Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

岸惠子さん&吉永小百合さん

2015-10-05 21:21:32 | つぶやき

 書店や図書館でフランスに関する書籍コーナーに行くと、その数の多さに驚く。手のひらに乗るサイズの可愛らしい本、豪華な写真集,etc. ネット上でもブログやSNSで、夥しい数のフランスあれこれサイトにヒットする。今日、手にしたのはこの本。岸惠子さんと吉永小百合さんの共著「歩いて行く二人」。

 初版は2014年7月なので約1年前。

 この本を出版するきっかけは2009年、ある雑誌の企画でお二人が横浜で対談したこと。別れ際、吉永さんが「続編を---。」岸さんが「ぜひ、パリでお会いしましょ。」が実現。吉永さんから岸さん宛てに「是非パリで、横浜の対談の続きをしたい。そして本にしたい。」と手紙を送った。吉永さん、なんて達筆なのだろう!

 岸さんは今でも年に何ヶ月かはパリのサン・ルイ島にあるご自宅に滞在されるとか。お二人は岸さんのアパルトマンで再会。岸さんのお住まいは築300年余。フランスは大地震がないから、石の建物は今でも住宅として十分使用できる。300年前というとだいたい1710年頃。オスカルもアンドレも、パリでこのような建築物を目にしていただろうな。下はアパルトマンの入り口で、吉永さんを出迎える岸さん。

 こちらは中庭。

 岸さんのお宅。リフォームがしっかりしているのか、築300年とは思えない。「フランス人は古いものを大切にする。」とよく言われるが、この部屋を見ているとまさにそうだなあと思う。着物姿の吉永さんが、しっとりとこの場の雰囲気に馴染んでいる。左側の写真は、リビングルームの窓から中庭を眺めるお二人。

  語り合う二人は姉妹のよう。

 日曜の朝、マルシェで面白い形のトマトを指さす吉永さん。

 黄昏のアレクサンドル3世橋。

 パリ郊外のレストランにて。

 話題は、映画・仕事・恋愛・旅・3/11・世界情勢など多岐にわたる。気になった個所をいくつか書かせていただく。

岸さん

・パリというのは「パリ国」で、パリに生きる人は「パリ国人」だと思うの。パリをちょっと離れると、農業の国ですよ。

・私はね、最初にどんな恋、どんな失恋をするかで、女も男も一生の愛の道が決まっちゃうと思うのよ。

・女一人でさまざまな難事に押しつぶされそうな時でも、それはおなかの中に納めて、外に出たらピカピカ笑って過ごす。これは自分に対するせめてもの愛情と見栄。

・(フランスに住む日本人について)女性は度胸のある人が多い。よその土地でもズカッと入っていく。それで結構達者にやっているんです。

・あのね、私、思うのだけど、日本の男は自分が常に話題の中心にいたいのよ。

・残念ながら、私は紛争はなくならないと思うの。人間は学ばないんだもの、歴史から。忘れるんですもの。忘れて、繰り返す。

 

吉永さん

・私、24歳で失恋した時、一人でパリに来たんです。嫌い合って別れたのではありませんでした。それで、その彼が結婚したことをある日突然知らされて、すごくショックを受けて。どこかへ行って気持ちを一新させないとダメだと思った時、思いついたのがパリだったんです。あのときは本当に悲しかったけれど、今になってみればとてもいい恋愛でした。

 最後はお二人への20の質問で締めくくられている。「生まれ変わっても、また女優になりたいか?」の問いに、お二人とも「なりたいと思わない。」と答えているのが面白かった。

 「ベルばら」と全然違うトピックですみません。読んでくださり、ありがとうございます。



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