聞こえるか
非難の騒々しい声が
ステレオからがなり立てる
特定の階級と狂乱を目当てに
俺の神経過敏な身体に心地よい調べ
愛と宗教を売りつけようとしている
放送される殺人
堕落の1歩手前のスローガン
冒涜、そして戦争と平和のヴィジョンが
お前に叫びかける
俺にはビデオの中には何も見えない
ラジオからは何も聞こえない
ステレオからは この静止状態の時代には
看板広告が浮かび上がる
明け方の景色の中に
そしてお前を錯乱状態に陥れる
狂気添えの悲劇とコンクリート
コカコーラの死刑
お前を追い詰める
磔になった意識と
悪習に染まった心こそ
お前が所有し、決して金では買えないもの
なんて最低な悲劇、戦略なんだ
それがお前に叫びかける
今は静止状態の時代
こうして西側が勝利したのさ
今は静止状態の時代
千年王国
俺が知りたいのは
たった1つぽっちの事だけ
薬に何が入ってるのかなんて事じゃない
俺がしたいのは
息をする事だけ
バッテリーは込みじゃない
ハレルヤを叫びながら
人が死ねる
最新鋭のやり方は何だ
声を大にして「明け方の薄明かり」と歌う
堕落し、忘れ去られた者の沈黙が
お前に叫びかける
ENGLISH
(参)最後の段落に登場する「明け方の薄明かり("The dawn's early light")」というフレーズは恐らくアメリカ国歌の冒頭のフレーズ(「Oh say you can see by the dawn's early light」)
からとったものです。つまり、『「明け方の薄明かり」と歌う』は言い換えれば「アメリカ国歌を歌う」という事です。
</object>
この「スタティック・エイジ」は『21st Century Breakdown』という物語の背景、即ちクリスチャンが生きる場所を描き出す曲である一方で、非常にストレートなグリーンデイによる現代アメリカへの疑問を提示でもあります。私には後者の要素が強いように思われます。前後の曲との関係を見なくてもこの1曲だけで明確にメッセージが伝わってくるからです。
タイトルの「静止状態の時代」というのはstaticの「伝統的慣習が強く変動がない状態」(ジーニアス英和)という意味から訳出しました。大量消費文化の社会の核を為すラジオやテレビからひっきりなしに流れてくるコマーシャル、そしてその合間にはさまれたまるでエンターテインメントの一部であるかのような殺人事件報道。冷戦の勝利がそれら全てを肯定すると考える無反省の態度。現代アメリカ社会が当然のように思っている事、生活のあり方が抱える問題についてこの曲は指摘しようとしているように思われます。そして例え磔になったり、悪癖に染まっていても自分の意識と心こそお金では買えない、本当に自分自身が所有するものなんだ、と訴える部分は感動的です。また、自暴自棄になりかけていたクリスチャンが最後になってこんな静止状態の社会にあっても「俺がしたいのは息をする事だけ」と生きる意志をはっきりと示す部分も、聴き手は思わず「そうだ、クリスチャン!」と喜びと安堵を覚え、胸を揺さぶられるシーンです。
最後にいつもの『Q』誌からビリー・ジョーのコメントの引用です。彼の言葉からは私が上に書いたような解釈は全く見られません。でも私はこのコメントがとても嬉しかったです。
「昔のパンクのチラシが大好きなんだ。そこではミッキー・マウスの磔の絵みたいな、一緒に存在する筈のない2つのものが共存しているのをよく目にした。この曲はそういう感じの事を歌ってる。音楽は殆ど(ブルース・)スプリングスティーンって感じだろ。」
私が好きなのはビリーがブルースについて言及しているからです。私はこのコメントを見るまでこの曲をブルースっぽいと思った事は全然無かったし、今でもあまり結びつきませんがビリーがそう思っているならそれでいいです。こうして自分が大好きな2つのアーティストがあるポイントで出会うというのはとても素敵な事に思えます。
非難の騒々しい声が
ステレオからがなり立てる
特定の階級と狂乱を目当てに
俺の神経過敏な身体に心地よい調べ
愛と宗教を売りつけようとしている
放送される殺人
堕落の1歩手前のスローガン
冒涜、そして戦争と平和のヴィジョンが
お前に叫びかける
俺にはビデオの中には何も見えない
ラジオからは何も聞こえない
ステレオからは この静止状態の時代には
看板広告が浮かび上がる
明け方の景色の中に
そしてお前を錯乱状態に陥れる
狂気添えの悲劇とコンクリート
コカコーラの死刑
お前を追い詰める
磔になった意識と
悪習に染まった心こそ
お前が所有し、決して金では買えないもの
なんて最低な悲劇、戦略なんだ
それがお前に叫びかける
今は静止状態の時代
こうして西側が勝利したのさ
今は静止状態の時代
千年王国
俺が知りたいのは
たった1つぽっちの事だけ
薬に何が入ってるのかなんて事じゃない
俺がしたいのは
息をする事だけ
バッテリーは込みじゃない
ハレルヤを叫びながら
人が死ねる
最新鋭のやり方は何だ
声を大にして「明け方の薄明かり」と歌う
