徒然鯖日記

【青空・未来】管理人eriyによる「無人惑星サヴァイヴ」狂いな呟きと日常生活。
最近は歌い手アンダーバーさん狂い。

ルナの日記。

2011年01月13日 04時02分40秒 | 思いつき小説(二次小説)
嗚呼~~~!自動バックアップ機能が上手く働かなくて半分消去されたぁ~~~!!・・・・・ま、それは置いておいて。

副題付けようと思ったのですが、すぐ何の話かわかっちゃうのでやめました

今話題の「アレ」で~す!このニュース見て、すぐにルナのこと思い出したアナタ立派な鯖マニアよ



それではルナさん、ど~ぞ~





                   

                    

                    

                    





太陽系標準歴1月13日:標準時間03:04 (ルナ)



昨日、TVで太陽系のニュースを見ていたら、とっても心が温かくなる話があったの。
私、嬉しくなっちゃって、その夜、部屋に帰ってきたカオルに早速こんな話をしたわ。



「ねぇ、カオル。『タイガーマスク』って知ってる?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」



・・・・・・・・思った通りの反応だったけど。

そしたらソファに座ってフルーツジュースを飲んでいたチャコが思わぬ反応をした。



「はん?ルナ、あんた何でそんなマニアなアニメのこと知ってんねん。それってあれやろ?旧・地球時代の、しかも超~~~ちっちゃな島国、日本が生んだスポ根アニメ・・・・・」

「えぇ?すぽこんって何?・・・・って、どうしてチャコが知ってるの?」

「ウチのデータは旧・地球の紀元前から揃っとるわ!」

「きげんぜん??」



あ、横でカオルが「ちっちゃな島国で悪かったな。」とかぼやいてるけど。

そっか、日本って彼の一族の出身地だったんだわ。

そんなカオルが急に腕組みして考え込みだした。



「・・・・・・それってアニメだったのか?そういえば、昔、うちのじいさんが好きだったプロレスラーだった気がするが・・・・・・・・」

「ああ、おったらしいな覆面レスラーが。せやけど、原作マンガの方が断然前やで?アニメのヒットで同名のレスラーが登場したんや。」

「そうだったのか。」



え?何?覆面レスラー?また勝手に2人で盛り上がって!



「せやけど、あんたの爺さんも物好きやな~?プロレスは野蛮とか言われて公式には禁止されたやろ?まさか年に一回どこかのコロニーで行われてたという『闇レスリング』のファンやったとか?」

「さぁ、そこまでは知らないが。父親が爺さんの持ち物を整理した時、そのタイガーマスク何世だったかの写真を大量に発見した、という話だけ聞いた。」
「ほぉ~~~??マニアやな!まぁ、聞こえはええで~?タイガーマスクは正義の味方やから、な~?」



「・・・・・・・・・・2人とも、話終わった?」



博学のカオルは、データの塊であるコンピューターのチャコと対等に話ができる。・・・・・ってことはとっくに知ってたけど!!

話を振ったのは私なんだから!!



「・・・・・・・で?その『タイガーマスク』が何だって?」

「せやせや、ルナ。その『タイガーマスク』がどないしたんや?」



・・・・・・2人とも今更そんな笑顔で取り繕ったって遅いわよ!

まぁ、いいけど。



「タイガーマスクって伊達直人さんっていうんですって。」

「・・・・・・?それが??」

「伊達さんは孤児院出身のプロレスラーなのよね?有名になっても自分を育ててくれた孤児院に寄付をし続けるのよ。それって、とってもいい話よね?」

「・・・・・・・そうだな。それが?」



・・・・・・興味なさそう。だって、もはや背を向けてコーヒー淹れようとしてるもの。

つまりニュースを知らないんだわ。

当然か、今シフトから帰ってきたばかりなんだし、一日のニュースは寝る前にチェックするのが日課ですものね。



「あのね、今日のニュースで言ってたの。火星の児童養護施設にね?『伊達直人』の名前で子供たちに玩具のプレゼントがあったんですって。」

「・・・・・・・・・・・火星?」



さすが我が旦那様。これだけでピンときたみたい。

そう。火星といえば、私、ルナの出身地。そして。



孤児になってしまったのもこの地・・・・・・・・・・・。



カオルは空のコーヒーカップを持ったまま、こっちに少し申し訳なさそうな表情を向けてきた。

そして、一呼吸置いてから。



「もしかして・・・・・・・・お前がいた施設か?」

「正解~~~~!!だから他人事と思えなくって!嬉しいじゃない?」

「・・・・・・・・・・・・・。」



やっぱり。

そういう顔、すると思ったから、わざと明るく言ったのに~!

