一休寺では毎年9月中秋前後に、方丈において「薪能」を行っています。昨日がその日で、観賞する幸運に恵まれました。
「能の名人と言われた金春禅竹や音阿弥も一休から禅の教えを受けていたほど、一休は能楽に深い関わりを持っていました。ここが昔「薪能」という言葉も、ここが「薪村」という名の村だったことに由来しているとも言われています」とか・・・。
一休寺総門の脇には、「能楽発祥の碑」が建てられています。また提灯も
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石畳の参道を進み、方丈へ
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方丈では約150席が整えられています。方丈庭園(南庭)、左奥 に見える建物が一休禅師が祀られている御廟墓です。一休さんも楽しみにいておられるのでは?
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方丈中央の奥に安置されている、一休禅師八十八歳の像の前で、いよいよ始まります。
まずは仕舞、「経正」(つねまさ)・「綾鼓」(あやのつづみ)
仕舞(しまい)とは能の一部を面・装束をつけず、紋服・袴のまま素で舞うことです。すべるような足の運びに感心させられます。
次は狂言、「魚説教」(うおぜっきょう)
摂津の国兵庫の浦に住む猟師は殺生が嫌になり出家しましたが、俄坊主(にわかぼうず)なので経も読めず説教もできません。やむなく都へ上り勤めをみつけようと海道へやってくると、持仏堂で法事をしてくれる僧を探していた信心深い男と出会います。男は俄坊主を連れ帰り、早速、説経を頼みます。俄坊主は元猟師にふさわしく説経をはじめますが・・・。
説法の言葉の中にたくさんの魚の名が・・・。わかりやすく楽しいので、狂言は大好きです。
最後は、能「雪」
閑寂な雪明りの中で、雪の精が純白の衣をひるがえして舞を舞うということのみに焦点を絞り余分を削ぎ落とした、 清楚をきわめた美しい能です。
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回国修行の僧が天王寺参詣を思い立ち、野田の里までくると、にわかに大雪になり道もわからなくなる程降り積もります。
僧は雪の降り止むのを待つことにします。降り積もった木陰から、和漢朗詠集の雪景色の詩を口ずさみながら美しい女が現れます。
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不思議に思った僧は女の素性をたずねます。
女は自分が何者だか分からない、ただこうして、いつの間にか現れたのだと答え、この迷いを晴らしてくれるよう頼みます。
僧は女が雪の精であろうと悟り成仏を促します。雪の精は僧に法華経の読誦を乞い、仏法の功力をたのむ舞を美しく舞い、
やがて夜も明け、木々の梢にかかる花のようにおぼろに霞みつつ姿は消えていきます。
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幽玄の世界に引き込まれます。解説を読まなければわかりづらいのが能ですが、その世界に触れることができて幸せです。
参道を下り総門まででると、満月が迎えてくれました。