Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

まもなくヴァレンタインデー

2015-02-12 21:42:02 | つぶやき

 まもなくヴァレンタインデー。「ベルばら」には、アンドレがあまり熱くないショコラを、ジェローデルにひっかける場面があるが、あの時代飲み物以外に、現在のように固形のチョコレートを食べる習慣はあったのだろうか?

チョコレートの歴史。 ガーナチョコのHPを参考にさせてもらった。

 

チョコレートは神様の食べ物

 

 紀元前から、古代メキシコではカカオは「神様の食べ物」といわれ、大変高価なものでした。
16世紀の初め頃、アステカの皇帝モンテスマはとても貴重な飲み物として黄金のカップで1日に50杯ものショコラトル(チョコレートのこと)を飲んでいたといいます。当時のチョコレートは、今とは違って、カカオ豆をすりつぶしたドロドロした飲み物で、人々はそれにとうもろこしの粉を加えたり、バニラやスパイスで香りをつけて飲んでいました。

 

ヨーロッパに渡ったカカオ

 1519年、モンテスマ皇帝の前に1人のスペイン人が現われます。カカオをヨーロッパにもたらしたフェルナンド・コルテス将軍です。メキシコに遠征したコルテス将軍は、皇帝にチョコラトル(ココアのこと)をご馳走になり、その未知の味にビックリ。部下の兵士に飲ませて元気をつけさせたとか。

 1528年、戦利品と一緒に持ち帰られたカカオとショコラトルはスペインに持ち帰られました。 その後、砂糖などを加えた甘い飲み物として、ヨーロッパ全土に広まっていきます。

カカオが「飲むココア」と「食べるチョコレート」に変身

 スペインにカカオが伝わってから約300年後、オランダ人のヴアン・ホーテンは考えました。「ショコラトルを飲みやすくする方法はないだろうか?」。
そして1828年、カカオに含まれているココアバターを搾り取り、ココアパウダーを発明しました。ヴアン・ホーデンの発明は、渋く、苦く、くどかったチョコレートの欠点を解決して、ココアを一般大衆の飲み物としました。
このココアの発明は、現在のチョコレートにつながる重要なきっかけとなりました。

 1847年イギリス人のジョセフ・フライは、カカオ豆をすり潰して砂糖を加えたものにココアバターを加えて、今のチョコレートの原形を発明しました。
これが、「食べるチョコレート」のはじまりです。

 しかし、「食べるチョコレート」はまだ苦味が強く、一般に普及させるにはもう少し工夫が必要でした。
そこで、チョコレートにミルクを加えてまろやかにしたのがスイス人のダニエル・ピーターです。
1876年に誕生したミルクチョコは、甘く、口当たりが良く人々を魅了しました。
こうして、チョコレートはさらに改良が重ねられ、世界中に広がっていったのです。

 オスカルとアンドレの時代、まだカカオは飲み物onlyで、固形に加工することはなかった。寒い冬の夜、ショコラにラム酒を数滴たらして芳醇な香りを漂わせながら、オスカルはアンドレが運んでくれたショコラを飲んで、ひと息ついていただろうか?アンドレも一緒に飲んだかな?カカオ豆は貴重な輸入品だから、アンドレはごくたまにしか飲まなかったかも?でも二人が幼い頃、寒い野外で剣の稽古を終えた後、ばあやが温かいショコラを二人分作ってあげて、きゃっきゃ言いながら仲良く飲んでいた姿が目に浮かぶ。

ショコラ---甘い思い出もあれば、アンドレにはちょっとほろ苦い過去もあり---。たかがショコラ、されどショコラ。

 読んでくださり、ありがとうございます。



22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆チョコ物語☆ (鈴蘭の精)
2015-02-12 23:57:08
楽しく読ませていただきました。 1528年、日本は室町時代でした。こんなおいしいお菓子が食べられなくて、お気の毒! 現代に生まれてよかったです^^。 最後のミニストーリーも可愛いですね。光景が目に浮かびます。14日は、大好きな、仲良くしていただいている方々に今年は*キスチョコ*をプレゼントの予定です。☆゜
返信する
鈴蘭の精さま (りら)
2015-02-13 00:17:39
 コメントをありがとうございます。室町時代といえば、信長の頃ですね。信長だったら、こういう西洋の変わった飲み物に、積極的に興味を示したはず。本当に私たちは、いろんな種類のチョコが楽しめる現代に生まれて良かったです。

