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タロット占い師アポロの goo ブログ。

フランケンウィニー

2016-10-17 03:59:28 | エンタメ
BDで映画「フランケンウィニー」を観ました。とてもよかった。いや、まったく予期していなかった素晴らしい感動をいただきました。

白黒のストップモーション・アニメです。2012年に公開されたそうですから、もう4年も前の映画ですね。その当時でも既にフルCGのアニメは珍しくはなかったとは思いますが……。

ストップモーション・アニメというのはミニチュアの人形などを使って作るアニメです。人形劇とかではなくて、パラパラ漫画みたいにちょっとずつ動かして作るアニメね。「手作り」なんです。

一見するとピクサーなんかが作るCGアニメかと思ってしまうような映像ですが、CGではなくてほとんど実写です。

ツタヤの棚で見かけても白黒ということもあってなんとなく避けていました。テーマからして古典の「フランケンシュタイン」っぽいホラーがベースなんでしょ?という先入観もありました。白黒で気持ち悪いホラーなんか観たくないよ……って感じでした。

子供なんかはカラーそのものに魅力を感じるわけで、白黒ってだけで逃げ出してしまうでしょう。私もそういうところがあります。

でも何となく手にとって、暇つぶしに観てやろうというくらいの気持ちで借りてきたのです。

ところが実際に観てみたら想像もしていなかった感動がありました。不思議です。

ストーリーは元ネタのフランケンシュタイン同様で特に目新しいものではありません。途中のドタバタは面白かったですけどね。

白黒で、しかもカクカクしてぎこちなく不自然な(不気味さを醸し出してさえいる)動きなのに、なぜか映像にどんどん引き込まれていきます。美しい映像。かわいいキャラクターたち。なんでこんなに魅力的なんだろうと不思議でしかたありませんでした。

理屈はよくわかりませんが、その秘密はストップモーション・アニメにあったのかもしれません。

ミニチュアのセットや人形のすべてがこの世界に存在する実物で作られているのです。それらの物体に光を当てれば影ができます。そんな当たり前の自然現象に、人知(つまりCG)の及ばぬ神の領域すら感じてしまうのかもしれません。

あるいは手作りの温もりにほっと心安らぐような感覚でしょうか。この感覚はCGのアニメにはありません。

今やCGアニメの技術は飛躍的に向上して実写かと見まごうほどのクオリティに達していますが、CGの技術がどんなに進歩しても及ばぬ映像がそこにありました。

まさにCGには「とうてい越えられない壁」があるのです。

色を抜いて白黒にして手加減してやってもまだ追いつけない。
(白黒にしたのはただのレトロ趣味ではなく、意図的なものだということは何となくわかってきました。)

後世に残すべき芸術作品とも言える素晴らしい映画です。「鑑賞」という言葉はこのような映画にこそふさわしい言葉です。

これに比べたらCGアニメなんてプラスチックで量産された おもちゃ にすぎません。CGアニメの映画は決して鑑賞などと呼べるレベルの物ではなく、単に「視聴」しているだけです。いわば消耗品です。

フランケンウィニー」という作品はこの映画自体に命を感じることができる映像です。

皮肉なことに物語のテーマは死んだ動物たちの蘇生ですが、そうやって生き返らせた動物たちには命はありません。それでも、映像に命を吹き込んだ製作者の意図は計り知れません。

死者を生き返らせるなんて神への冒涜でもあります。道徳的には良くないことだというのは誰でも知っていることでしょう。そして、これはネタバレになりますが、ラストシーンでは死んだ人造犬が再び生き返ってしまいます。

