱり家族っていいなぁ、と思える一時だった



夕食後、俺は妹と二人で出会ってから今までのことを思い返していた

















神殿の青箱で出会ってから、妹が働きに出たり、ピッコロになったり

そして人間に転生して…短い間に色々なことがあった

妹には今までずっと苦労してきた分、楽しい思い出を沢山作って幸せにしてやろうと思う

それが、俺の幸せでもあるのだから…