 鈴蘭の精さま、キスチョコは手作りなのですか?もう準備を終えたのでしょうか?差し上げた方たちの、喜ぶ笑顔が見たいですね。

 今夜は「4月は君の嘘」の放送日。録画して、休日にゆっくり見ることにします。
返信する
真実*16 (鈴蘭の精)
2015-03-25 23:13:50
″お母さんのお話しをする時、お父さんは楽しそうで、聞いている私も幸せになりました。
*学校の劇で演じたクリームヒルト姫の美しさ*
♪その歌声は、天使の清らかさ♪
小さな手で弾く♭ピアノ#の音色は優しくて
・。☆緑の瞳はキラキラ輝いて☆・。
ロシアへ帰る最後の日に交わした、落ち葉の中での、熱い口づけ・・・。
私の体の中は、お母さんに会いたい気持ちで一杯になっていきました!
だから、お父さんが『ドイツへお母さんを迎えに行こう』と言ってくれた時は、嬉しかった...
返信する
鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-26 00:18:47
 お便りをありがとうございます。今、みんなどんな感じなのでしょう?ユリウスのその後についての話は、まだ続くのでしょうか?それとももうこれでいったん打ち切り、今後のことについて考えていくのでしょうか?

 ミーナはユリウスの生き写しのように、きれいでしょうね。「ばかたれめ 俺を殺す気か」---第1部の名場面です。もう一度あの場所に親子で行くのですか?
返信する
真実*17 (鈴蘭の精)
2015-03-26 07:52:31
″ベルリンの病院で初めて会ったお母さんは、綺麗で優しくて、暖かで、私の想像通りでした。
お母さんの秘密が悲しくて、とても罪深く、辛くても、私はお母さんが大好きよ! だから、お願い、おばさん泣かないで...。″
おばさんのお顔が、泣き笑いに変わりました。
『ダーヴィト、俺の娘はしっかり者で妻は美しく、俺は世界一のしあわせものだ。 話の続きを頼む・・・。』
私は再び目を閉じて、おじさんの話を待ちました。 おばさんが私の隣に、そっと寄り添ってくれました。
返信する
鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-26 20:54:33
 お便りをありがとうございます。アレクセイもミーナも、取り乱すことなく、冷静にユリウスの半生を受けとめていますね。これなら大丈夫です。もうユリウスは自分の性を偽る必要はなく、ありのままの彼女を受け入れてくれる暖かい人達に囲まれ、これまでの苦しみをすべて吐き出し、生まれ変われると思います。
返信する
真実*18 (鈴蘭の精)
2015-03-27 08:01:51
ユリウスの罪に対しての神の裁きは、厳しいものだった。
父の突然の死。 初恋の青年のロシアへの帰国。
自分を慕ってくれたゲルトルートの謎の事故死。 罪を犯してまで守った母と音楽教師の心中。 親友イザークの妹フレデリーケの病死。 優しかった校長先生の告白と自殺。 愛する人々は一人、又、一人と、姿を消していく。
ユリウスは自分に問いかけた。
こんなに苦しいのにどうして生きているのだろう...。 そして、ある決意をする。
愛するクラウスに会いに行こう!
ロシアへの、旅立ちを・・・。
返信する
鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-27 20:29:27
 お便りをありがとうございます。ユリウスが罪を犯したとき、マンガでは黙示録の一節が引用されていますね。あれはその後のユリウスの人生を、予言しているのでしょうか?ユリウスの周囲で、次々と人々が去っていく。何もここまでユリウスを苦しめなくても---と思います。
返信する
真実*19 (鈴蘭の精)
2015-03-28 08:34:24
しかし、そんなユリウスに神は容赦なく、苦難を与える。 ユリウスの全ての秘密を握り、悪魔の心を持つ恐ろしい女性、アネロッテ!
彼女も又、莫大な隠し財産を狙う一人だった。
アーレンスマイヤ氏、実の母、ゲルトルートと、冷酷な殺人を繰り返してきた彼女は、ユリウスの罪の秘密と引き替えに、自分の悪事に手を貸す様に迫る。
そして、アネロッテも忽然と姿を消す。 ユリウスがロシアへ旅立ったその日に・・・。
10年後、別人の様な姿になって、ロシアから帰国したユリウスを待ち受けていたのが、ヤーコブだった。
返信する
鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-28 22:44:11
 お便りをありがとうございます。アネロッテの存在も、ユリウスをずっと苦しめましたね。彼女の生い立ちを知ると、アネロッテも親に対して憎しみを抱くわけがわかります。そしてヤーコプ。彼のアネロッテへの狂信的な愛が、ユリウスへの復讐に変わり、悲劇が起きました。
返信する

コメントを投稿