ハッピーエンド風ではありますが、非道徳的でもあります。

死を受け入れるということはとても大切なことです。そういう体験に乏しい子供たちに観せるのは不適切な映画と言わざるを得ません。

最後には「死んだペットは生き返らない」という現実を思い知らされて終わるのが正しいと考えるのが大人の考え方です。映画を観終わったときには私もそう思いました。

死んだペットが成仏できずにあの世へ行けず、この世を苦しみながらさまよい続けることを意味しているわけですからね。こんな終わり方でよいわけがありません。

死者は成仏してこそ本来の「ハッピーエンド」と言えます。

でも、そうじゃないのかもしれないとも思うのです。「子供向けに作ったから」という安易な解釈はすべきではないでしょう。これはむしろ大人向けのメッセージなのです。

その答えは、私がこの映画を観て感じた感動の理由にあるのかもしれません。

きっと、人を感動させる「モノ造り」には本物の命が吹き込まれるのですよ。だから、この終わり方でよかったのです。

カラフルで美しいCGアニメに対するアンチテーゼでもあります。

常識的な考え方にとらわれてしまっている大人たちにこそ観て……いや、ぜひ鑑賞してほしい映画です。

「未知との遭遇」を観ました

2016-08-24 04:05:37 | エンタメ
映画「未知との遭遇」のBDを観ました。

先日観た「宇宙人ポール」の元ネタの一つということで興味を持ったんだけど、そういう意味でも知名度の高い名作であることは誰もが知ってるとは思う。

あまりに有名すぎて私自身も自覚してなかったんだけど、実は初見だったんだよね。今まで一度も観たことがなかったわけ。それに気づいたのはBDを再生してしばらくしてからというくらい。

もちろんストーリーも何も知らず、予備知識もほとんどない状態での視聴。適当なイメージで、UFOがやってきて宇宙人とファーストコンタクトするんでしょ?くらいな認識でした。

誰もが知ってる名作なんだからよっぽどすごいんだろうなと思って観ていたんだけど、事前にハードルを上げすぎたせいか、期待を裏切るあまりにもひどい内容に途中で飽きてきてしまうほどでした。

素直な感想としては、イラつくし、退屈だし、わけがわからない。当時の人たちならともかく、様々な知識や情報を取り込んだ現代人の大人になった私ですら納得できない駄作だと思ってしまいました。

もしこんな映画を子供のころに観ていたらトラウマになってしまうんじゃないかとすら感じました。あるいはおかしなUFO教信者にでもなりかねない。免疫ができた今の私だからそんな悪影響も受けず無事に視聴できたともいえる。

SFチックな映像は当時の人たちの目には鮮烈に映ったと思うし、今観ても綺麗だとは思う。でも、それだけなんだよね。何もかもが「釈然としない」感じなの。

いったい、何をもってこれを名作と評価すればいいのかわからない。

当時の時代を考慮して、「時代を切り開いた新しい作品だ」と言えば名作と言ってもいいのかもしれないけどね。

当時はともかく……それしか言いようがないんだけど……今でもこの作品のファンだという人たちは、何がいいと感じているのか知りたい。

少なくとも、私には一度観ただけでは良さは理解しきれなかった。教養として観ておくべき映画の一つではあるのだろうけど……。

BDには3パターンの本編が収録されていて、今回観たのは「オリジナル劇場版」。他に「特別編」と「ファイナル・カット版」というのがあるので、返却までに他の2つも観てみようかと思う。

「宇宙人ポール」を観ました

2016-08-17 17:51:50 | エンタメ
BDで「宇宙人ポール」を観ました。だいぶ前にYouTubeかどっかで予告編を観て面白そうだったのでそのうち暇なときに観ようと思っていたのです。ツタヤでBDを見つけて、観るなら今かななんて思ったわけです。BDを観ることができるになったらいろいろ観たいと思ってたのよ。これもその一つ。

ありがちな宇宙人ネタを最新CGで焼き直したお安いコメディ映画かななんて思ってましたが、それだけではないなかなか観応えのある面白い映画でした。

基本は過去のいろんなSF映画のパロディなんだろうけどね、ストーリーはしっかりしてて良かった。

最後のあの人が出てくるところなんかは観てない人には言えないネタバレになるんだけど、SF映画好きな人が過去の作品をいろいろ観た後にこの映画を観ればベストの状態で楽しめるかもね。特に「エイリアン」は必須ね。そういう意味での予備知識はあった方がいいけど、この映画自体は予備知識なしに何も考えずに観た方がいい。私も予告編で少し観た以外は何も知らずに観たからよかった。

