子どもの頃、インク瓶にペン先を浸すタイプの超アナログなペンに憧れた。漫画家気どりでGペンなど買って、せっせとオスカルを描いていたこともある。しばらくして万年筆が無性に欲しくなった。「万年筆を使えば、きっと綺麗な文字が書けるだろう。」と根拠のない推測をしていた。パーカー、モンブラン…いつか買えたらと思いつつ、結局買わないまま今日に至っている。
PCやスマホのない18世紀。人々は互いの近況を伝えるため、頻繁に手紙でやり取りしていた。べルばら新作エピソード5「ジェローデル編」には、ソフィアが、オスカルに振られたジェローデルに手紙を書く場面がある。長い羽根のペンを握り、何を書こうか考えて天井を見上げるソフィアの前には、インク壺が置かれている。彼女の趣味なのだろうか、あまりゴテゴテしていない、シンプルなデザイン。
↓ 18~19世紀前半に、王侯貴族たちが使ったインク壺には、豪華なデザインのものもあった。こちらはドイツのドレスデン製で、陶器でできている。優雅な貴婦人が、恋文を書いただろうか?
↓ メトロポリタン美術館所蔵。
↓ 1750年代に、フランスで使われていたもの。暗い部屋でも使えるよう、蝋燭立て付き。
↓ 1830年代、フランスで使われていた。緑色の大理石でできている。
↓ 1830年代、陶磁器製。
↓ ルイ15世時代のもの。
↓ これまで見てきたインク壺は、どれも左右に1つずつ壺がある。池田先生が描いている絵にも2つキャップがある。なぜだろう?と思っていたら、次の2枚の写真を見て謎が解けた。1つはインク壺、もう1つはpounce potといって、インクが飛び散るのを防ぐにじみ止め用の粉が入っている。(イカの甲の粉末などを使っていた。)ふたに小穴が開いていて、ここから振りかける。お料理にコショウを振りかける感じかな?(うまく例えられずスミマセン。) こちらは1710年~1720年に作られたもの。
↓ こちらは18世紀のもの。
↓ 素敵なインク壺を使って、手紙を書く姿を描いた肖像画3枚。
こんな優美なインク壺にペン先を浸しながら、恋人たちは別れの手紙、商人は借金の取り立て状などを書くこともあったかもしれない。ペン先がうまく紙に馴染むといいのだが時に両者は不協和音を起こし、アントワネットは結婚宣誓書のサインにしみを付けてしまった。
今、日本人が外国人にプレゼントして喜ばれるものの1つに文房具がある。「日本の文房具はとてもスタイリッシュ」なのだそうだ。コンパクトでデザインに優れ、それでいてきちんと本来の役目を果たす。フリクションペンは、先の伊勢志摩サミットで、各国首脳に贈られた。
機能性も大事だけれど一生に一度くらい、長い羽根ペンを持ち、優雅に文をしたためてみたい。
読んでくださり、ありがとうございます。
その後、羽ペンがGペンになり、キャンディキャンディ描いてました、ベルばらは既にあったみたいだけど、私がまだベルばら知らない時期です、
高校二年生の時に、後ろの席の人がベルばら好きで、その頃にはベルばらを少しだけ知ってたので、その辺りから洗脳されて行ったかな?
調度、アニメの再放送、再々?かな?やってたんで、
その更に後、フランス革命200周年のイベントが幕張メッセであるとかで行き、
平成版ベルばらを宝塚でやると言うので、チケを取りに紛争した、実はこの時に初めてベルばらの漫画を自分で買った・・・
とかな~~~りメチャクチャな順番です、その漫画で、一頁~最後まで全部模写したもんです、最初Gペンで描いてましたが、何か上手くいかなくて、何故か安物の万年筆で書くと上手くいった、全部模写して少しは上手くなったかな~と、
模写ではなく、横で見ながら描いてみたが、輪郭だけは無茶苦茶だった、その後も練習したが、無理でした・・・
何せ私の一番得意な絵はリボンちゃんなんで
あっ、flower無事買えました、まだ3冊ありました、実はこの雑誌買うの初めてです
萩尾先生フリークか?と言うと多分全く違うと思います、何故なら私、萩尾先生の漫画一冊も持ってないんです
でも何か気になる存在、持っていないのに、殆ど全部読んでる、なんででしょう?