堕落し、忘れ去られた者の沈黙が
お前に叫びかける
ENGLISH
(参)最後の段落に登場する「明け方の薄明かり("The dawn's early light")」というフレーズは恐らくアメリカ国歌の冒頭のフレーズ(「Oh say you can see by the dawn's early light」)
からとったものです。つまり、『「明け方の薄明かり」と歌う』は言い換えれば「アメリカ国歌を歌う」という事です。
</object>
この「スタティック・エイジ」は『21st Century Breakdown』という物語の背景、即ちクリスチャンが生きる場所を描き出す曲である一方で、非常にストレートなグリーンデイによる現代アメリカへの疑問を提示でもあります。私には後者の要素が強いように思われます。前後の曲との関係を見なくてもこの1曲だけで明確にメッセージが伝わってくるからです。
タイトルの「静止状態の時代」というのはstaticの「伝統的慣習が強く変動がない状態」(ジーニアス英和)という意味から訳出しました。大量消費文化の社会の核を為すラジオやテレビからひっきりなしに流れてくるコマーシャル、そしてその合間にはさまれたまるでエンターテインメントの一部であるかのような殺人事件報道。冷戦の勝利がそれら全てを肯定すると考える無反省の態度。現代アメリカ社会が当然のように思っている事、生活のあり方が抱える問題についてこの曲は指摘しようとしているように思われます。そして例え磔になったり、悪癖に染まっていても自分の意識と心こそお金では買えない、本当に自分自身が所有するものなんだ、と訴える部分は感動的です。また、自暴自棄になりかけていたクリスチャンが最後になってこんな静止状態の社会にあっても「俺がしたいのは息をする事だけ」と生きる意志をはっきりと示す部分も、聴き手は思わず「そうだ、クリスチャン!」と喜びと安堵を覚え、胸を揺さぶられるシーンです。
最後にいつもの『Q』誌からビリー・ジョーのコメントの引用です。彼の言葉からは私が上に書いたような解釈は全く見られません。でも私はこのコメントがとても嬉しかったです。
「昔のパンクのチラシが大好きなんだ。そこではミッキー・マウスの磔の絵みたいな、一緒に存在する筈のない2つのものが共存しているのをよく目にした。この曲はそういう感じの事を歌ってる。音楽は殆ど(ブルース・)スプリングスティーンって感じだろ。」
私が好きなのはビリーがブルースについて言及しているからです。私はこのコメントを見るまでこの曲をブルースっぽいと思った事は全然無かったし、今でもあまり結びつきませんがビリーがそう思っているならそれでいいです。こうして自分が大好きな2つのアーティストがあるポイントで出会うというのはとても素敵な事に思えます。
初見の場合、自分が一番最初に耳が行くのは「曲の雰囲気」なのですが、この曲はその題名とは反対に、曲の冒頭から「ここから何か新しいことが始まりそうだ!」という良い雰囲気に凄く満ちているなという第一印象でした。今も変わっていない印象です。
特に、「All I want to know is....」の歌詞の直前の階段を駆け上がっていく様な転調部分では、本当に自分の中の何かを突き破っていけそうな凄いエネルギーを感じました。自分の中では、この部分が21CBの一つのハイライトになっています。この曲を一つのトリガーとして、この後「21Guns」というアルバム全体の大きなターニングポイントになる曲に入っていくのかな、と自分は思っています。
最後のビリージョーのコメント部分、「一緒には存在しない様な二つのものが共存」というのは、この「static age-静止の時代」という現代アメリカへの疑問を歌った詩が、「何かを変化させよう、何かから飛び出して行こう、というエネルギー」に満ち満ちた音楽に乗っている点の事なのかなあ、と自分はぼんやり考えました。
自分は、この曲から凄く力をもらうことが多いので、拙いですが長々コメントさせていただきました汗。今更ですみません。。汗
いつもtweet、拝見しています。ブログへもコメントをいただけてとてもうれしいです。こちらこそ、古い記事を読んでくださってありがとうございます。
コメントからyoji_maさんのこの曲への思い入れがとても伝わってきて、改めて"Static Age"を聴くと、本当にyoji_maさんが指摘されたようなビリーの焦燥と希望のないまぜになったような思いが感じられるようで胸に迫りました。やっぱり、これだけの曲にしようという思いの背景には、そうすることに意味があるという希望があると思うので、そうした前向きな思いが曲に反映されているのかもしれないと思いました。
それから、確かにおっしゃられるように、タイトルと曲の雰囲気も相反していますね。コメントをいただくまで私は意識していなかったので、教えていただけて良かったです。
またぜひyoji_maさんのグリーンデイへの思いをお聞きする機会があるとうれしいです。