もっとも、そんなサプライズはこの映画のキモではないと思うけどね。

だいたいね、ネタバレしたら観る気失せるような映画は駄目よ。ネタバレしてストーリーを知ってて観ても楽しめる映画こそ本当にいい映画だと思うね。これはそんな映画だと思う。

深すぎて鬱になるような話ではなく、軽いノリで観られる楽しい映画です。面白かった。

「スーパーマンIII/電子の要塞」を観ました

2016-08-17 02:54:49 | エンタメ
「ダイ・ハード4.0」の記事を書いているときに思い出した昔の映画、「スーパーマンIII/電子の要塞」ですが、ツタヤで探してみたらなんと BD のビデオがあるではありませんか! まさか、こんなに古い作品の BD が出ているとは思いませんでした。さっそく借りてきて観ました。

昔の作品でもわざわざBDで出すということは映像とか音声の品質はそれなりの仕上がりなんだろうなと多少は期待していましたが、そんな期待を裏切らない十分に満足のいく内容でした。

子供のころにテレビのロードショーとかで観たのが最後だと思うのですが、その割には多くのシーンが記憶に残っていて、BDを観ながら懐かしい思いに浸ることができました。BDだから特別にすごいという印象はありませんが、おそらくは当時の映画館で観ることができた映像そのままの品質が再現できていたのではないでしょうか。

内容的には昔の映画だから古臭いのは仕方ないよねとは思ったのですが、BDを観終わってからネットで検索して世間の評価とかを見てみると、公開当時(33年前)ですらあまり評判は良くなかったようですね。ネットで情報が広まった今でもこの映画を高く評価する人は少ないようです。評論家気取りの目線で観れば駄作にしか見えないのかもしれません。

でも私は好きでしたよ。子供のころに観た印象しかありませんでしたが、今になって改めて観てみてもそんなに悪いとは思いませんでした。けっこう笑えるし、最後まで楽しく観ることができました。

私にとってのスーパーマンは今も昔もずっとクリストファー・リーヴです。スーパーマンとはこういうものだとずっと思っていました。彼が出ていればそれだけで十分満足してしまうのかもしれません。

内容は思っていた以上に「ダイ・ハード4.0」とよく似ていました。当時はまだコンピューターが一般人にはほとんど浸透していなかった時代に、現代の「ダイ・ハード4.0」で行われたファイヤーセールというサイバーテロとほぼ同じ犯罪を行っていました。交通網を麻痺させるシーンなどは「ダイ・ハード4.0」」でオマージュとして描かれたのではと思うほどそっくりでした。

スーパーマンはアメリカの代表的なヒーローですが、ダイ・ハードのテーマもまた「ヒーロー(英雄)」でしたからね。架空とリアルの違いですね。

世間的にはスーパーマンの作品の中では黒歴史的な扱いを受けているらしい「電子の要塞」ですが、今観ても十分に楽しめるいい作品だと思いますよ。

ダイ・ハード4.0を観ました

2016-08-17 02:13:20 | エンタメ
BD(Blu-ray Disc)で「ダイ・ハード4.0」を観ました。BDで映画を観るのはこれが初めてでした。

とりあえず「ダイ・ハード4.0」の感想を書こうと思って記事を書いていたら映画の内容とは関係ない話で長文になってしまったので、その記事はメインのブログ(アポロ漫録)の方に投稿しました。こちらには自分用のメモとして簡単に記事を書いておきます。最近は物忘れが激しくて、どの映画を観たか忘れてしまうこともあるんですよね。特にシリーズ物は何作目まで観たかとか忘れてしまって、ツタヤとかで借りる時に困ることもあります。