>最初Gペンで描いてましたが、何か上手くいかなくて、何故か安物の万年筆で書くと上手くいった、全部模写して少しは上手くなったかな~
Gペンを持っただけで、いっぱしの漫画家になった気分でしたね。でもオスカルを描くのは手ごわかったです。なかなか池田先生のようには描けなかったです。万年筆って、文字や絵が上手くなったような錯覚を覚えますね。
>何せ私の一番得意な絵はリボンちゃんなんで
わぁ、懐かしいです。アラレさま、今でも当時描いた絵を大切に取ってありますか?
>でも何か気になる存在、持っていないのに、殆ど全部読んでる、なんででしょう?
Flowers 7月号が買えて良かったですね。次回、Vol. 2が発売される時は、予約しておこうと思います。萩尾先生の独特な世界は、「少女マンガはちょっと…」という人にも受け入れられるのではないでしょうか?日本人離れした感覚、映画のような展開…今読んでも全然古臭くないです。今だからこそ、もう一度読み返したいです。
羽ペン、私も憧れました。
小学生の頃、カラスの羽を拾ってきて墨汁をつけて書いた記憶が蘇りました。
母に、それは無理よ~と笑われ、羽先にボールペンが付いたなんちゃって羽ペンを文房具屋さんで手に入れ、それで雰囲気はバッチリだったので満足していましたっけ。
しかし、写真の物はさすがは優雅な貴族仕様、インク壷もとてもエレガントですね。
蝋燭立てがついていてり、素敵な装飾や色使いにため息が出ます。こんな物、と言ったらなんですが、全ての物に美学を感じます。
先日のピクニックバスケットも然り。
昔、眺めの良い部屋という大好きな映画がありまして、19世紀頃のイギリスとイタリアが舞台ですが、旅行先でピクニックに行くのですが、陶器のティーカップでお茶を飲んでるシーンに驚いたものです。
プラスチックとかないので仕方ないですが、馬車でゴトゴト揺られるし、割れるとか重いとか、まぁ心配するのはお付きの方々でしょうが、手間をかける分、さぞお茶一杯でも美味しかったことでしょう。
なんでもスピード、ファストが好まれる昨今、手書きでお手紙、丁寧にお茶やコーヒーを入れてゆったり味わう時間を大切にしたいですね。
すみませんでした~。
>小学生の頃、カラスの羽を拾ってきて墨汁をつけて書いた記憶が蘇りました
子どもの発想って素晴らしいです。大人は絶対こんなことを考えつきません。marineさまはとても想像力豊かな女の子だったのでしょうね。
>昔、眺めの良い部屋という大好きな映画がありまして、
私もはるか昔、この映画を見ました。古き良き時代の香りが漂うイギリス映画。舞台は20世紀初頭でしたか。冒頭にイタリア・オペラのアリア「私のお父さん」が流れたような・・・。
>馬車でゴトゴト揺られるし、割れるとか重いとか、まぁ心配するのはお付きの方々でしょうが、手間をかける分、さぞお茶一杯でも美味しかったことでしょう
贅沢ってこういうことを指すのかもしれませんね。お手軽なものに安易に走らないで、家の中でも外でもひと手間かける。なかなかできることではないです。
>丁寧にお茶やコーヒーを入れてゆったり味わう時間を大切にしたいですね。
今は亡きアメリカの童話絵本作家で、50歳を過ぎてから庭作りに精を出したターシャ・テューダーが「1日1回は、ゆっくりとお茶を飲む時間を持ちなさい。」と何度も言っていました。心にゆとりがないと、日常生活がカサカサした潤いのないものになってしまう。たかが1杯のお茶だけど、とても大事な意味があるなあと思いました。
りら様も「眺めの良い部屋」はご覧になってたのですね。
冒頭、そうです、キリテ・カナワの歌う「私のお父さん」が流れます。有名なので(ジャンニスキッキというオペラそのものよりも)、色んな方が唄ってますが、私はやはりキリテ・カナワ版が一番好きです。
30年位前でしたかね。当時確かまだ十代で可愛らしかったヒロインのヘレナ・ボナム・カーターも、今では怪演も目立つ色んな役をこなす女優さんになりました。
それと、ターシャテューダーさん、私も絵本を数冊持っています。
NHKでの番組もよく見ていました。
確かに、お茶をよく飲まれてましたね。
私もコーヒーでも紅茶でも、お茶を飲むのは大好きです。
曽野綾子さんの著書「人間にとって成熟とは何か」という本の最後にも、大切なのは、細かい事は忘れて、1人でも、友達や家族とでもいい、楽しいお茶を飲むことだ、と結んでいます。
