Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

大人の世界史 おまけ

2015-10-23 00:48:30 | つぶやき

「大人の世界史」には、他にも興味深いエピソードが書かれている。 

1 ジョセフ・ギヨタン(ギロチン)博士

 犯罪者を処刑する時、少しでも苦痛を和らげるために使用された死刑執行道具、別名「ギロチン」。これを発明したのはギロチン博士と思っている人が多いのでは?実は私もそうだった。しかし事実は異なる。外科医のギロチンは断頭台を処刑道具として採用したらどうかと、議会に単に提案しただけだった。この形の処刑台が開発されたのはイタリアで、実際に処刑に使われていた。それをヒントにフランスで改良を加えたのはルイーズという名の医者。だから最初この処刑台は「ルイーズ」と呼ばれていたが、いつしか推薦者の名前をとって「ギロチン」と呼ばれるようになった。 

 ギロチンの未亡人や子どもたちは「あんな処刑道具に夫(父)の名前が使われるのはたまらない。」と、議会に再三取り消しを求めたけれど、遺族が騒げば騒ぐほど「ギロチン」という名は有名になり、ますます定着していった。ギロチン博士自身は、ベッドの上で安らかに息を引き取っている。このような道具の名前として使われ、200年以上経った今でも多くの人に誤解されている事実。博士は処刑者のために良かれと思って提案したのに、なんだか気の毒になってくる。 

 この方がギヨタン博士。肖像画を見る限り、とても穏やかな紳士に見える。

 

 

2 ナポレオンのロシア遠征、失敗の理由の1つ 

 ナポレオンは1812年秋から冬にかけて、モスクワを目指す。しかし行く手を猛烈な寒さと雪に阻まれ、撤退を余儀なくされ大敗する。のちにナポレオンは「我々の破滅は冬だった。我々は気候の犠牲になったのだ。」というセリフを残している。しかしフランス軍に甚大な被害が出たのは、寒さのためばかりではなかった。 

 たとえばモスクワを出発する際、フランス軍はわずか1週間分の飼い葉しか用意していなかった。馬がバタバタ倒れたのは寒さのせいでなく、えさ不足が原因だった。フランス軍が壊滅的な打撃を受けた後、本格的な寒さが到来した。その寒波を逃れて帰国した兵士たちが「考えられない寒さに苦しめられた。」と言ったことから、ナポレオン軍はロシアの寒さに負けたと思われているが、実際は冬将軍が到来する前に、ロシアから撤退していた。準備不足がたたり、ロシア遠征をあきらめたことになる。詰めが甘かったのだろうか?

 今回のトップ写真は、パリのコンコルド広場。フランス革命期、ここで多くの王族・貴族・政治家が断頭台の露と消えた。

 読んでくださり、ありがとうございます。



4 コメント

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冬将軍 (mugi)
2015-10-23 21:44:26
 ナポレオンのロシア遠征失敗の理由の1つに、軍馬1週間分の飼い葉しか用意していなかったことがあったは知りませんでした。実際は冬将軍が到来する前に、ロシアから撤退していたことも。仰る通り、詰めが甘すぎますね。イタリア遠征と同じに考えていたのやら。

 第二次世界大戦時の独ソ戦でも、冬将軍が勝敗を決しました。ナポレオン軍よりはマシだったにせよ、ドイツ軍も夏服の軍服でロシアに侵攻したことを、職場の上司から聞いたことがあります。予想以上に早い冬将軍の到来で、ドイツの誇る最新兵器が役に立たなかったとか。この種の話になると男性は詳しい。

 ドイツ軍も闇雲に侵攻したのではなく、その前にスターリンによる将校大粛清があり、ソ連軍内部がガタガタになっていたのを狙いました。事実、緒戦でドイツ軍は連勝を重ねています。いずれにせよ、ナポレオン時代も20世紀も、遠いロシアの地で大勢の兵士が還らなかったのは悲劇でした。興味深い世界史のお話を有難うございます。
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Unknown (アラレ)
2015-10-24 19:20:37
りら様こんにちは
18日にバラ園に行く宣言してから、間が空いてしまいました、
が、サイトは毎日チェックしていました、
SSもいつも楽しみにしてるのですが、
大人の世界史、いや~興味深いです
特にギロチンに纏わる話は、人の名前ってのだけは知ってたましたが、お医者様でしたか、それは知らなかったです、勉強になりました

