森番・・・・・・・・・・・・・・・小森輝彦
ビストロウシュカ・・・・・・・・・森 美代子
雄狐・・・・・・・・・・・・・・・小久保陽子
指揮・・・・・・・・・・・・・・・広上淳一
演奏・・・・・・・・・・・・・・・新日本フィルハーモニー交響楽団
演出・・・・・・・・・・・・・・・高島勲
限りなく星五つに近いのだけど,大好きなオペラで,子役が出てたので評価が甘くなっていると思います.
去年の10月にチェコ国立プルゼーニュ歌劇場の公演を見てからほぼ1年,またこの大好きなオペラが見られるなんて.
まず,緞帳は開いたままで,八百屋舞台に棒がたくさん立っていて,森を表現しています.
登場人物の動物(人物じゃないし)は人形を文楽の人形遣いのように片手にはめて,それを動かしながら歌います.
これはかなり効果的だったと思います.
子供の頃のビストロウシュカ,子役の子が歌います.可愛い.
装置が降りたり飛んだりの場面変更は,昨年のプルゼーニュがやたらと暗転幕だったの較べても上手い処理だと思いました.迫りの使い方も(・∀・)イイ!!
とてもメルヘンチックになってます.
オケはまあまあ,所詮日生劇場ですし.歌手もまあまあ.でも森番の小森輝彦は終幕の歌が素晴らしかった(だけどねえ,おばちゃん,あそこは拍手する場面ではないのよ,イタリアオペラじゃないのだから)
で,とっても楽しいプロダクションだし,日本語もそこそここなれていて良かった.(あのヘタレバリトン,宮本益光が翻訳だそうです)
幕切れに蛙が「それ,ボクじゃない.それじいちゃんだよ」でウルウル.蛙も子役にして欲しかったけど.
ところが,その後が妙に湿っぽいのよね.これさえなければ星五つなんだけど.
シャトレの演出みたいに脳天気に笑って終わらせようよ.そう言うオペラだと思うな.
あと,子供のビストロウシュカが森番に拐かされるところで,人形だけ持って行くシーン,なんかビストロウシュカを殺して皮剥いで持って行く感じがして疑問
それと,場面によって同じように人形を外すシーンがあったけど,はっきり言って????なんで?でした.
マイナーなオペラなのに満員御礼,でも関係者が多かったみたい.
メルヘンチックなオペラと勘違いしたのか(演出はメルヘンチックですが)子連れ多し.でもね,キツネのできちゃった結婚とか結構生々しいオペラなんですけどね.子供向きとは思いません.ガキは魔笛でいいの!
あとは観客の平均年齢が思いっきり高くて,終演までに3人は死者が出たはず.
オペレッタ協会の寺崎センセが見えてたのはフェルゼンシュタインつながり?
良くできたプロダクションだから,このまま新国に持ってきてレパートリーにしたら良いのに.
さてお子様向けの「魔笛」ですが、今年の大晦日に歌舞伎座で「魔笛」をやるんですよ!
と言っても「METライブ・ビューイング」という催しでMETの生中継を歌舞伎座で大晦日にやるそうです。もっとも時差の関係で13時と15時半の2回の時差上映だそうですが…。まともにやれば午前3時だとか。他に5作品が決定していて南座や演舞場が会場となり、歌舞伎座は最初で最後の機会のようです。
良いプロダクションだったのよ.
とっても気に入りました。よかったです。最後はウルウルしてしまってcypress様とめりと~ね様をちょっとお待たせてしまいました。あんまり泣き顔をみせたくないんものですから。
そしてプルゼーニュの引越し公演。地方都市のオペラだと馬鹿にして行ったのですが予想外に良かったのです。そしてこの日生劇場公演。11月25日に行きましたが、その出だしはチェコ語かと思うほどチェコ語の響きを損なわない素晴らしい訳でした。歌手の皆さん、特に男性歌手、は日本語の発音が非常にクリアで感心しました。日本語の字幕のあったのも良かったと思います。1980年代くらいまではオペラというとワーグナーなど特殊なものを除きすべて訳語上演でした。そして素晴らしい訳がたくさん生まれました。しかし昨今は訳語上演を見つけるのは至難の業です。若杉さんが新国立劇場の芸術監督になられるので、「セビリアの理髪師」、「こうもり」、「トスカ」などの訳語上演を復活させてくれるといいなと思っています。
女狐はレパートリーに残して欲しいですね.