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モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

ヨコバイ科の仲間

2025年04月27日 | 昆虫

学名:Cicadellidae sp.

 体長:5mmほどで八丈島ではよく見かける昆虫です。体地色は薄緑色で翅は白みを帯びた半透明をしており、複眼は黄色で複眼内前側に黒色の斑点があります。後脚だけが長くほぼ等間隔に棘状の突起があるためバッタのようにも見えますが、植物の液汁を吸うため吻が針状(水色矢印部分)でセミに近い種類だそうです。歩行の際はカニの横這いのように移動するため、この和名となったようです。

 

 単眼らしきものが確認できないことから“ヒメヨコバイ亜科の仲間 Typhlocybinae sp.”と同定しようとしましたが、複眼前部に黄色の斑点(黄色矢印部分)が確認でき、それが単眼である可能性を否定しきれないため、その上位タクサである“ヨコバイ科の仲間”としました。

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アカギカメムシ

2025年01月10日 | 昆虫

学名:Cantao ocellatus

 体長:20mmほどで冬期の寒い日に確認したためか活発には動かずに、ゆっくりと狭い隙間へと入って行きました。越冬の場所を探していたのかも知れません。

 カラーフォームは触角,脚,頭部及び腹部の一部がタマムシのような金属的な光沢で綺麗です。この個体は背面が浅黄色をしていますが赤色から白色と変異があり、黒色の斑点も薄いものから濃いものと変異があるようです。

 亜社会性も確認されており、卵は食葉の葉裏に産みつけられ、雌が卵から二齢虫となって移動するまで守り続けるそうです。

 

 複眼と複眼の間よりやや後方に二つの単眼(赤色矢印)も確認できました。

 因みにこのカメムシはカメムシ特有の臭気を出さないとのことです。

 


 

追記:カラーバリエーションと腹部のカラーフォームです。

 

 

 necydalis_majorさんのブログ こんちゅう探偵団 では「鋭い棘のある個体や、棘の無い個体がいる」との記述があったので、私も改めて確認したところ肉眼では分かり辛いものの、鋭い棘(青色矢印)のある個体を確認できました!

 また、同ブログでは「実際に触って、ほんのりと淡い香りを確認」という記述もあったので、触ってみたところ「淡い香り」を確認できました。

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ヒメアリ

2024年10月16日 | 昆虫

学名:Monomorium intrudens

 体長:1.5mmで体色は腹部が暗褐色、他は黄褐色をしており体全体に艶があります。体と腹部をつなぐ接続部は細く二つのこぶ状になっており、他のヒメアリ属にもこの特徴がみられるようです。

 極小サイズのアリであったため肉眼では全く分かりませんでしたが、たまたまキツネノマゴの花を撮影した際に映り込んでいました。

 

 キツネノマゴの花も小さく、花弁は下唇と小さな上唇に分かれており、その付根部分に蜜がるあるようです。上唇の下側には雌しべと雄しべがあり(赤色矢印)、蝶や蜂の仲間が蜜を吸う際に受粉される仕組みとなっているようです。ヒメアリも蜜を求めて上唇と下唇の間に潜り込むため(水色矢印はヒメアリの腹部)、体に花粉を付け受粉に一役買っているのかも知れません。

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ツノトンボ

2021年08月15日 | 昆虫
学名: Hybris subjacens
 
【成虫♂の背面側】
 
【成虫♂の側面側】
 
【成虫♀の背面側】
 
【成虫♀の側面側】
 
【幼虫の背面側】
 
【幼虫の腹面側】
 
【幼虫の個眼?】
 
 夏になると羽化した成虫を時々見かけるようになります。体長は30㎜ ほどでトンボのような姿をしていますが、体長と同じぐらいの長い触覚を有しているのが特徴です。雄は尾の先端部分にトンボの付属器のような突起が2本あり、尾の部分が赤銅色を帯ています。雌は尾の先端部に付属器らしきものはなく、尾の部分が淡い黄色味を帯ています。

