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モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

マツバウンラン

2025年04月11日 | 植物

学名:Nuttallanthus canadensis

 花期は4~6月で、地表から20~50cmの茎を立ち上げ、先端部に十数個の1cmほどの淡い紫色の花を咲かせます。花冠から後方に細長い “ 距(水色矢印部分)” を突き出すのも特徴的です。

 

 5mmほどの小さな葉は匍匐状に成長します。北アメリカ原産の帰化植物ですが、八丈島でも日当たりの良い場所で、微風に細長い茎を戦がせている光景をよく見かけるようになってきました。

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ヤマラッキョウ

2022年11月20日 | 植物

学名:Allium thunbergii

 

 5年ほど前から畑の隅で花を咲かせるようになりました。八丈島では自生してはいないようなので野鳥か風が種を運んで来たのではないかと思われ、年を追うごとに株が大きくなってきています。

 発見した当初はラッキョウかとも思ったのですが、葉が幅:2mmほど長さ:30cmほどとなり、ラッキョウのものよりもより細く光沢があり長い松葉といった感じで、冬季に枯れてなくなってしまいます。このことよりヤマラッキョウと同定しました。花期は9~11月、花はラッキョウのように紫色の小さな花を沢山咲かせます。

 同属のラッキョウのように球根部分を食べれるようですが、ネットで調べるとあまり美味しくないとの意見もあるため、まだ試していません。

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ヒメコウゾ

2021年06月13日 | 植物
学名: Broussonetia kazinoki
 
【雌花】
 
【雄花】
 
【朱色に熟した実】
 
【桜のような葉】
 
【桑のような葉】
 
 樹高は2~5mで花期は4~5月頃の雌雄異花同株(同一株に雄雌で形の異なる花をつけること)。雄花は枝の基部に、雌花は雄花よりも枝の先端部に向かって花を付けます。雌花は異形と言ったら良いのでしょうか、直径:5mm ほどの緑色の球体(花序)から放射状に赤紫色の棘のような突起(花柱)が伸び、まるでウイルスのようです。特に熟す直前の花序だった球体は大きく成長し、それとは逆に花柱は短くなっているため、コロナウイルスそのものですな。

 果実は直径:15mm ほどのキイチゴのような集合実で、6~7月に朱色(黄色味に寄った赤色)に熟します。

 葉は桜のものに似ていますが、2~3片に分かれ桑の葉に似るものもあるようです。因みに投稿画像の葉は同一株の物です。何れも冬季には落葉します。

 樹皮が和紙の原料となるで有名なコウゾはヒメコウゾとカジノキのハイブリットですが、ヒメコウゾとは異なり雌雄異株です。

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ハチジョウイチゴ

2021年05月13日 | 植物
学名: Rubus ribisoideus
 
 
 
 バラ科の低木で1.5mほどに成長し、花期は2~4月で下向きに開花し黄色い実をつけます。八丈島ではキイチゴをアビと呼びますが、ハチジョウイチゴは下向きについた黄色い実を電球に見立てて“デンキアビ”と呼ばれています。

 八丈島で確認できるキイチゴ属は、カジイチゴ,ハチジョウクサイチゴフユチチゴ,ナワシロイチゴなどがあり、ハチジョウイチゴも前者と同属となります。これは私の個人的な思い込みでキイチゴの「属」は、もう少し細分化されているのではないかと思っていたのですが、キイチゴ属で一括りとなっていたのがちょっと意外でした。

 八丈島では個人的に確認できていないのですが、似たようなキイチゴにモミジイチゴ,リュウキュウイチゴ,ヤクシマキイチゴなどがあり、何れも下向きに開花し黄色い実をつけます。
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メジロホオズキ

2021年04月17日 | 植物
学名: Lycianthes biflora
 
【右側:下向きに開花,左側:結実した青い実が上を向き始めている】
 
【上向きについている初期の蕾(青矢印)と赤く熟した実】
 
【ジグザグに成長する枝】
 
 草丈:90cmほどに成長するようで、花期は5~10月と少し長めのようです。小さな蕾が上向きにつくのですが、徐々に下向きになって開花します。結実した後は逆に徐々に上向になって赤く熟します(熟した実の直径は10mm弱)。また、枝の形状も変わっており、葉の基部から交互に折れ曲がりジグザグに成長していきます。