さて、18日行って参りました、どうやら私はフェルゼンと相性がいいのか、いつもフェルゼンが見頃なんですよね、
今回もフェルゼンは満開でした、
オスカル様も、もう終わりか?と思いましたが、22日にまた行ったんです、
それと言うのも、アンドレ、ロザリーは蕾がまだ沢山あったので、咲いたかな?と思って、
アンドレ、ロザリーはまたまだ咲きますよ、週明け位がよいのでは?
オスカル様も終わりかと思いましたが、
よく見るとまたまだ蕾があります、
フェルゼンはもうピークは過ぎました、22日が最後の咲き誇りでしょうか、
王妃マリーアントワネット様も数は少ないけど、一番綺麗に咲いてました
ドイツのマリーアントワネットの薔薇も綺麗でしたよ、こちらは白で、中央が少しオレンジがかってる薔薇です、隣にはプチトリアノンの薔薇もあります
ベルサイユのばらも週明けまでは何とか持ちそうかな?
秋薔薇を考えてる方、月曜日までは天気いいので、いかがですか?
園内の薔薇は、今が一番咲き誇ってますよ
春と違って秋薔薇は駐車場も渋滞してませんから
そうそう、アンドレ・ノートンの薔薇の苗が売ってたので、園内探してみたけど見付からなかったのが悔いが残ります、
ベルばらにちなんだ、マリアテレジア様も見頃、ルイ14世はいつも咲いてないんですよね、まあ、そう言うベルばらにちなんだ薔薇を探すのも楽しみの一つです、モーツァルト、ナポレオン、ジョゼフィーヌ等々
次のバラ園は春か?来年の池田先生のトークショーはいつかな?
と毎年あるから、来年もやると決めている私でした、対談相手が私の好きな方ならいいな~

と、また長くなってしまいました
いつもぐだくだすみません

アラレでした
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mugiさま (りら)
2015-10-24 22:35:40
コメントをありがとうございます。
ナポレオンにしては詰めが甘いというか、それまでの連勝からつい気が緩んだのでしょうか?ヨーロッパ人でも、ロシアの寒さがいかに過酷であるか、読めなかったのかもしれませんね。フランスと同じように考えていたのかもしれません。

ドイツ軍の話、興味深いです。ロシアって一筋縄ではいかない国ですね。mugiさま、教えてくださり、どうもありがとうございました。
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アラレさま (りら)
2015-10-25 12:02:51
 コメントをありがとうございます。
 アラレさまは、京成ばら園に今年は何度足を運ばれましたか?フェルゼンのばらは、薄紫でとても上品な色合いですよね。アンドレのばらは今日あたり、満開でしょうか?柔らかい黄色のばらでしたね。ロザリーは愛らしいピンクのばら。今週もまた見に行かれますか?ばらというとたいていの人は5月~6月に鑑賞を楽しみますが、秋のばらもいいですよね。駐車場が空いているなら、なおいいです。マリー・アントワネットは大輪の赤。ドイツのアントワネットもあるのですね。

 私の地元にもばら園があり、ル・ノートルのばらもありますが、私が行った時は、花は終わっていました。残念。白っぽいばらでしょうか?ばらの名前を見るのも楽しいです。有名女優さん(カトリーヌ・ドヌーヴ)や、王族・皇族のお名前が付いているのも多いですね。トークショーには、毎年池田先生がいらっしゃるのでしょうか?ゲストも楽しみですね。ばらは奥が深いです。見て飽きることがありません。香りも良いし---。アラレさまはご自分でもばらを育てていますか?キャラばらを育てたことはありますか?

 アラレさまのばら便り、楽しみです。次はいつばら園に行かれるのでしょう?秋ばらを見て、美味しい紅茶とケーキをいただけたら最高です。
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