新井律子建築設計事務所のブログ

大阪・北浜で住宅の設計を中心に仕事をしています

室生寺「金堂外陣からの特別拝観」

2010年08月31日 | 日記
平城遷都1300年記念事業で、8月31日まで「金堂外陣からの特別拝観」を行っていると知って、29日、室生寺に行ってきました。
只今、仏像に、ハマッテいます。

お昼はSさんから聞いていた、名張市安部田にある「三太夫(さんだゆう)」で食事をしました。茅葺きの民家の中、お昼なので高価な伊賀牛はやめ、国産若鶏の炭火焼きコースをいただきました。お店の雰囲気も良く、若鶏はやわらかく大変おいしかったです。

腹ごしらえをして室生寺へ。太鼓橋を渡り、仁王門をくぐり、石の階段約70段、弥勒堂と金堂にたどり着く。
「こけらぶき」の寄せ棟の屋根が美しい。
普段は入ることができない金堂内の外陣から、ご本尊の釈迦如来立像や十一面観音立像(いずれも国宝)や里帰りにより勢揃いした十二神将立像(重文)などが特別に拝観できました。
いずれも一木造彩色像で釈迦如来像を中心に右に薬師如来と地蔵菩薩像、左に文殊菩薩と十一面観音像の五尊が並び、その前に十二神将像が一列に五尊を守るように配されています。

さらに階段約30段を上り本堂に。、如意輪観音座像が安置されています。穏やかな作風の桧の一木造りで、片膝を立てて、六つの手をもっています。観心寺・神咒寺の如意輪とともに日本三如意輪の一つと称されています。
「観心寺の如意輪像は、是非、見たい!」と思っています。4月17日と18日は本尊御開帳日だそうですが・・・。

さらに階段を上り五重の塔へ。
かねてから、「室生寺最古の建造物である五重の塔の復興後の姿を、是非見てみたい!」と思っていました。
平成10年9月、奈良地方を襲った台風七号の強風で、倒壊した巨木の一つが、五重の塔に著しい損傷を与えましたが、2年後の平成12年10月に復興しました。以前見た時と異なり、鮮やかな彩色の小さな塔が階段の上にそびえています。



階段を上り、全体の姿を・・・。



前の方が趣があったようにも思えます。薬師寺でも思ったのですが、解体修理された建物は、初めのうちは朱の色が強烈で気になります。しかし、時と共に自然な姿に落ち着くのではないかと思います。20年後でも階段を上る事ができれば、その姿を見てみたいです。

「さらに階段を上り奥の院へ」とは思いましたが、「大阪よりは涼しいけど、さすがに、きつい!」。
母が言うには「昔、お父ちゃんと奥の院まで死ぬ思いでたどり着いた」と。
今、まだ死にたくはない! あきらめました。

春のシャクナゲの季節にもう一度訪れてみたいお寺です。

聖林寺の十一面観音像

2010年08月24日 | 日記
日曜日、桜井市の聖林寺の十一面観音像を見に、奈良に行ってきました。若い頃はあまり興味がなかったですが、最近はお寺の仏像が気になります。



国宝・十一面観音像は聖林寺本堂から階段をあがったコンクリートのお堂に安置されています。
母曰く「昔、見たときは木造の小さなお堂にひっそりと秘宝として祀られていたのだけど・・・」
今はガラスケース越しに見ることができます。像高約209cm、均整がとれた量感にみちたお姿で、すっと立って居られます。遠くを見つめ想いを巡らせている表情にも見えます。
お寺の方から説明を聞くことができました。木心乾漆像で、奈良時代末期の作、三輪山・大御輪寺の本尊として祀られてきましたが、明治になって神仏分離・廃仏毀釈の影響で、ここ聖林寺に移されたそうです。
十一面観音像は本体の顔以外に頭上に11の顔を持つ菩薩で、頭上には四つの表情をされた菩薩様の顔があるとのことです。
慈悲の表情、憤怒の表情、讃嘆の表情、大口を開けて笑いの表情。撮影できないのが残念!
いままで頭上の菩薩様の表情まで見ることは無かったので、説明を聞くことができて、ますます仏像に興味がわきました。

聖林寺のあと、近くの「談山神社」へ。もみじの秋にもう一度来たい神社です。



風鈴まつり開催している「おふさ観音」で、風鈴の音色を聞きながら、茶房でミルク金時を食べて帰りました。


「灯り」大好き!

2010年08月19日 | MONOが好き

昨日、ダルジェッティ ポールセン ジャパンの辻 利門さんが事務所に来られました。
いつも広報誌NYTを届けていただいています。1941年の創刊以来、光と建築をテーマとして刊行を続け、今では588冊にもなる広報誌は、世界各地のアーキテクトに読まれています。
ルイスポールセンは80年以上にわたり優れたデザインを追求しているすばらしいメーカーだと思います。
http://www.louispoulsen.com/jp.aspx

今回は、「ジルコン」というダウンライトを二つ持って、その紹介に来られました。厚さ5ミリのポリカーボネイト製ディスクが天井面から下がった位置で浮いているように見えるダウンライトです。光源そのものを見せずあかりを演出する思想が感じられます。

辻 利門さんとの出会いは、5年ぐらい前だと思いますが、事務所に「ひこっと」来られたのがきっかけです。灯りについての話は尽きなく、「本当に灯りが好きな方だなあ」という印象でした。