相変わらず、あなたは心配性ね?カオル。



「ニュースでも言ってたわ?『タイガーマスク』ってあまりに昔のキャラクター過ぎるし、しかも、メッセージに残されていたのは『伊達直人』だけ。一見、誰も気づかなかったかもしれない、控えめで粋な計らいだったって。いいわよね?そういうの。・・・・・・見返りを求めない、純粋で温かな心が今でも残ってるって素敵なことだわ。」

「そうだな・・・・・・・・・・・。」



ねぇ、その正義の味方って、いったいどんな人かしら?

『善意の寄付』って、簡単なようだけど中々きっかけがなければ出来ないこと。

もしかして、施設にいる子供たちの関係者?

たまたま関わった近所の人?

それとも・・・・・・・・・・。



もしかしたら。・・・・・・・・・施設出身の、今では幸せな生活を送っている人物・・・・・・・。



「・・・・・・・それで?お前は何を贈ってやるつもりなんだ?」

「えへへ~~~!」



やっぱりさすが旦那様!私の考えることはわかっちゃうのよね?

そう!施設出身の今では幸せな私が、その昔、同じように寂しさに泣いていた子供たちに出来ることは。



「最近、シャアラが子供向けに出版した、『無人惑星サヴァイヴ』3D絵本なんてどうかしら~~!!」



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」



え?ええ??

どうして2人とも微妙~~~な顔してる訳~~~~??



やがてカオルが呆れたような顔して。



「・・・・・・送り主の署名は『伊達直人』にするのか?」

「そうよっ!世の流行に倣わなくちゃ!!」

「忘れているようだが、お前は『奇跡の生還劇』の一員として有名人なんだが。それに孤児だって事実も知られている。そんな中、シャアラの本が寄付されたら誰もがお前のことを思い浮かべると思うが?」

「せやなぁ~??世の『伊達直人』はみんなルナだったんかぁ~!とかなっちゃうわなぁ~~?」

「ええ~~?嘘ぉ!そんなわけないじゃないっ!」



・・・・・・・・とはいえ、確かに考えが浅はかだったかしら?

なら。



「え、えっとぉ・・・・・・シャアラの絵本のほかにももちろん色々贈るわよ?『赤ずきんちゃん』に『3匹のこぶた』『ヘンゼルとグレーテル』!他にも『シンデレラ』とか『白雪姫』とか・・・・・・」

「なるほど、童話、か。」

「そう。施設って備品も寄付で賄っていたから。私のいた施設も絵本少なくてつまらなかったなぁ?・・・・・・子供たちはね?絵本を読んで色々想像して育つんだから。将来、きっと自分はこうなるんだ、とか、きっとこんな世界が待ってるんだ、とかね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」



カオルはこんな私をやっぱり微妙な表情で見返してくる。

そんな私の子供時代を知っているチャコもやっぱり微妙な目で見上げてくるけど。



そうね、チャコ。

確かに私の人生は楽しいものばかりじゃなかった。

いっぱい泣いたし、いっぱい辛い思いもしたけれど。

でもね?私は子供たちに教えてあげたい。

例え、未来に素敵な世界が待っていなくても、理想の自分になりえなくても。



人生、悪いことばかりじゃない。笑っていればきっと楽しいこともやってくる。

いつかは素敵な人とめぐり合って、いつかは幸せになれる。

だから、今は・・・・・・・。



「・・・・・・・・だから今は、ね?毎日が楽しくなくても、辛くても、こんな小さなことで嬉しそうに笑ってくれたらいいなぁ、って・・・・・・・そう思うわ。私が贈った絵本で、どこかの誰かが贈った玩具で・・・・・・・」



