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モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

エダウミウシ属の仲間

2025年04月22日 | ウミウシ

学名:Kaloplocamus sp.

 

 体長:12mmの個体でした。シロスジヒオドシウミウシかと思い一旦この個体の上を通過したのですが、気になったので戻ってコンデジで撮影するとエダウミウシ?

 体地色は白みを帯びた半透明で黄色、褐色、白色の細点で覆われているようです。触角は中心部に褐色の細線が入り先端分が白色をしており、その基部には小さな眼も確認できます。外套膜周辺部には樹枝状突起があるのが確認できます。また、白みを帯びた二次鰓(水色矢印部分)も確認できます。

 上記の特徴から “エダウミウシ属の仲間” と同定しましたが、エダウミウシ(Kaloplocamus albopunctatus)のカラー・バリエーションの一つなのかも知れません。

 


 

 追記:もしかするとこのウミウシ、エダウミウシのカラー・バリエーションなどではなく、Kaloplocamus japonicus(種小名が  “japonicus” となっていますが、和名はまだないようです。)の可能性が出てきました。

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フチドリミドリガイ

2025年04月05日 | ウミウシ

学名:Elysia tomentosa

 

 体長:20mmの個体です。体地色は緑色で白色からやや褐色がかった白色部分も散在しています。体表は多数の極細突起で覆われており、頭部後方の背側には白色で真円に近いドーム状をした心嚢(赤色矢印)が確認できます。

 投稿画像は上下共に同一個体ですが、角度を変えて見ると頭部側面が青灰色に見えるのも不思議です。

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シラヒメウミウシ

2025年03月11日 | ウミウシ

学名:Goniobranchus sinensis

 

 体長:7mmの個体でした。体色は白色で触角と二次鰓が赤紫色、外套膜の縁が外側から白色の細線・赤色・黄色の順に縁どられ、白線を境に外套膜の下側も黄色で縁どられています。この個体は外套膜を縁どっている赤色の発色が悪いようなので、もしかすると外套膜下側も黄色一色だけではなく赤色も加わって、白色細線を中心にして線対称の配色となっているのかも知れません。

 この個体はハスイロウミウシ Goniobranchus fabulus にも似ていますが、触角と二次鰓の縁が白色でないためシラヒメウミウシと同定しました。

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ハクトウミノウミウシ

2025年02月20日 | ウミウシ

学名:Tenellia nakapila

 体長:11mmの個体です。体側と背側は紅藤色、触角と口触手がアンバーオレンジで先端部の極小域が透明、触角の中間域に白帯がある。背側突起は白色で7群あるとされている。頭部前面の白色部分がハクトウミノウミウシという和名の所為となっているようです。

 

 体長:8mmの個体です。体色は発色が良く、背側突起も7群確認できます。

 

 体長:7mmの個体です。体色が薄く、背側突起が5~6群しか確認できません。欠損しているか突然変異なのかも知れません。

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キホシミガキブドウガイ

2025年01月25日 | ウミウシ

学名:Lamprohaminoea sp.

 

 殻高:10mmほど、軟体部が半透明で白や紫がかった部分を有していますが、紫の色彩を欠く個体もいるようです。また、多数の黄色の斑紋があるのも特徴的です。軟体部が半透明の緑色がかった個体もいるようですが、八丈島で個人的にまだ確認したことがありません。投稿画像の3段目の個体が、薄っすらと緑がかっているような気がしないでもないです。

 2~3年前に浅い水深で時々確認できていたのですが、最近では見かけなくなってしまいました。

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ユウグレミノウミウシ

2024年06月19日 | ウミウシ

学名:Trinchesia sp.

 

 投稿画像の個体は体長:3mmでしたが、5mm前後まで成長するようです。春から夏にかけて、比較的浅い水深のアオモグサ?上を移動しているところをよく見かけます。

 体色は半透明がかった白色をしており、頭部の短い黄身色の線が目立ちます。背側突起は基部から濃紺、青灰色、白色(投稿画像の個体は白色が目立ちません)、黄身色、先端部は透明がかった白色をしています。また、背側突起の濃紺部から白色部まで小さな白い星がちりばめられています。

 このウミウシ、肉眼では分かり辛いですが、背側突起内に星空を閉じ込めているようで綺麗です。

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アデヤカミノウミウシ

2023年09月01日 | ウミウシ

学名:Coryphellina exoptata

 

 投稿画像の個体は体長:13mmですが30mmほどまで成長するそうです。体地色は透明感のある朱鷺色、触角はオレンジ色、口触手と背側突起は中間部が赤紫色をしており、それから先端かけてが淡く緑がかった白色をしています。八丈島では冬期にやや減少するものの、それ以外は普通に確認できるウミウシです。

