Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

アントワネットの時代の品々が、オークションに

2015-10-15 00:02:17 | つぶやき

 1766年創業、美術品や宝石、時計、家具などを主に扱う、パリのオークションハウス「クリスティーズ Christie's」で、現地時間の11月3日(火)、午後3時から「マリー・アントワネット コレクション」というテーマで、18世紀フランス、ロココ時代の品々が売りに出される。

 クリスティーズは東京の丸の内にも事務所がある世界的に有名なオークション会社。年間450回を超えるオークションを開催しているというから驚く。今回のオークションに関する告知は次をクリックしてください。(英語サイトです。)

http://www.christies.com/salelanding/index.aspx?intSaleID=25946#sale-info

 プチ・トリアノンのらせん階段に見られる装飾文字 M A が美しい。今回は118品が出品されるらしい。そのリストは次のとおりです。(こちらはフランス語です。)

http://www.christies.com/lotfinder/print_sale.aspx?saleid=25946

 個々の品にはおよその価格がユーロで表示されており、品物を買い取りたい人はこれを参考に入札価格を決めるシステムだろうか?こうして前もって写真入りで商品をネットで公開することで、世界中の購入希望者や投資家が11月3日に向けて入札準備を進めるのだろう。わざわざパリまで赴かなくても、現地時刻に合わせて、世界中のどこからでも入札可能。凄い時代だと思う。

 いったいどんな品が出品されているのだろう?肖像画を埋め込んだメダル、アントワネットの肖像画(Lot No.47はルブラン夫人が描いたもの)、Lot No.48は、宝石箱?Lot No.74はアントワネットの胸像などなど、1つ1つじっくり見たら面白そうなものが多い。こうした品々は、本来ならヴェルサイユ宮殿に飾られるものなのかもしれないが、革命のどさくさに紛れ、宮殿から持ち去られたり、あるいはアントワネットが親しい友人や親族に贈り物としてあげた品が、巡り巡ってオークションにかけられるのかもしれない。

 アントワネットにまつわるオークションといえば、以前「世界ふしぎ発見」で、アントワネットが処刑されたのち、フェルゼンがオークションで落札したゆかりの品は何か?という三択問題が出題された。私は使いかけの香水だろうと思っていたが、正解はアントワネットが使用していた布団だった。パリからはるばる馬車に乗せて持ち帰り、フェルゼンはその布団に自らの身を沈め、アントワネットを偲んでいたかと思うと、フェルゼンは本当に彼女にぞっこんだったんだと思い知らされた。

 ところでクリスティーズの所在地は、パリのマティニヨン通り9番地 (9 Avenue Matignon, Paris)。同じ通りの19番地にはフェルゼンがフランス滞在中、常宿していた大きな屋敷があった。約230年の時を経て、フェルゼンが暮らしていた場所のすぐそばで、アントワネットに関する品がオークションにかけられる。不思議な巡り合わせを感じる。

 読んでくださり、どうもありがとうございます。



2 コメント

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フェルゼンという人物… (ライラック)
2015-10-15 08:26:38
はじめまして、りら様。
ずっと拝見しているのですが、コメントを送らせて頂くのは初めてです。
いつも、ベルサイユのばらに関する様々な話題を提供してくださりありがとうございます。
特に史実にまつわるエピソードをかなり詳しくご紹介くださるのを興味深く拝見いたしております。
(SSも!心温まるお話に、りら様のお人柄がにじみ出ています。いつも更新を楽しみにしております)

フェルゼンが、アントワネットのお布団を落札した話は、私も見ました(録画も)。
本当に彼女のことを愛していたのがわかるエピソードですよね。
フェルゼンという人物は謎が多いと思います。
彼を中心に綴った人物伝のような書籍がほとんどありません。その多くは、アントワネット側から書かれたものでした。
(洋書ではいくつかあるのですが、日本語訳はされていません)
激動のヨーロッパ、その歴史のうねりに否応無く巻き込まれながらも、誠を尽くした生き方に心打たれます。
彼の生涯を描いた映画があってもおかしくないと思うのですが…。

そうですか!クリスティーズはあのマティニョン通りにあるのですか。
感慨深いです。

興味深いお話をありがとうございました。

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ライラックさま (りら)
2015-10-15 20:08:38
 初めまして。コメントをありがとうございます。まだまだ知りたい「ベルばら」のあれこれ。自分もブログを書きながら、楽しんでいます。独りよがりなことを書いていないかと、心配になりますが。

>フェルゼンという人物は謎が多いと思います。彼を中心に綴った人物伝のような書籍がほとんどありません。その多くは、アントワネット側から書かれたものでした。

 フェルゼンとアントワネットは、暗号を使って手紙のやり取りをしていたようですし、フェルゼン自身は後々のことを考え、二人の間で交わされた手紙をかなり焼却処分していたようです。それはそれで賢い身の処し方だと思いますが、「いったい、どんなことを書いていたのだろう?」と気になりますよね。

 以前池田先生の講演会に行った時、先生は「フェルゼンは実在したアンドレ」とおっしゃいました。「なるほど!」と思いました。アントワネット処刑後も、彼女の遺産がちゃんとマリー・テレーズに渡るよう奔走しますし、ライラックさまがおっしゃるように、誠を尽くした生き方をしていますよね。けれど晩年は民衆に敵意を抱き、ヴァレンヌ逃亡の日と同じ6月20日、惨殺されます。なかなかドラマチックな人生を送った人です。オペラ座の仮面舞踏会で、アントワネットと出会わなかったら、まったく別の人生を歩んでいたでしょうね。

>彼の生涯を描いた映画があってもおかしくないと思うのですが…。

 そうですよね。当時のコスチュームを着て、是非再現してほしいです。

>クリスティーズはあのマティニョン通りにあるのですか。

 昨年8月、パリを旅しました。マティニョン通りに一番近い地下鉄駅フランクリン・D・ルーズベルトで降り、19番地を目指していく途中、クリスティーズがあり「ああ、ここがかの有名なオークションの---」と驚きました。フェルゼンのいたお屋敷と、だいたい150mくらい離れていました。

 こんなブログですが、これからもどうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
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