このダイ・ハードシリーズも最後に観たのはかなり昔なので何作目まで観たかよく覚えてませんでしたが、とりあえず「4.0」とかいう変わった番号が付いた本作は観てないことは確かだろうと思って借りてきました。

公開されたのが2007年ということらしいので9年も前の作品ですね。「4.0」とかいういかにもな番号の付け方で今風を気取っていますが、もはや一昔前の作品と言うべきでしょうか。

コンピューターを使った大規模な犯罪をテーマにした物語です。十年近く前の映画とはいえ、今でも違和感なく観ることができます。当時との違いはスマホがまだ普及していなかったということくらいでしょうね。そう考えると、スマホはすっかり世の中を変えてしまいましたね。そのスマホも最近はARという技術(ポケモンGOとか)でさらに新しい時代へ向かおうとしています。10年後はどうなっているか誰にも予想できないでしょう。

コンピューターに馴染めないオッサンというキャラクターは当時だから成り立ったのか、それともどんなに時代が進んでも変わることのない永遠のテーマなのか? 少なくともテクノロジーの進歩に適応できない世代というのはどの時代にも存在するのでしょうね。そして、そういう世代間のギャップみたいなものが映画のネタとしていつまでも取り上げられ続けるのかもしれません。

だってね、10年前のこの映画がそうであるように、20年前にも、30年前にもそういうテーマを扱った作品は存在したわけですからね。

例えば、アポロ漫録でも話題にした「スーパーマンIII/電子の要塞」は33年前の映画。「ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!」は27年前の映画ですよ。おそらくは、もっと昔の映画にも似たようなテーマの作品はあるかもしれません。(「Video Killed the Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)」は1979年の曲だそうで……)

そして、10年後、20年後にも同じようなテーマの作品は作られるづけるのでしょうね。

結局、そうやって古い世代は最後の抵抗の後にいつの間にか消え去り、新しい時代が当たり前のように受け入れられてゆくわけです。

一応感想を書いておくと、初めてのBDとして「ダイ・ハード4.0」を選んだのは大正解でした。迫力もストーリーも最高の素晴らしいエンターテインメントでした。こういう映画は映画館で観るべきものだとは思いますが、新しく購入した Full HD のワイドモニターとBDというソフトのおかげで十分満足できる大迫力を味わうことができました。

今後は DVD ではなく、ほとんどが BD で映画を観ることになると思います。……あ! これもまた一つの技術の進歩とリンクしてましたね。DVD が出てくる前は VHS のビデオを借りて観ていましたね。

「ホーリー・マウンテン」を観ました

2016-07-23 01:01:19 | エンタメ
しょこたんが溜池Nowっていう番組で「ホーリー・マウンテン」という映画を紹介していて、なんとなくツタヤでレンタルしていたような覚えがあって気になっていました。でも、現在は絶版とかで入手困難だとか言っていたので、まさかツタヤに置いてあるわけないよなと思ったのですが、ツタヤに行って確かめてみると普通に置いてありました。どうやら最近になってデジタルリマスター版が出ていたみたいです。

私が生まれたのとほぼ同じ1973年制作のかなり古い映画です。ツタヤで見かけたときは某宗教団体が好きそうな胡散臭そうなカルト映画だと感じて手が出なかったのですが、しょこたんが好きだっていうくらいなんだから試しに観てみようかと思って借りてきました。

観始めると、最初はなんとなく予想していた通り意味不明な映像が続き、正直退屈ではありました。退屈すぎて、一人で観ているのに「つまらん」と口に出して独り言を連発してしまうほどでした。

奇抜な表現は多用されているものの、表現が多様化した現代人の目から見ればどうということはなく、古臭さは否めません。芸術性という点でもいまいち中途半端な感じです。当時はモダンだったのかもしれませんけどね。

