刻しるべ

乗馬クラブでは落ちこぼれ。でも馬が大好き。馬といるだけで幸せなMy乗馬ライフ

星と馬のコテージ

2010-05-31 22:54:50 | 外乗
霧島の外乗に行ってきた
今回の目的は3つ
一つは勿論外乗
2つ目が牧場の中の1軒屋のコテージに泊まること
3つ目はホーストラストで余生を送るタイキブリザードに会うこと

今回はコテージの話~

霧島の山の中、霧島アート牧場は、丘全体が放牧地になっていて、もう、周りでは遠くに近くに、たくさんの馬達がの~んびり自由に草を食んでいる
  
広大な敷地内のガタガタ道は中腹までで行ける。

実はこの放牧場はホーストラストの中のケア・パドックで、入りたてのこやスタッフの目が届くところに置いておく必要のあるこ達がいる。

ずっと狭い厩舎しか知らない乗馬倶楽部から来たこなんかは、いきなり広い草地にきて、どうしていいのかわからず、ずっと1箇所に立ったままのこもいたそうな。

 

丘の上のほうにポツンとコテージが1軒建っている。
駐車場からコテージまでは、バッグを担いで牧場の中を歩く。あちこちに馬とボロ(糞)がいる。



コテージの中は清潔で1LDK。キッチンは充実していて、完璧な自炊が可能 

スタッフから「はい」と懐中電灯を渡された
「夜出かける時、周りに灯りは一切無いですから、これ使ってくださいね」
「私達も帰りますから」
えっ~~って、誰もいなくなるのですかっあ~
「そうです。馬と星とあなた達だけです」きっぱり
うう~なんてロマンティック・・・なような、誰もいないなんて怖い

結局、夜に近くの温泉に食事とお風呂に出かけたんだけど、帰りに懐中電灯は必需品だった。
車からコテージまで足元を照らさないと、ボロを踏んでしまうので。

真夜中のコテージの周りは静かだ。
でも、耳を澄ますと密やかにいろいろな音を感じる
木々をわたる風、草原の草がなびく音、馬の気配、虫の声、遠くの電車、山にいる獣・・・・
コテージにはTVもなく、することが無いので、10時に寝た

まむし草

2010-05-29 23:03:14 | 動物他
霧島の外乗に行った時に聞いた話。

まむし草ってのがあって、あちらこちらに花が咲いていた。
実物見ると、名前のとおり、確かにただものではない雰囲気を持っている
花の色は緑とすごく濃い紫で、深い筒状になっている

これが、えぐい植物なんだ。
雌花と雄花があって、
雄花の底には雄しべがあって、雄花に入った虫は花粉を付けて花の底にある出口の穴から外に出て、雌花に受粉しに行くようになっている。
ところが、雌花の底には穴が無い!!
入った虫はそのまま出られず、ジ・エンド。
あと、この植物はサトイモ科で、ゆり根のような芋ができる。
これが食べれるかって言うと、
毒というか、すごく小さな棘の繊維があって、これが内臓を傷つけ、ひどく苦しむそうだ。
なんともひどい植物があったもんだ
ちなみに名前の由来は、茎の斑模様がマムシに似ているから、だって

爺々ブルキングと仲良しになる

2010-05-24 23:06:30 | 
霧島の外乗に行ってきた
今回の目的は3つ。
1つ目は、もちろん霧島の山を馬で駆ける
2つ目は、馬達が放牧されている牧場の中のコテージに泊まる
3番目の目的は、G1優勝馬のタイキブリザードに会う

さて、2つ目の目的、コテージで目覚めた朝、6時。外はもう明るい
コテージが建つ丘の目線遠くに、雄大な桜島がかすかな稜線を見せている。
天気は

ホーストラストの達は、スタッフが出勤してくるには、まだ2時間もあるというのに、もう朝飼をもらうために放牧場の入口付近に集合している。
まだ半分以上眠ってボーっとしたままに、草を摘みながら彼らの近くまで行った。


