独白

全くの独白

介護と云う職種#5(神の領域③)

2018-03-02 22:49:57 | 日記
 併しそもそも吾人は、空前絶後の大洪水にも、バベルの塔に於ける警告にも、耳を貸さず目を瞑って、堕落の一途を辿って来た。
享楽を追い求め、自然を破壊し、核、化学、生物兵器等を生み出した。
これらは先述の「人間に因る神の領域の侵犯等、実は無い」の傍証で在り得よう。
詰まり従来、吾人の誰もがそう考えていたに違い無いと、思われるのである。
 然るに近来改めて、再生医療や不妊治療等の分野に限って、忌避すべき事柄、神聖で侵さざるべき領域なのでは無いか否かに就いて、熟慮すべきであるとの風潮があるのは、利己心の塊である吾人であるからには、寧ろ当然である。
この風潮の存在理由は決して、困難さや対象の見え難さ等では無い。そのような事物はこれ迄、いとも容易く克服して来ている。
他の事物の生命は省みずとも、自らの生命の、而も根源的な部分に手を加えるのである、躊躇われる筈である。
 然れどそれも結局、一時の迷いに過ぎず、吾人は突き進む事に成るのであろう。
 何となれば古来凡ゆると云って良い程の、神話や宗教に、生まれ変わりや、再生、復活といった事態が、登場する。
神話も宗教も、人間の精神活動の結晶であり恐らくは、人類発祥の砌から共に在ったろう。
即ち今日の医学の在りようは発祥の砌から、吾人に依って冀われ信じられ、予言されて来たものと云って良かろうからである。(続く)