やっぱり某宗教団体が布教のために作ったような胡散臭い映画と同じレベルにしか見えませんでした。

多少なりともオカルトの知識がある人が見れば、それなりの情報は詰め込まれているので面白いと思えるところもあるかもしれませんが、その知識も表面的になめている程度に過ぎず、だから何だとしか思えません。

例えば、ほぼ最初のシーンでいきなりタロットカードの「0 愚者」が映り込みます。一瞬何気なく映る程度なので、それに意味があると気付ける人はほとんどいないでしょうが、実は重要な意味があったりします。それ以外にタロットカードはほとんど出てきませんが、タロットの四つのシンボル、棒、カップ、剣、ペンタクルスが露骨に出てきたりします。あまりにもわかりやすすぎる表現でした。

本編ではなく、特典映像としてタロットカードの大アルカナ22枚すべての解説が収録されています。これは非常にわかりやすくてよい特典でした。

占星学も冥王星を含む形で表現されていて、当時としては画期的だったかもしれませんね。その冥王星も今や惑星から除外されてしまいましたが。

物語は映像から何となく何をしたいのか、どんなメッセージを伝えたいのか理解はできるのですが、最近でも若手の作家がウケを狙って作るような深みのない表現が続きます。とにかく「浅い」のです。

それでもこれを高く評価する人もいるからには、何か救いがあるんじゃないかと思って我慢して最後まで見続けたのですが、ほとんど最後まで満足できるような映像はありませんでした。こんな馬鹿気た映画を人に勧めるような人は頭がどうかしているとしか思えませんでした。とにかく「つまらない」のです。

多分、意味が分からなすぎるので、その意味不明なところが「なんかすごい」と錯覚してしまうのかもしれません。もしかしたらそれが映画を作った人の狙いだったのかもしれませんが……。

しょこたんは自分の親に勧められて観たと言っていました。しかも、何度も繰り返し観たと言っていたので、そんなにすごいのかと期待してしまったのです。期待が大きかっただけに、余計につまらなく感じてしまったのですね。

こんな馬鹿げた映画を子供に勧める親も正気の沙汰ではないとしか言いようがありません。少なくとも、映像のセンスは最悪だと思います。こんなものを子供のころに観たら感性がくるってしまいますよ。

とにかく「ひどい」としか言いようのない映画ですが、実は私はそれでも最低というような評価にはしません。最後の最後で、ちょっと面白いどんでん返しがあります。ある意味禁じ手ともいうあることが行われ、「ああそうか」と、ちょっとヤラレタ感じもしましたが、だからこその「ばかばかしい映像表現」だったのかと、ちょっとだけ納得できてしまいました。

作っている方も確信犯的にひどい映像を作っていたわけで、そんなものを「素晴らしい」などと食いついて知ったかぶりで高く評価する方がおかしいのです。むしろ「ひどい」という感想を抱いたのは正常な評価だったわけです。

その最後の「あれ」があったからこその救いだったのですが、それがなければ本当にひどい映画としか言いようがない。で、それが最後のほんのワンシーンで終わる。うーん……ですよ。ウーン……。結局、「騙された」って感じで納得できなかったりして、そこまでの1時間半余りの無駄な時間を返してくれとも言いたくなる。

そうね、「騙された!」というだけの話で、結局ひどいものはひどい。詐欺にあったようなものです。こんな映画は観る価値なしです。人にはとても勧められません。それは間違いありません。

でもね、話のネタに一度は観てもいいかもね。いや、「観るべき!」ですよ。馬鹿にするのでも何でも、観た人とじゃなきゃ語りようがありませんから。そして、一度観れば十分。何度も観るようなものじゃありません。