私の言葉に、チャコもしみじみと。



「せやなぁ。ルナのその想いが全宇宙に広がって、各地の寂しい子供たちにも善意の寄付が寄せられるとええなぁ。」

「うん・・・・・・・・・・・・・。」





・・・・・・・その昔。



自分みたいな孤児はこの宇宙中にいっぱいいるだろうに、その中でもきっと自分だけは特別なんだ、という想いが消えなかった。



特別な自分は、いつか、必ず幸せになれるんだ、と。誰かが助けに来てくれるから。
・・・・・・・・そう信じて。



なのに、世の幸せいっぱいに生きている人たちは、こんな自分たちをまるで見えていないかのように知らないふりをする。

不幸な人間がいることを知っているはずなのに、自分たちは関係ない、とそう言う。



だから、私はいつも願っていたの。空を見ながら思っていたの。



『神様、私を見てください。私は、ここにいる。』



いつか、誰かが。



優しく手を差し伸べてくれるのなら。



いつか、誰かが。



・・・・・・・・・・私を、見つけてくれるのなら。





「・・・・・・一時的な、流行じゃないといいなぁ・・・・・・・」



これも、願い。



ごめんね、私も知らないふりをしていた一人ね?

だって、今がとてもとても幸せすぎて。

今、この瞬間にだって、『昔の私』がいるに違いないのに。

そんな私だって、いつの間にか忘れかけていた想い。



だけど、忘れてないよ、『昔の私』・・・・・・・・・・・・・。



「・・・・・・小さな願いでも、集まれば、大きなものになるだろう?」



その時、カオルがふと思い出したようにそう言ったの。

首をかしげた私を見て、嬉しそうに笑った。



「お前の話を聞いて思い出した。昼間、レイが『タイガーマスク運動開始だ!』とか、確かに叫んでた気がする。何のことだか聞きそびれたから忘れていたが・・・・・・」

「運動?・・・・・・・・そっか!!」



小さな願い・・・・・・例え、玩具一個でも本一冊でも同じ志を持つ人たちで、善意の輪を広げていけば大きな願いとなって続けていけるのかもしれない。

こんなきっかけがなければ動けなかった人たちも、みんなが手を差し伸べてくれるのかもしれない。



昔の私のように、手を合わせて祈り続けている子供たちにも。

こう言ってあげられる。



『あなたは、一人じゃないのよ。』





カオルも、「そういうことなら俺も協力できるだろう。」と言って明日、レイ君や艦長さんにも話して公式に運動を広げる準備をしてくれることになった。

私ももちろん出来るだけのことはするつもり。

シャアラやメノリだって賛同してくれると思うし、ハワードだってこういう話には弱いしね?



こうして大人になった私は、私を育ててくれた、この世界にお返しをする。

未来を担っていく子供たちに、感謝する心を伝えていく。





寂しかった孤児の私はもういない。





「ルナ、絵本は3D中心の電子書籍にするのか?それとも紙の本?」

「ああ、そうね~?半々にしようかしら!昔ながらの『ポップアップ絵本』だって大人気なんだから!」



私は旦那様にそう明るく返しながら、実は目尻にこみ上げてきたものを必死にこらえていたわ。

だって、急に今、この時が愛しくてたまらなくなったの。

幸せって、こういうことなんだなぁって。

今はあなたという家族がいる。それがとても幸せ。

だから、一人ぼっちになってしまった宇宙中の子供たちへエールを贈るわ!!



『未来を信じて頑張れ~~~!!!!』





END

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eriy


皆さんのご想像通り?『日本全国のタイガーマスク現象』考察でございました。

ホント、一過性のものじゃないといいですねぇ。実際、児童福祉施設への予算や寄付は年々減り続けているそうですから・・・・・。



それでも、どこぞのどなたかの「伊達直人」アイデア勝利です!ここまでメディアで有名にならなければ広がらなかった輪でしょうね。これまで普通~に実名挙げて寄付をしてた方もいるでしょうけど、新聞載っても数行だよな。伊達さん!アンタが大将(=大賞)だ!!



こんな不景気な世の中でも、子供たちの未来を応援してくれる大人がこんなに大勢してくれた事実にただただ感激です。









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