
5月の連休直前に植えたキタアカリの種イモがぐんぐん育ち、ジャガイモの花が咲いた。
オスカルやアントワネットを花にたとえるなら、誰もが「ばら」を思い浮かべるはず。はい、私も異論はありません。しかし…アントワネットはばら以外にも好んでいた花があった。それがジャガイモの花。
↓ 花の大きさはざっと見たところ1.5cmくらい。
ジャガイモの花とマリー・アントワネットはどう繋がるのか?18世紀中頃、フランス人農学者パルマンティエ(1737~1813)は、プロイセンとの戦いで捕虜になった。牢獄では食事としてジャガイモが与えられた。当時フランスではジャガイモは家畜のえさとみなされ、どちらかというと下等の野菜扱いを受けていた。パルマンティエはプロイセンで、ジャガイモの美味しさと腹もちの良さを実感。フランスに戻れたらぜひジャガイモ栽培を普及させようと決心。
やがてパルティエは解放され帰国。さっそくジャガイモ栽培に取り掛かるけれど、誰も彼に見向きもしない。ちょうどその頃、フランスは天候不順で飢饉に見舞われていた。パルティエはルイ16世のもとに行き、ジャガイモはやせた土地でも栽培が可能であること、保存がきくことなどを説き、フランスでジャガイモ栽培を広めることを提案。ルイ16世は彼の考えに賛同。ボタン穴にジャガイモの花を飾って人々に謁見したり、マリー・アントワネットはジャガイモの花を髪飾りにして、舞踏会に出かけたため、上流階級の人々までもジャガイモに関心を持つようになった。
さらにルイ16世は秘策を練る。宮殿の外にある王室専用畑にジャガイモを植え、「これは王侯貴族のみ食べることを許されている野菜なので、決して盗んではならない。」と命令し、昼間は近衛兵に見張らせた。農民たちはどんな野菜なのか興味津々。夜になると近衛兵たちはいなくなる。そこで好奇心旺盛な農民はこっそり畑に忍び込み、秘密の野菜を盗んで持ち帰り、自分達の畑に植え付けた。こうしてジャガイモ栽培がどんどん平民の間にも広まっていった。
ジャガイモの優れた点を理解し、PRに一役買ったルイ16世とアントワネット。ルイ16世って理系で知性の人だなと感じる。国民を飢餓から救うため、夫の計画に協力するアントワネット…ジャガイモの花を通して夫婦仲の良さが感じ取れる。ジャガイモの花を髪に飾った肖像画を、ルブラン夫人が描いていたらなあ。こうしたエピソードが当時の庶民にもっと伝わっていたら、歴史は変わっていただろうか?そして…オスカルはルイ16世の真意を理解したうえで、ジャガイモ畑を警備することがあったかどうか?ジェローデルも含めた近衛兵たちと、ジャガイモを食べながら仕事の話をしていたかもしれない。
読んでくださり、本当にありがとうございます。
ルイ16世がフランスにジャガイモを広めたという話は聞いたことがありましたが、詳しいことは知らなかったので、今回教えていただいてよかったです。ありがとうございます。ジャガイモというと青池保子先生の『エロイカより愛をこめて』の少佐が揚げたてのジャガイモが大好き!な話も思い出します。
ルイ16世もアントワネットも、あまりよくないイメージが先行していますが(統治力のない国王、贅沢三昧の王妃)、このジャガイモの花のような、国民に寄り添い、国民を想う気持ちにあふれたエピソードがあることを、世間の人にもっと知ってほしいです。
青池先生の「エロイカ~」は読んでいないのです。ここでもジャガイモが登場するのですね。
パルマンティエ。マッシュポテトを使ったそういう名前のお料理がありますが、もしかして、その人の名前からとったのでしょうか?正式な作り方はよくわかりませんが、ひき肉を炒めたものに(私はミートパイの中身のイメージで作りますが)、マッシュポテトをのせ、チーズを散らしてオーブンで焼く、大好きな料理です。
じゃがいも、美味しいですよね。そのものは淡白だから、色んなアレンジができて。
話は変わりますが、ベルばらどん兵衛、見つかりません。。。ビッテは、先日ルイ16世が一個ポツンと残っていたので買いました。その後フェルゼンも見かけましたが。結局オスカルはドレスバージョンのみ買えました。アントワネットは見かけもしませんでした。
ジャガイモの花・・・・好きです
スイセンの花のようにまとまって咲くのでブーケのようで・・・
観賞用だった話は聞いていましたがフランスの宮廷でとは・・・知らなかったです
ジャガイモ畑と近衛兵・・・だったら平和な雰囲気ですね
我が家には、ダンナが市の家庭菜園で作った「アンデスレッド」がころがっています。外はサツマイモのような色で、中は黄色・・・ほくほくして美味しいですよ・・・サツマイモのような甘みはありません。
>ひき肉を炒めたものに(私はミートパイの中身のイメージで作りますが)、マッシュポテトをのせ、チーズを散らしてオーブンで焼く、大好きな料理です
アッシェ・パルマンティエと呼ばれ、フランスの国民食と言ってもいいほど、誰もが知っている料理だとか。この料理の名前の由来は、農学者のパルマンティエ氏から来ています。18世紀、ヴェルサイユの食卓にも並んだでしょうか?
>ベルばらどん兵衛、見つかりません
私も自宅近辺のスーパー4か所をチェックしましたが、どこにも置いてありません。通常品なら山と積まれています。何だかこのままお目にかかれないで、コラボキャンペーンが終わりそうです。
ビッテはアイボリーショコラの3箱(アンドレ・オスカル・アントワネット)は手に入りましたが、ミルクショコラは見かけません。
どん兵衛もビッテも、庶民的な商品なので、たくさん流通していると思っていたのですが、それほど生産販売していないのかもしれません。残念です。
>観賞用だった話は聞いていましたがフランスの宮廷でとは・・・知らなかったです
アントワネットは、ばらはもちろんのこと、野に咲く矢車草やジャガイモの花のような、素朴で可憐な花も好みだったのかもしれません。
>ジャガイモ畑と近衛兵・・・だったら平和な雰囲気ですね
近衛兵って、王家の人をお守りするだけでなく、王室所有の畑の管理まで任されていたと知りビックリ!整った顔立ちの麗しい兵隊たちが、日中険しい顔つきでジャガイモを守っていたのでしょう。
>「アンデスレッド」がころがっています
一瞬「サツマイモ」と見間違えました。こんなジャガイモもあるのですね。南米アンデス育ちのイモでしょうか?試食してみたいです。
>洋の東西を問わず飢饉は、本当に恐ろしい事だったのが良く分かります
ルイ16世の治世に日照りがあり、農作物が育たなかった年があったように記憶しています。日本もそうですが、民衆が飢えると、暴動や騒動が発生し、それがやがて天下を揺るがす事態に発展しますね。
>人の心理をわかっていらっしゃる。名君の資質がおありだったのに…残念です
いわゆる「切れ者」タイプではなかったけれど、理系肌で愛人も持たず、誠実な人だったのではないかと。アントワネットは”オス”としてルイ16世に惹かれなかったかもしれませんが(その点は、ルイ16世も認めていたのでは?)彼女は年を重ねるにつれ、陛下の人柄には敬意を持つようになったと思います。