占いが好きだとかいうようなオカルトを志す者としては教養の一つとして観ておくべき映画だとは思います。こんなものを観るより本を一冊読んだ方がよっぽどましですけどね。

面白い映画ですよ。実は、嫌いじゃないです。ひどいからこそ、意味があるのかもしれません。その意味は、ぜひ自分の目で確かめてもらえればと思います。

13日の金曜日 Part V

2016-07-06 16:51:58 | エンタメ
暇つぶしに「13日の金曜日 Part V」を観た。

パート4まではずいぶん前に観ていた。その続きということになる。

過去4回ともすべてワンパターンで、ジェイソンがなぜだかただただ人を殺していくというだけの単純明快な古典的ホラー映画だった。どうせ今回もそうだろうと思っていたら、過去作以上にシンプルでむしろ意外だった。ひねりも何もない、素晴らしく潔い作りの作品だった。

いや、それがこのシリーズの魅力なんだろうなぁ。

人を殺していくという最低最悪のテーマ。それだけを考えたらとても観る価値なんてないとしか思えないのに、でもなぜか、不思議な安心感がある。

理屈で語るべきではない単なるB級ホラーに過ぎないのかもしれないけど、その単純さなのかな? むしろ健全とすら言ってもいいくらいの不思議な魅力だ。

今どきの映画はどれもこれも「ひねり」が効きすぎていて、観ていて疲れるものが多い。すべてのシーンに何らかの意味を考えなければならないような、ホラーとは別の意味の強迫観念にとらわれてしまう「えげつない映画」ばかりのような気がする。

「13日の金曜日」の残酷描写は今ではとても無理だと思えるほどのグロさがあるが、現代の映画の心理的残酷さや不気味さに比べるとまだましなような気がする。現代の映画はどれもこれもあまりにも病的だと感じる。

健全な残酷さの枠の中に納まる範囲で描き続けていたのが「13日の金曜日」だったのかもしれない。

酔拳

2016-05-23 18:44:01 | エンタメ
図書館で借りてきた DVD「酔拳」を観ました。ジャッキーチェンが主演の映画「DRUNKEN MASTER」です。

1978年製作の香港映画です。小学生くらいの頃にテレビでやっていたのを観たような記憶もありますが、内容はほとんど覚えていませんでした。

古い映画だし、どうせ内容もたいしたことなかったんだろうなとは思いましたが、今になって改めて観てみると思っていた以上に完成度の高い素晴らしい映画でした。

この DVD は日本語吹き替えが入っておらず、英語と台湾語か何かが入っているだけでした。しかも中国語を選択しているのになぜか途中で英語に変わったりして、吹き替えはめちゃくちゃでした。日本語の字幕を見ているので、なんとなく雰囲気が分かれば問題はありませんでしたけどね。

昔から石丸博也さんのヒロイックな吹き替えが大好きだったのですけどね。それが聴けなかったのはちょっと残念。

ストーリーはシンプルであってないようなものでしたが、何がすごいかというと圧倒的なカンフーのアクションです。とにかくアクションを見ているだけで楽しい!

特にジャッキーの動きは美しく、酔拳の演武のような動きは芸術的で観ているだけで感動します。オリンピックのフィギュアスケートとかの演技を見ているような感覚でしょうかね。

若いころのジャッキーは、まるでジャニーズの木村拓哉でも見ているようで、めちゃめちゃイケメンでしたね。それが裸で踊りまくるわけですから、若い女性が今この映画を見ても十分に楽しめてしまうかもしれません。

手足を動かすときのボッボッという過剰な効果音がちょっと邪魔に感じましたが、映像はとても素晴らしいものでした。この芸術性は子供のころとは全く違って感じられたかもしれません。

あと、周囲の自然の風景もいい感じです。背景もじっくりと観てほしいですね。

何度でも観れる素晴らしい映画だと思います。

映画「嵐が丘」を観ました

2016-03-10 21:31:01 | エンタメ
私がまだ小学生か中学生の頃(30年くらい前)だったと思いますが、「嵐が丘」という小説を読んだことがあります。昔のことなので細かいことまでは覚えていませんが、とても深く印象に残る話だったと思います。もっとも、まだ子供だった私には難しすぎたはずですが……。

ふと、今になってなぜだか、その「嵐が丘」の映画を観たくなりました。ツタヤで DVD を探しても見つからないので、ネットで配信されている動画はないかと探してみたところ、YouTube で見つけました。

