Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

大人の世界史

2015-10-19 22:59:24 | つぶやき

 教科書に載らない面白い世界史の裏話やエピソードを集めた本。「大人の~」と銘打っているので、ちょっとキケンでアブナイお話もちらほら。興味を惹くトピックをいくつかご紹介。

1 王族たちのベッド

 ヴェルサイユ宮殿などを見学すると、王族たちのベッドが意外と小さいことに驚く。下の写真はプチ・トリアノン内の、アントワネットのベッド。この長さで、脚をゆったり伸ばして眠れたのだろうか?当時の王族たちが特別小柄だったわけではないし---。これは不意打ちに備えた工夫。寸法が短い代わりにヘッドボードを高くし、現代の私たちのように完全に体を横にするのではなく、ヘッドボードに寄りかかるようにして眠った。敵や暗殺者に備え、王族たちは明かりをつけたまま、このヘッドボードに背中を預け、護身用の剣を傍らに置いて眠っていた。これで安眠できたのだろうか?こんな狭くて寝心地が快適とは言い難いベッドであっても、ルイ14世は王妃や寵妃との間に計17人の子どもをもうけている。

 

2 アントワネットの贅沢な暮らし

 「赤字夫人」と揶揄されたアントワネットが、ドレス代として支払った額は年間10億円に達していた。ローズ・ベルタン嬢の作るドレスは、現在の日本円に換算すると1着6,000万円!(ベルタン嬢、結構ふっかけていたりして。)お金に関して、アントワネットは気前が良く、ポリニャック夫人一族には年間数千万円の報奨金を、王妃専属の薬剤師には、特にどこも悪いところがなくても、薬代として年間300万円、寝室のろうそく代だけで年間600万円支払っていたと伝えられている。友達を得るため、お金や物で相手の歓心を買う----何だか虚しい。そんなポリニャック夫人は、革命が起きると真っ先に王妃を見放し、国外に亡命。アントワネットは賭けトランプで、一晩に1,300万円失うことも珍しくなかった。農場を作るにあたっては、2,000フィート離れた場所から水を引き、家畜を飼い、人工池も作らせた。その費用約10数億円。

 アントワネットが処刑された後、遺体はマドレーヌ墓地に埋葬されたが、この時墓掘人が提出した請求書には「棺代6ルーブル、手間賃15ルーブル」と書かれていたと伝えられている。ロココの女王にしては低料金。墓掘りの仕事内容に、身分の差はないということだろうか?

 

3  ジョセフィーヌの散財

 贅沢三昧といえば、ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌも負けていない。

 所有する手袋は100組近く。500足を超える靴。口紅代だけで年間250万円を使った。初めは大目に見ていたナポレオンもついにたまりかね、秘書のブーリエンヌに調査を命じた。すると買い物のツケが60万フラン、日本円にして約3億円たまっていることが判明。「妻がやったことだから仕方ない。」とナポレオンは腹を決めてその3億円を国庫から支払った。しかし実はブーリエンヌが報告した額は、実際の半分。ジョセフィーヌに泣きつかれ、ブーリエンヌは報告をごまかしていた。困り果てたブーリエンヌは請求書を細かくチェック。商人たちがインチキして高くふっかけた事実を突き止め、支払いを半額で手を打たせた。しかし妻の借金を、国庫から支払うとは!ナポレオンって結構みみっちいオトコ。自腹を切りなさい、自腹を。

 読んでくださり、ありがとうございます。



コメントを投稿