 このカラー・フォームから和名に“艶やか”が付けられたのではないかと思われますが、特出するのはやはり背側突起と口触手の先端部の色です。それらが日中でも仄暗い岩壁などで、ゆらゆらと揺らめく様は妖火の光輝に見えて目立ちます。

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テンセンウロコウミウシ

2022年09月14日 | ウミウシ

学名:Cyerce bourbonica

 

 

 

【擬態?している個体】

 

【若齢個体】

 

【ヒメイチョウと若齢個体】

 

 年間を通りして確認でき体長は10mmほどに成長し、背側突起は薄い花弁状で触角が二股状になっているのが特徴です。成長するにつれ頭部から触角にかけての黒褐色の模様は徐々に薄れていき、背側突起外縁部の紫色の模様も灰青色に変化していくようです。たしか背側突起縁上にある黄色の点線状模様が和名の由来だったような気がするのですが、記憶が曖昧になってしまい定かではありません。

 短い海藻に覆われた岩場や砂交じりの岩場で、触角を隠し背側突起だけを見せてじっとしていることが多く、背側突起に見覚えがあれば確認するのは容易かも知れませんが、知らなければ見過ごしてしまい、ウミウシであると認識することが困難なことより擬態行動と思われます。イソギンチャク或いはソフトコーラルのようなものに擬態しているのではないかと思われます…たぶん。

 10m以浅の砂交じりの岩場に生育するヒメイチョウを餌としそれへの依存度が高ためか、同ウミウシも同じ浅い水深で確認されることが多い。ヒメイチョウが抜殻のように透明になっていることがあり、このウミウシに体内の葉緑体を吸われてしまった結果のようで、海藻を食べるというよりは吸っているという方が適正な言い方かも知れません。このような摂餌方法は他の草食系ウミウシでも確認でき、透明になった海藻を見かけたら周辺を注意深く確認するとウミウシを見つけることが多々あります。

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ヒダウミウシ上科の仲間

2022年08月18日 | ウミウシ

学名:Fionoidea sp.

 

 

【背側突起拡大】

 

 体長:3mmの初めて確認するウミウシでした。体地色は透明感のある白色で、触角と口触手に黄褐色の色輪があり、背側突起にも先端部と基部に同色の斑紋が対になってあるようです。

 触角と口触手のカラーフォームがコマユミノウミウシのものに酷似しますが、背側突起が異なります。また、背側突起のカラーフォームはホノアカミノウミウシのものに似ますが、触角が異なります。ゴシキミノウミウシ属(Trinchesia)かユビワミノウミウシ属(Abronica)の仲間辺りではないかと思われますが、ガイドブックやネットで同一カラーフォームのものを確認できなかったため属や科すら特定できず、“ヒダウミウシ上科の仲間(Fionoidea sp.)”と同定しました。

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タマノミドリガイ

2022年07月17日 | ウミウシ

学名:Berthelinia limax

 

【側面】

 

【背面】

 

【軟体部を貝殻内に格納した個体の上に若齢個体】

 

 殻長:8mmほど。殻頂部に極小の渦巻状突起(巻貝の原殻/上段画像の水色矢印部)があり、同科(ユリヤガイ科)のユリヤガイと比較すると貝殻に厚みがなく薄いのが特徴です。また、頭楯目の巻貝を背負ったウミウシは軟体部を貝殻内に全て格納できないのものが多いのに対し、このウミウシは軟体部を全て貝殻内に格納して身を守ることができます(下段画像)。

 このウミウシは大きい個体の貝殻上に小さな個体を乗せているところを、しばしば確認することがあります(下段画像の赤矢印)。このようなことは同科のユリヤガイやゼブラユリヤガイでは確認できませんが、同じ上科(ナギサノツユ上科)であるヒメタマブドウギヌでも確認できます。

 イワヅタ類に着生し以前はイワヅタが繁茂する春から初夏にかけてワラワラと湧いて出てくるように沢山生息していましたが、近年は海水温上昇の影響か?そのイワヅタが激減し生息個体数も激減しています。人為起源の二酸化炭素排出で大量の二酸化炭素が海に吸収されて、海の酸性化が進んでいるそうです。貝殻を有する生物には、住み辛い環境となってしまっているのも激減の一要因だったりして…。

 1999年に発売された小野篤司さん著のウミウシガイドブックで、このウミウシを観て「二枚貝のウミウシがいるの!!」と衝撃を受けました。同ガイドブックは他にも不思議なウミウシが沢山掲載されており、私がウミウシにのめり込むきっかけにとなったガイドブックです。また、ウミウシ毎に生息環境も記載されていたので、八丈島でウミウシを探すのに参考にさせてもらいました。

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