嵐が丘(字幕版)(1992年 イギリス)

有料の映画で 300 円でレンタルできます。レンタルでは 30 日間は視聴することができて、視聴を開始したら 48 時間で期間が終了します。

先ほど少し時間に余裕ができたので、レンタルしてすぐに視聴を開始しました。

ヒイスクリフとキャサリンの恋の物語。

映像で見るのは初めてでしたが、とても懐かしい思いがこみ上げてきました。私の記憶の中のイメージ通りの映像がそこにありました。

そして、今の私にはあまりにも辛すぎました。

キャサリンは彼女であり、ヒイスクリフは私でした。

なぜ、今観てしまったのか。観なければならなかったのか?

私にとってのキャサリンの亡霊がそうさせたとしか思えません。

観終わると、涙があふれてきて止まりませんでした。

それ以上は、今の私には何も語れません。とても、言葉にはできません。


嵐が丘(字幕版)

マイ・フェア・レディ

2015-12-31 21:00:16 | エンタメ
映画「マイ・フェア・レディ」のDVDを観ました。
オードリー・ヘプバーンが主演のミュージカルです。
3時間近くもある長編ですがとても楽しく鑑賞できました。

昔の映画なのですが、カラーでとても色が綺麗でした。
少しも古臭さを感じさせません。
近年の映画だと言っても疑わずに信じてしまいそうです。

最初に出てきた花売り娘がオードリーだとは気づきませんでした。
あまりに老けていて、みすぼらしく下品な姿なのでてっきりわき役かと思ってしまいました。
よーく見ても「いや違うでしょ?」って思ってしまうほどで、長編だしもう少し後になって出てくるんだろうと思って待っていてもいつまでたってもオードリーは出てきません。
その下品な花売り娘がオードリーだったんですね。

この手のシンデレラストーリー的な映画などでは、はじめはみすぼらしくても後で綺麗になるなんて話はよくあるのですが、たいていは最初から綺麗だったりするんですよね。
みすぼらしさを演じきれていない女優さんがほとんどです。
最初から綺麗なことに違和感を感じつつも、まあ映画だからそんなものかと思って観るわけですが、「マイ・フェア・レディ」では嘘偽りなく最初からみすぼらしいのです。
本当に下品な娘にしか見えません。
「ローマの休日」で観たオードリーのイメージがあったのでなおのことひどく感じました。
この思い切った演出は素晴らしいと思います。

オードリー演じるイライザは発声練習やなんかをしてゆくうちにだんだんと綺麗になってゆきます。
なかなかきれいにならないのでこっちも冷や冷やして観ているのですが、競馬のシーンでついに化けます。
外見だけは綺麗なオードリーで出てきます。
その時はまだしゃべりはいまいちだったりするんですけどね。

そして舞踏会でついに完成し、女王様扱いを受けるほどの美人になります。

イライザを訓練したヒギンズ教授は得意げでしたが、自分の手柄をほめてもらえなかったイライザは拗ねて家出してしまいます。
そこでやっとヒギンズ教授は自分が恋をしていたことに気づきます。

ヒギンズ教授はイライザが居なくなった部屋で、蓄音機に残された彼女の声の録音を聴きます。
そこへ彼女が戻ってきて……最後のシーンはそんな感じで終わります。

3時間のすべての時間がその最後の数分のシーンのためにあるかのようでした。
The End の文字を見たとたんに涙があふれてきました。

全体的には楽しい雰囲気のミュージカルで気持ちも明るくなります。
一年の締めくくり、大晦日に観る映画としてふさわしいものだったと思います。

イライザは蓄音機の声には心がこもってないみたいなことを言っていました(後でもう一度観返したらそのセリフはヒギンズ教授のものでした)が、それでも、大切な人の声や映像は残しておくべきです。
マイ・フェア・レディが戻ってくるとは限らないのですから……。