 幼虫はアリジゴクに酷似しており大きな顎をしています。特徴的なのは眼で、小さな個眼のようなものが複数ついています。成虫は完全な複眼なので、成虫になる過程で複数の個眼が密になり複眼を構成するのかな? まるで個眼から複眼への進化の過程を見せているような不思議な昆虫です。
 

 

 
追記:夏も本番となった夕方に畑に水撒きをしていると、以前から気になっていたミツバの茎に産みつけられた卵塊上に黒い塊を確認しました。指で突いてみると2mmほどの黒ゴマのようなものが地面へと次々に落下していく。肉眼ではよくわからなかったのでコンデジで撮影して確認してみると、俵型の卵から孵化したばかりのツノトンボの幼虫でした。
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ケラ

2020年11月21日 | 昆虫
学名: Gryllotalpa orientalis
 
 
【地面直下を移動した跡】
 
 体長は30mmほどで前脚が土を掘るのに特化した形に進化しており、これはモグラの前足と同様でこれも収斂進化の一例です。食性は雑食性で代謝量が多いため飢餓に極めて弱いそうです。湿った土を好み餌を探して地面直下を移動した痕跡をよく見かけます。

 背中には短い前翅と大きく発達した後翅を有しているため飛翔することも可能です。また、体には短毛が密集してるため水を弾いて、水面をミズスマシのように泳いで移動します。この体毛は地中生活でも汚れを付き難くするという効果もあるようです。

 “地上を移動できる+地中に潜って移動できる+飛翔して移動できる+泳いで移動できる=環境適応能力の高い生物”といえるようにも思えますが、誠に残念ながら飢餓に弱いという最大の弱点がそれを台無しにしてしまっているといえなくもないですね。

 ちょこまかと動き回る仕草が愛くるしく、ずっと観察していても飽きないですよ。
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セグロアシナガバチ

2020年04月28日 | 昆虫
学名: Polistes jokahamae
 
【巣作りをしているところ】
 
【芋虫を肉団子にしているところ】
 
 体長は25 ㎜ ほどで、元々八丈島には生息していなかった外来種となる昆虫です。冬に姿を消してテントウムシのように雨風の当たらない物陰に集団を形成し身を寄せ合って越冬しているようですが、それ以外の季節は活発に活動しています。

 掲載した画像は畑の唐辛子の枝で一生懸命に巣作りをしているところです。畑のソラマメやディルなどの葉の生い茂った見えにくいところにも巣を作るので、驚かして攻撃されないように注意が必要なのですが、このような場合はハチが近くにいるのに気付かないことが多いので、何れ刺されて痛い思いをすることになるでしょうね。アナフィラキシーショックにならないことを祈るのみです。このように攻撃される可能性があるため害虫扱いされる反面、畑にいる芋虫などの害虫を退治してくれる益虫でもあるのです。捕獲した芋虫などを葉の上などで、強力な顎を使い嚙砕いて肉団子状にし巣へ運びます。

 女王バチや働きバチのような階層があるものを人間社会になぞらえて社会性昆虫と呼び、その中でも特定の階層のみしか繁殖を行わないものを“真社会性昆虫”と呼ぶそうです。現在では昆虫だけではなく、甲殻類や哺乳類などの一部でも真社会性が確認されているものがあるそうです。

 真の社会ですか、これこそが目指すべき社会システムなのか? 人間社会のように悪知恵を働かせた汚職や詐欺なんてもんはないだろうし、経済活動最優先ってことも…。
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オオツチハンミョウ

2020年03月06日 | 昆虫
学名: Meloe proscarabaeus
 
 
 ディープ・ブルーの金属的な光沢で体長は20 ㎜ ほど。大きな腹部で背中には退化した?小さな翅が付いています。そのためか飛翔できないようで、春に畑などで歩行して移動しているのをよく見かけます。