国の特定疾患を4つ抱えている友達がいて、何がしてあげられるだろう…と考えたとき、このお茶を飲むという事を思い出し、たま~にてすが、うちに呼んで、お茶と手作りのお菓子を用意して、子供の事や他愛のない話をしています。元気になった、と言って帰ってくれるのが何よりだと思いながら。
かく言う私も、夜、家事が一段落したとき、飲み物を横に、りら様のブログを読んでいます。私のひとときの楽しみです。
>私はやはりキリテ・カナワ版が一番好きです
ニュージーランドが誇るディーヴァ。実はこの方のCDを持っているのです。暖かみのある歌声ですよね。
>当時確かまだ十代で可愛らしかったヒロインのヘレナ・ボナム・カーターも、今では怪演も目立つ色んな役をこなす女優さんになりました。
この女優さんを見ていると、大竹しのぶさんを連想します。童顔で愛らしいのですが、憑依的と言いますか、役が乗り移ったかのような演技をされます。最近出演される作品はどれも、ちょっと普通の女優さんでは演じられないような役が多いですね。
>大切なのは、細かい事は忘れて、1人でも、友達や家族とでもいい、楽しいお茶を飲むことだ、と結んでいます。
marineさま、素敵なフレーズをありがとうございます。本当にそう思います。自分も人生の折り返し地点を過ぎ、できるだけ心穏やかに、笑える日々を多く過ごしたい。バタバタしたりあくせくせず、ゆったりと構えたいと願っているのですが…。日本という国が、せわしなく忙しすぎるのでしょうか?
>お茶と手作りのお菓子を用意して、子供の事や他愛のない話をしています。元気になった、と言って帰ってくれるのが何よりだと思いながら
女性は特に、気のおけない友人と会って、お喋りするのが何よりの喜びではないでしょうか?一人の時間も好きですが、何でも話せる信頼できる友人とのお喋りもまた楽しいひとときです。
>私のひとときの楽しみです。
ありがとうございます。そう言っていただけると、とても励みになります。これからもよろしくお願いいたします。
連日失礼します。
りら様も、一杯のお茶を大切にしたいと考えておいでなんですね。なんだか嬉しくなっちゃってまたコメントさせていただいてます。
こんな風に年を重ねることを受け入れ考える事ができ、晩年を過ごせたらいいなぁと思う人達、ターシャテューダーさんや、曽野綾子さん、他にもいらっしゃいますが(ベニシアさんとかも)、皆さん共通してお茶の時間を大切にしていらっしゃいます。
慌ただしい日本においては贅沢なのかもしれませんが、別に高級なお茶でなくとも、飲み物片手に思いを色々巡らす時間は必要だなと思います。
記事から逸脱してしまい、すみませんでした。
今日のハンカチの記事も驚きました。
アントワネットは本当にセンスが良いですね。ハンカチは当たり前に正方形だと思っていても、そんな事実があったとは。
子供が森で拾った木の実や何かを包んだり、ロザリーのように誰かの傷を手当するのに、正方形がバイアスにしてもやりやすい、と感じたのでしょうか?
時代や産まれた環境が違えばベルタンのようになったかもしれませんよね。
アントワネットがオスカルのドレス姿を想像したことがあったとしたら、私も女神風のゆるやかにそよぐ感じのシンプルなドレスなんだろうなぁと思います。
長々本当にすみませんでした。
>ターシャテューダーさんや、曽野綾子さん、他にもいらっしゃいますが(ベニシアさんとかも)皆さん共通してお茶の時間を大切にしていらっしゃいます
「余裕を持ちなさい。」ということなのでしょうね。気持ちに余裕がないと、良い仕事はできないし、新しい風も吹きません。ベニシアさんの京都・大原の里を訪れてみたいです。あの方は京都の四季の移ろいと共に、大地にしっかり根を下ろして生きていらっしゃいますよね。
>別に高級なお茶でなくとも、飲み物片手に思いを色々巡らす時間は必要だなと思います。
そうなんです!飲み物やお茶菓子がどうのこうのというより、一日のどこかで必ず静かに自分を振り返ったり、考える時間を持つことが大切なのですよね。
>正方形がバイアスにしてもやりやすい、と感じたのでしょうか?
なるほど、バイアステープが一番伸びるのは、45度の時でしたね。見た目と実用性から正方形と結論を出したのでしょうか?あの時代に王家に生まれたことは悲劇でした。あのセンスの良さを、もっと発揮してほしかったです。時代が悪かったですね、
marineさまのコメントは、いつも楽しく読ませていただいています。「長文ですみません」などとおっしゃらず、いつでも気軽に書いてくださいね。