幼いころから将来は父の後を継いで、軍人になるよう厳しく躾けられたオスカル。そんな彼女も毎日、普通の女性と変わらず過ごす場所があった。化粧台の前。大きな鏡の前に座り、ばあややロザリーに髪を梳いてもらう時、束の間自分が武官であることを忘れることができたのではないだろうか?そしてフェルゼンに恋するようになってからは、鏡に映る自分の姿をそれまでとは違う目で見ていたように思う。
↓ 憧れのオスカルを前にして、ブラシを持つ手が震えるロザリー。
↓ 長くフランスを離れていたフェルゼンが、突然戻ってきた。動揺してブラシを落とすオスカル。
18世紀の女性たちは、どんなブラシを使っていたのだろう?
↓ これはルイ15世時代のものでブロンズ製。結構重かったのでは?手鏡とコーム、ブラシの3点セット。
↓ これらの制作および使用年代は不明なのだが、なんとなくジャルジェ家の6人姉妹たちが使っていたような気がするブラシ類の数々。
↓ こちらは18世紀半ばに、イギリスで使用されていた手鏡。
ばあやはオスカルの髪を梳く時間が、何より嬉しかったのではないだろうか?この時だけはオスカルも普通の女性に戻って、二人でよもやま話をしながら束の間、不穏なフランス情勢を忘れることができただろう。ばあやは髪をとかしながら同時にオスカルの肌の色艶をもチェックし、健康状態が良好かどうか確認するのを怠らなかったと思う。オスカルのドレッサーの上には、ばあやと夫人の心遣いで姉君たちのそれとなんら変わらない上品で優雅なブラシや手鏡、化粧水、香水瓶などが置かれていたような気がする。
話題は変わって、1996年制作のアメリカ映画「イングリッシュ・ペイシェント」のワンシーンの写真を見て、思わず主役二人(レイフ・ファインズ&クリスティン・スコット・トーマス)をオスカルとアンドレに脳内変換してしまった。
↓ 白黒画像がこれ。
↓ カラーがこちら。
時代も二人の服装も髪型も、オスカルとアンドレとまったく異なるけれど、この写真から伝わってくる空気が大人の愛を醸し出していて素敵。個人的には白黒写真のほうが好みかな。
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