 外敵に襲われると脚の関節からカンタリジンを含んだ体液を分泌するそうです。カンタリジンは皮膚に触れると水膨れになることがあるそうなので注意が必要です。

 雌は地中に沢山の卵を産卵し孵化した成体に似てアリのような体形をした幼虫は花の中に潜り込み、そこへ運よくやって来るハナバチの仲間の雌に乗り移れれば巣まで運ばれて行くそうです。巣の中で幼虫は蜜や花粉、ハチの卵を食べ成長し、一旦、蛹のような体形に変態し、これを“擬蛹(ぎよう)”というそうです。それから芋虫のような幼虫に変態(これが幼虫本来の姿であり、それ以前は蜂の巣に移動するためのものなのかも知れません)。その芋虫のような幼虫は真の蛹へ変態し成虫となるようです。このように多くの変態過程を経ることを“過変態”というそうです。また、殆どの時間を巣の中で過ごし成虫になっても広範に移動しないため、飛翔する必要がなくなり翅が退化したのかも知れません。何れにしろ変わった生態をした昆虫のようです。
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ハチジョウネブトクワガタ

2019年08月04日 | 昆虫
学名: Aegus laevicollis fujitai
 
 
 体長:20mm 程で自宅の庭で初確認した ハチジョウネブトクワガタ の雄で、ネブトクワガタの八丈島固有亜種です。庭で確認できるクワガタは確認回数が多い順に、チビクワガタ(マメクワガタの可能性があるが素人には同定が困難)、ハチジョウコクワガタ、ハチジョウノコギリクワガタ。今回、確認した個体で4種目となりました。

 特徴は大顎の基部が太く(和名の由来)前羽に太い縦筋が入ります。ネブトクワガタの幼虫は通常、シロアリの活動によって生じた栄養分が豊富な腐植土中に生息しそれを餌にしているとのことですが、ハチジョウネブトクワガタの幼虫はしばしば土中で確認されることもあるようです。このように幼虫はシロアリ依存度が高いようですが、成虫は樹液などを餌としており他のクワガタムシと変わらないようです。また、この種は九州や沖縄の南の離島を中心に固有亜種が確認されています。
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不思議なもの

2019年07月12日 | 昆虫
【背中側】
 
【腹部側】
 
【腹部側拡大】
 
 林道を散策中に20mm ほどの大きさの羽毛の様な不思議なものを拾いました。鳥の羽毛かとも思ったのですが形状が立体的(球状)であることから可能性は低いと思い、更に細部を目視で確認した結果、表と裏があるようなので花の可能性あると判断。頭上を確認したのですがそれらしきものを確認できず。自宅に持ち帰り再度デジカメで撮影してPC画面で拡大確認してみると、表と裏だと思っていたものは背中側と腹部側だったようです。腹部側には脚らしきもの(青矢印)があり、どうも毛虫の様な昆虫の抜殻だったようです。多分…。
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トラカミキリ

2010年07月19日 | 昆虫
学名: Xylotrechus chinensis
 
 
 
 畑のクワノキにいました。体長は20mm ほどで黄色と黒のトラ模様、スズメバチかと思ったのですがハチ特有の透明の翅がない。不思議な虫だと観察していると、産卵管らしきものを樹皮の隙間などにさしている。どうやらクワノキに産卵に来たようです。もう1本のクワノキも確認してみると数個体が産卵している。今まで全く気付きませんでした。梅雨が明けたから産卵をはじめたのでしょうか? ネットで調べてトラカミキリであることを確認、トラフカミキリとも呼ばれているようです。

 どうやったら、このようなスズメバチそっくりの模様に進化するのだろうか? ウィルスによって、被擬態虫などの一部のDNAに書き換えられるという説もあるようです。その結果、スズメバチに似た模様となり、天敵から襲われなくなって生き残ることができたのか? 自然界にはまだまだ不思議がいっぱいです。夏になり山奥では様々な昆虫を確認できるかもしれません。ちょっと楽しみ!
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