学名:Phyllidia larryi
和名はまだないようです。投稿画像(上側下側共に同一個体)の個体は体長:5mmでした。八丈島でも時々確認できますが体長:5mm前後のものが多く、大型ものが多いタテヒダイボウミウシ属の中でも小型種となるようです。
体地色は白色で外套膜の縁の部分から中心部へ向けて、黄色から褐色の短い帯が複数本(帯の色と本数には個体差がある)入ります。
学名:Phyllidia larryi
和名はまだないようです。投稿画像(上側下側共に同一個体)の個体は体長:5mmでした。八丈島でも時々確認できますが体長:5mm前後のものが多く、大型ものが多いタテヒダイボウミウシ属の中でも小型種となるようです。
体地色は白色で外套膜の縁の部分から中心部へ向けて、黄色から褐色の短い帯が複数本(帯の色と本数には個体差がある)入ります。
学名:Volvatella viridis
殻高:10mmほどで貝殻の色は緑色で軟体部は白色をしています。触角は三角形で“触角状突起”(黄色矢印)と呼ばれています。イワヅタ類に着生し同海藻への依存度はかなり高いようです。
殻頂部には噴出管(赤色矢印)という穴が開いており、刺激を与えると白色の液体を噴出します(水色矢印)。
2020年に異常な海水温の上昇で大量の珊瑚が白化しました。今年は死んだ珊瑚の上に以前のようにとまではいかないものの、イワヅタ類などの海藻が繁茂しつつあり、イワヅタ類への依存度が高いウミウシ達に出会える機会が多いのではないと期待しています。
学名:Kaloplocamus sp.
体長:12mmの個体でした。シロスジヒオドシウミウシかと思い一旦この個体の上を通過したのですが、気になったので戻ってコンデジで撮影するとエダウミウシ?
体地色は白みを帯びた半透明で黄色、褐色、白色の細点で覆われているようです。触角は中心部に褐色の細線が入り先端分が白色をしており、その基部には小さな眼も確認できます。外套膜周辺部には樹枝状突起があるのが確認できます。また、白みを帯びた二次鰓(水色矢印部分)も確認できます。
上記の特徴から “エダウミウシ属の仲間” と同定しましたが、エダウミウシ(Kaloplocamus albopunctatus)のカラー・バリエーションの一つなのかも知れません。
追記:もしかするとこのウミウシ、エダウミウシのカラー・バリエーションなどではなく、Kaloplocamus japonicus(種小名が “japonicus” となっていますが、和名はまだないようです。)の可能性が出てきました。
学名:Elysia tomentosa
体長:20mmの個体です。体地色は緑色で白色からやや褐色がかった白色部分も散在しています。体表は多数の極細突起で覆われており、頭部後方の背側には白色で真円に近いドーム状をした心嚢(赤色矢印)が確認できます。
投稿画像は上下共に同一個体ですが、角度を変えて見ると頭部側面が青灰色に見えるのも不思議です。
学名:Goniobranchus sinensis
体長:7mmの個体でした。体色は白色で触角と二次鰓が赤紫色、外套膜の縁が外側から白色の細線・赤色・黄色の順に縁どられ、白線を境に外套膜の下側も黄色で縁どられています。この個体は外套膜を縁どっている赤色の発色が悪いようなので、もしかすると外套膜下側も黄色一色だけではなく赤色も加わって、白色細線を中心にして線対称の配色となっているのかも知れません。
この個体はハスイロウミウシ Goniobranchus fabulus にも似ていますが、触角と二次鰓の縁が白色でないためシラヒメウミウシと同定しました。
学名:Tenellia nakapila
体長:11mmの個体です。体側と背側は紅藤色、触角と口触手がアンバーオレンジで先端部の極小域が透明、触角の中間域に白帯がある。背側突起は白色で7群あるとされている。頭部前面の白色部分がハクトウミノウミウシという和名の所為となっているようです。
体長:8mmの個体です。体色は発色が良く、背側突起も7群確認できます。
体長:7mmの個体です。体色が薄く、背側突起が5~6群しか確認できません。欠損しているか突然変異なのかも知れません。
学名:Lamprohaminoea sp.
殻高:10mmほど、軟体部が半透明で白や紫がかった部分を有していますが、紫の色彩を欠く個体もいるようです。また、多数の黄色の斑紋があるのも特徴的です。軟体部が半透明の緑色がかった個体もいるようですが、八丈島で個人的にまだ確認したことがありません。投稿画像の3段目の個体が、薄っすらと緑がかっているような気がしないでもないです。
2~3年前に浅い水深で時々確認できていたのですが、最近では見かけなくなってしまいました。
学名:Trinchesia sp.
投稿画像の個体は体長:3mmでしたが、5mm前後まで成長するようです。春から夏にかけて、比較的浅い水深のアオモグサ?上を移動しているところをよく見かけます。
体色は半透明がかった白色をしており、頭部の短い黄身色の線が目立ちます。背側突起は基部から濃紺、青灰色、白色(投稿画像の個体は白色が目立ちません)、黄身色、先端部は透明がかった白色をしています。また、背側突起の濃紺部から白色部まで小さな白い星がちりばめられています。
このウミウシ、肉眼では分かり辛いですが、背側突起内に星空を閉じ込めているようで綺麗です。
学名:Coryphellina exoptata
投稿画像の個体は体長:13mmですが30mmほどまで成長するそうです。体地色は透明感のある朱鷺色、触角はオレンジ色、口触手と背側突起は中間部が赤紫色をしており、それから先端かけてが淡く緑がかった白色をしています。八丈島では冬期にやや減少するものの、それ以外は普通に確認できるウミウシです。
このカラー・フォームから和名に“艶やか”が付けられたのではないかと思われますが、特出するのはやはり背側突起と口触手の先端部の色です。それらが日中でも仄暗い岩壁などで、ゆらゆらと揺らめく様は妖火の光輝に見えて目立ちます。
学名:Cyerce bourbonica
【擬態?している個体】
【若齢個体】
【ヒメイチョウと若齢個体】
年間を通りして確認でき体長は10mmほどに成長し、背側突起は薄い花弁状で触角が二股状になっているのが特徴です。成長するにつれ頭部から触角にかけての黒褐色の模様は徐々に薄れていき、背側突起外縁部の紫色の模様も灰青色に変化していくようです。たしか背側突起縁上にある黄色の点線状模様が和名の由来だったような気がするのですが、記憶が曖昧になってしまい定かではありません。
短い海藻に覆われた岩場や砂交じりの岩場で、触角を隠し背側突起だけを見せてじっとしていることが多く、背側突起に見覚えがあれば確認するのは容易かも知れませんが、知らなければ見過ごしてしまい、ウミウシであると認識することが困難なことより擬態行動と思われます。イソギンチャク或いはソフトコーラルのようなものに擬態しているのではないかと思われます…たぶん。
10m以浅の砂交じりの岩場に生育するヒメイチョウを餌としそれへの依存度が高ためか、同ウミウシも同じ浅い水深で確認されることが多い。ヒメイチョウが抜殻のように透明になっていることがあり、このウミウシに体内の葉緑体を吸われてしまった結果のようで、海藻を食べるというよりは吸っているという方が適正な言い方かも知れません。このような摂餌方法は他の草食系ウミウシでも確認でき、透明になった海藻を見かけたら周辺を注意深く確認するとウミウシを見つけることが多々あります。