暮らし方研究会のホームページの「暮らしの読み物」のページに「あかりと遊ぶ」というテーマで寄稿していただいています。
辻さん曰く、「私のモットーとしている言葉に『デザインされた空間は生活をより快適にし、デザインされた商品は心を豊かにする』というフレーズがあります。」
是非、ご覧ください。 http://www.kurashikata.gr.jp/

また去年、「119回暮らし方研究会セミナー」 で『灯りの真髄を学ぶ…』というテーマでお話を伺いました。
テーブルランプでの実演で、直接光の眩しさに対する配慮が大切なことを学びました。

昨年、書斎のリフォームで天井に「ルイーズ・キャンベル」デザインの「コラージュ ペンダント」と机の上に「アーネ・ヤコブセン」デザインの「AJ ウォール」を使用しました。
お気に入りのペンダントに取り替えるだけで、お部屋の雰囲気が変わり、暮らしが楽しくなります。少しの工夫が暮らしを輝かせます!


コラージュ ペンダントは3枚のアクリルシェードが、光源の眩しさを遮り、木漏れ日に似た心地よい光と、淡い影絵のような効果を生みます。太陽光線が木々の枝葉を通り抜けるときの、光と影の移ろいにインスピレーションを得てデザインされました。
AJ ウォールの直線のラインを直角と斜角で組み合わせたストレートな表現は、ヤコブセンの建築デザインにも共通する要素であり、光を必要とする場所に向けるデザインです。

大好きな照明器具です。
「MONOが好き」のページ http://www.arai-ksj.info/mono.htm



次世代エネルギー太陽光発電について学ぶ

2010年08月11日 | 日記


8月6日、金曜日、暮らし方研究会第122回セミナーが開催され、私も参加しました。
今回は「次世代エネルギーを学ぶ・・・」というテーマで、太陽光発電についての勉強会です。講師は京セラの森山さん。
京都議定書について、太陽光発電システムの環境効果、国・自治体の支援策、太陽光発電のしくみ、設置について等、スライドを見ながら詳しくお聞きする事ができました。

説明後の質問では、30名を超える参加者のなかから次々と質問が・・・。

質問:「実際、太陽光発電パネルを設置して何年後に設置費用は回収できるのですか?」
回答:「設置条件により変わりますが、およそ13年から15年かかります。」

カタログに表記されている発電量は真南で30度の傾斜の屋根を想定しています。電線、黄砂などのパネルの汚れなどでも効率が落ちます。また、「パワーコンディショナーの寿命は10年から15年で取りかえ費用が必要、4年毎に点検費用もかかります。」との説明がありました。

質問:「陸屋根でも住宅用ソーラー発電として可能ですか?」
回答:「可能です、架台を含めての設置となります。」

質問:「設置後、マンションが建設された場合は?」
回答:「実際、そういうケースがあった事を聞いていますが、双方協議して解決したようです。ただ、広い空き地が隣にある場合は予測しておく事が必要です。」

「電気代の買取り価格も上がり、補助金もでる。もとがとれるので今が得!」と安易に損得を考えるのではなく、十分検討し、「エコに貢献したい!」という意識で、太陽光発電システムの設置を考えられたらいかがでしょうか?

「駅長たま」に会いたくて

2010年08月09日 | 日記
「駅長たま」に会いたくて和歌山電鉄貴志川線「貴志駅」に行きました。
車で「伊太祈曽駅(いだきそえき)」近くの駐車場に車をとめ「伊太祈曽駅」から「貴志駅」へ。
「伊太祈曽駅」で往復乗車券560円を払いホームへ。ホームにに着くと、すぐ「たま電車」がやって来た。ラッキー!
貴志川線は「たま電車」「おもちゃ電車」「いちご電車」が交互に走っていて「たま電車」に乗れるのは大変幸運だといえます。


電車のなかは、床には「たま」の足跡、壁には日常のお姿が一杯、吊り下げ広告には「たま」のお言葉が・・・。子供でなくても楽しい。

12分で「貴志駅」へ到着。さっそく「たま駅長」のもとに向かう。しかし、「おつかれ」のようで奥の寝室に居られ姿が見えない。たくさんの謁見希望者のいる中、しばらく見ていると後ろ姿がちらり。「わあー」と歓声があがる。しかしすぐ寝所へ。
残念ですが、写真で帽子をかぶりマントを羽織った凛々しいお姿を拝見し、満足!


駅舎は8月4日に完成したとのことで、以前、新聞の貴志駅建て替えの記事に書かれた新駅舎のイラストを見て、「完成したら是非見に行きたい!」と思っていました。
早速、外へ。
屋根を「檜皮葺」としたネコ顔駅舎。眼あり耳あり鼻あり、檜皮葺屋根のゆるりとした曲線がユーモラスな形です。駅に降りると、宮崎駿監督の「となりのトトロ」にでてくる「ネコバス」が出迎えてくれそうです。皆さん笑顔で見ています。民話の世界に引き込まれてしまいそう。

帰りは「おもちゃ電車」で「伊太祈曽駅」へ。
着くと、ちょうど「いちご電車」がホームに止まっていてすべての電車を見ることができました。


たいへん楽しい一日になりました。
存続が危ぶまれていた貴志川線の多大なる功労者、たま駅長、今後のますますのご活躍とご健康をお祈りいたします。

http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/