 何故このような無駄とも思えるようなエネルギーを消費しなければならないのでしょう。花(花粉)を雨などから守るために下向きに開花し、上向きに実を熟させて鳥などに種子を運んでもらうためなのでしょうか? 何処にでも自生しているような普通の野草に見えるのですが、調べてみると何とも変わった不思議な植物です。
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モンパノキ

2019年09月10日 | 植物
学名: Heliotropium foertherianum
 
 
 
 日本では西南諸島や小笠原諸島の砂礫地や砂浜に自生する普通種ですが、八丈島ではこの個体以外には確認したことがなく、かなり珍しい樹木になるかも知れません。恐らくは南西諸島から種子が黒潮に乗って遥々八丈島の海岸に漂着したのかも知れません。

 沖縄地方では葉の搾り汁を食あたり時に服用する民間薬として利用されていたり、塩害に強いため防風林としても利用されているそうです。

 夏に白く小さな花を沢山咲かせていましたが、八丈島の気候が合わなかったのでしょうか? 残念ながらこの個体は2年程で枯死してしまいました。これからは温暖化の影響で、こういった植物の生息域も変化していくのかも知れません。いや、もう既にそれは進行しているかも知れませんよ。異常気象で降雨量,降雪量,最高気温,最大瞬間風速等で観測史上“初”というニュースを毎日のように聞くようになった昨今、あと10年もすると八丈島の海岸沿いはアダンとモンパノキの森と化して、その森の中を大きなヤシガニが徘徊し、海は海岸全域が珊瑚礁に覆われメーター・オーバーのロウニンアジがベイト・フィッシュを追いかけ回していたり、スーパー台風が日本列島に襲い鰍ゥることもしばしば。この劇的変化に驚いた観光客が「大丈夫なのか?」と八丈島の島民に問うと、島民曰く「なんくるないさ~、ガハハハハ!」。方言までもが…。
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イワタイゲキ

2019年06月05日 | 植物
学名: Euphorbia jolkinii
 
 
 八丈島では、海岸沿いの他の植物よりも海に近い栄養分の乏しいと思われる岩場に自生しているのをよく見かけます。春に黄色い花の様な苞葉(実際の花は苞葉先端部の小さなもの)をつけます。

 今年の春は日よって寒暖差があった影響でしょうか? それとも毎年そうなのかは定かではありませんが、梅雨入りの時期となった今、花期も終盤となり葉は紅葉し落葉も始まっています。温暖な気候のため秋に紅葉を見られない八丈島で、季節外れの小さな紅葉が海岸沿いで見頃を迎えています。

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ヤセウツボ

2019年05月07日 | 植物
学名: Orobanche minor
 
 
 もう花の時期が終わりを迎えようとしているようです。南ヨーロッパ原産で、マメ科の植物に全寄生(全栄養源を寄宿に頼る)する植物です。そのため葉は進化の過程で退化していまい、茎にシソのような小さな花を沢山咲かせます。

 地球上で植物だけが手に入れた機能 “光合成”。未だ人類も人工的に再現できない機能です。それを自ら捨て去り全寄生という道を選択。進化とは本当に不思議なものですね。
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花舞台

2011年02月18日 | 植物
学名: Veronica persica
 
 
 花弁のステージ上で めしべ をマイクに おしべ 2人がデュエットしているように見えたので、“花舞台”というタイトルにしてみました。

 この花は早春に道端などで、淡青色の小さな花を咲かせる オオイヌノフグリ です。明治初期からの帰化植物でヨーロッパ原産。近縁種の イヌノフグリ と呼ばれる植物の実が、犬のそれに似ていることからこの和名となったようですが、オオイヌノフグリ の実はあまり似ていません。他には タチイヌノフグリ(八丈島にも自生しています)と呼ばれる植物もあり、このよに安易に変な和名を付けてしまうと、それから飛び火して次々にとなってしまうこともあるということです。綺麗な花を咲かせるんですけどね…。残念です。
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ナンバンギセル

2010年09月26日 | 植物
学名: Aeginetia indica
 
 
 草丈は10~20cmほどに成長し花期は7~9月頃、分布域は広く日本全土で見られるようです。ススキなどのイネ科やカヤツリグサ科、ショウガ科などの植物の根や幹に寄生し宿主から養分を得るため、地中にある茎に小さな葉を有するものの葉緑素を持たずに光合成を行わないとのことです。葉があるということは、もともと寄生はせず光合成を行っており、寄生という生き方を選択したが故に光合成を行わなくなったということなのでしょうか? 和名の由来は南蛮人が使用していた煙管から、万葉集では“思草”で登場するとのこと。不思議な進化をした植物です。

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