十数頭の放し飼いのサラブレッド達の群れに近寄るのは、なかなか勇気が要る。少し緊張が走る
耳をぴたっと伏せて噛み付いたり、場所取りの喧嘩がすでに始まっている

端っこにいた1頭に寄って行き、そっと草をあげた。
ゆっくりと手から食べながら、大きな瞳でこちらの目を見ている。
人懐っこい優しい目。
背中の肉が大きく落ちていて、かなりの高齢に見える。

左手でそっと耳の下、うなじを撫でると、さらにじっと見つめてくる。
気持ち良さそうなその様子が愛おしくて飽きない。
右手で鼻を抱えて撫でると、うっとりと目を閉じて、頭を預けてくる。随分長い間そうしていた。

人を信じきった様子から、あ~、この子は、随分と誰かに愛され、大切にされてきたんだって、しみじみ感じた。

撫でるのを止めようとすると、鼻でグイと押して
「もっと~」と甘えてくる。

黒っぽい鹿毛、額の中央から左目の上にかけて、曖昧な白い模様がある。
なんて名前なんだろう

後からスタッフが教えてくれた話によると、
競走馬を引退後、鹿児島大学の馬術部、その後乗馬倶楽部に移り、そこで今のオーナーさんと出会い、今はそれも引退して、ここホーストラストでのんびり余生を暮らしている。

名前は ブルキング<、なんと、1978年生まれの32歳、人間で言えば優に100歳を超えているスタッフからは爺々と呼ばれている
競走馬としては、地方からの通算成績は63戦14勝、
5歳の春には、中央競馬のG1中山大障害3着に入り、1200万の賞金を獲得している。すごい

仲良しになったブルキングは、この後コテージまで来てくれて、部屋の中を覗いていた
 
ベランダで「また会いに来るからね」そう約束した 


霧島へ~タイキブリザードに会いに

2010-05-19 23:12:57 | 
霧島の外乗に行ってきた
今回の目的は3つ。
もちろん外乗で霧島の山を馬で走る
もう一つは、馬達が放牧されている牧場の中のコテージに泊まる
そして3番目の目的・・・G1優勝馬のタイキブリザードに会う

タイキブリザードは生涯獲得賞金5億6千万円を超える功労馬。
引退後は主牡馬になり、
今は鹿児島のホーストラストで余生を送っている。もう19歳の鹿毛。

初めてタイキに会ったのは、2年前2008年の7月、北海道の日高ケンタッキーファーム。
特別待遇のタイキは、来訪者が見学できるように青々と牧草が繁る専用の放牧場を持っていた。
草を摘んで「タイキ」と呼ぶと、人懐っこく寄ってくる。
手から草を食べるその姿は、威風堂々と誇り高く、しっかりした肩や腰の張り、つややかな毛並みは、とても当時17歳とは思えなかった。
何より、まっすぐに目線を返してくる大きな瞳は、かっての栄光を思いださせる圧倒的な力強さをもっていた。
タイキは首を高くもたげ、私たちを待っている。
私たちは飽きることなく、いつまでも草を摘み続けた。
それは強烈な体験だった、あんなに強い目の輝きを持った馬に会ったのは初めてだった。

ところが、昨年の秋の乗馬ライフに「タイキブリザードが鹿児島にいる」って記事が出てた。
馬が牧場を移ることは良くあるけど、その写真を見て愕然とした
黒っぽい鹿毛、尻尾の黒さ、似ているけど、そこにいるのは背中の肉がげっそり落ちた老馬。わずか2年でこんなに変わるなんてありえない
何かの間違いじゃないかって調べたら、日高ケンタッキーファームが閉園になっていた。
でも、あんなに艶やかで年齢からは考えられない程の肉付きと張りのあった馬が、ほんとにこんなに変わってしまったのか、どうしても直に確かめたかった。

霧島外乗の2日目
朝の外乗の途中にいよいよタイキブリザードの放牧場へ
ちょうど朝飼の時間で、引退馬がそれぞれの餌をもらっているところ
「あれがタイキです」その言葉の先にいたのは、すっかり老いた一頭の馬・・

ああ、やっぱり歳老いている
こちらも馬に乗っているので、そんなに近くまでは寄れない。
でも、広々とした牧場でのんびり生活している彼を見て思った。今の彼はきっと幸せなん。

目的の1つ達成