徒然鯖日記

【青空・未来】管理人eriyによる「無人惑星サヴァイヴ」狂いな呟きと日常生活。
最近は歌い手アンダーバーさん狂い。

カオルの日記。

2012年12月25日 00時20分44秒 | 思いつき小説(二次小説)

 

約束はちゃんと守ります。ですが、二週間も空いてゴメンなさい。お待ちかねのカオルの日記、後編。

間が空きすぎて前回の話なんて覚えてねぇ~よ!とツッコまれた方、こちらからおサライを。
  クリック! 「カオルの日記。」

 

ちなみに注釈つけますと、この日記シリーズは、ブログアップ時の日時とキャラが日記書いた日時がシンクロしてるのが特徴なんですが、今回ばかりは実は、前回の日記の翌日の日時になります・・・・・翌日にアップできなかったんですね、ハイ、スミマセン。
過去に戻っちゃってますが、その辺、サラリと流してくださいネ。

 

                                    

                                           

                                     

 

                                    

 

                                    

 

太陽系標準歴12月11日:標準時間18:32 (カオル)

 

 

そして、今日、ついさっきソファでうたた寝をしていたら不思議な夢を見たので、ここに残しておく。

今日は元々、シフトオフの日だったのだが、副長の急用で代打勤務だった。

しかし、午後になって用事が済んだとかでこれまた急にお役御免になり部屋へ帰されたのだが。(どうやら離婚訴訟中の奥さんと何か揉めたらしい。用事が済んだということは解決したのか?・・・・・聞けないが。)

 

こんなことは滅多にないし、夕方帰宅するルナとペットの為に夕食でも用意しようかと、ショッピングエリアで買い物までして帰ってきたのに。

 

・・・・・・・何故か、一息つこうとソファに座った途端、記憶がない。

 

夢の始めとして覚えているのは・・・・・・・・・『これが夢、だとわかっている感覚』。

 

まるで雲の上にいるような、霧の中にいるような、体も何やら浮いているような、水の中にでもいるような・・・・・・・奇妙な浮遊感、と。

必死に奥へ目を凝らしても、空間が歪んで見えるような・・・・・・・奇妙な視野感覚。

そんな中で、唯一はっきりと認識できたのが、つい今まで座っていたはずの、見慣れた我が家のソファだったから。

身体は勝手に動いて、目の前のソファに腰を下ろす。

 

・・・・・・・・・・これは、夢。

夢は、これまでの体験や経験から生み出された偶像と妄想の産物。

何が出てもおかしくないし、珍しくもない・・・・・・・・・・。

 

『こんにちは。』

 

「彼女」は本当に唐突に目の前に現れた。

驚いて顔を上げると、そこには見覚えのない少女が一人、立っていた。

柔らかそうな茶色の髪に薄いブルーの大きな瞳・・・・・・。

 

『君は・・・・・・・・?』

 

「彼女」はフワリ、と嬉しそうに笑った。

その笑顔に見覚えがある気がして、しばし言葉をつぐんでいると、先にその子が喋りだした。

 

『もぉ~~~~~~う・・・・・・・・、嬉しいぃ~~~~~!!!!!』

『え?』

『だってぇ~~~!!・・・・・・・・・・・う~~~~ん。』

 

いきなりハイスピードで接近してきて、極間近に顔面を凝視されたから身を引く隙も一瞬遅れて。

見知らぬ人間にあまりに理解不能の行動をされて、例え相手が子供でも腹が立って口を開きかけたら、またもや。

 

『キャア~~~~!!!もう、感動ぉ~~~~!!!思った通り、めちゃくちゃイケメンじゃな~~い!!やっぱね~?絶対そうだと思ったのよっ!!私の勘に狂いはなかった!!』

『!?!?』

『カオル様って、写真に写るの嫌いだったって本当ですかぁ~~?確かに大昔だけど、若い頃の画像記録ってほとんどないしぃ~~、「奇跡の生還劇」付近の頃は結構あるけど、あれはまだ子供だしね!』

 

!?・・・・・・・・・名を知られてる!「奇跡の生還劇」のことまで・・・・・・・!

しかし、このミーハーなノリは??

 

『いったいお前は何者だ!』

『イヤァ~~ン!!「お前」だって!「何者」だってぇ!!シビレルゥ~~~~!!』

『・・・・・・・・・・・・・・おい。』

『一族きってのクソ真面目、って本当だったのねぇ~。こ~んなにキュートなのに、もったいないなぁ~~?カオル様。パイロットじゃなくて、アイドルとかモデルとかやってれば良かったのにぃ~~』

 

・・・・・・・・・キュート・・・・・・・・・?

アイドルって・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・一族・・・・・・・・・・・・?

 

『ウフフ・・・・・・・驚いた?カオル様。』

 

意味深な瞳で見返してくる少女。

どんなに記憶を総動員しても思い出せない。

こんな少女には過去に会ったことがないはずだ。

でも、何故だろう。

 

懐かしい気分になる・・・・・・・・・。

 

『いい加減・・・・・・・君が誰なのか教えてくれないか。』

 

ようやく少し落ち着いて、「彼女」を見た。

歳のころは11歳か12歳くらいか。

フワフワした茶色の髪は背中までなびいていて。

肌が白く、手足が長い。

光を蓄えたような不思議な色の服は見たことはないのだが。

やはり。

この笑顔には見覚えがある・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

『私が誰か、知りたい?カオル様。』

 

待てよ・・・・・何故、彼女は俺に「様」を付ける?

将来的には知らないが、今はそんなに偉くもないし。

そんな呼び方をされる覚えがある場所と言えば・・・・・・・。

 

『あのね、あなたは最後まで「カオル様」って呼ばれるの、嫌がってたって。・・・・・・フフ、でもそれって昔からお硬かったからなのね。全く全然気づいてないんだから。自分がどんなにスゴイ人だったかってこと。』

 

仕方ない、とは思っていても、本当は今でもそう呼ばれるのは好きじゃない。

自分の凄さなど自分ではわからないし、実際にそんなに凄くないだろうし。

俺の中で、唯一、そう呼ばれるべき人間は一人だけ、だ。

 

『ああ、わかってるわよ?当然、ルナ様もセットよね?』

 

ルナのことも知ってる・・・・・・・・・?

 

『私の時代になると、二人とも伝説なのよ。私、ずぅ~~~っと、二人に会うのが夢だったんだぁ~!あ、でも、課題じゃ「一人だけ」って決まりなの。なら、やっぱ、「伝説のイケメン」の方に会いたいもんねぇ~!!』

『全く・・・・・・・・話が見えないんだが・・・・・・・・・』

『私が誰か教えてもいいけどぉ。信じるかなぁ。信じないわよね。だから・・・・・・・』

 

「彼女」がふいに背筋を伸ばして両の腕を空高く上げた。

そして、大きく深呼吸をする。

その途端・・・・・・・・・!

 

目を疑った。

「彼女」の肌がみるみるうちに青く変わっていったからだ。

その茶色の髪さえも、濃い藍に変色されていく。

そして、最後に見開いた瞳も・・・・・・・・・・・・・抜けるような深い、蒼。

この瞳・・・・・・この肌・・・・・・この姿は・・・・・・・・・!

 

『フフ・・・・・・驚いた?』

『君は・・・・・・・』

『私ね?生まれは「惑星 サヴァイヴ」なの。パパが生粋のサヴァイヴ人よ?この肌は生まれつき。小さい頃は大変でね?青くなったり、白くなったり!でも、やっと自分でコントロールできるようになったんだ!』

『・・・・・・・・・・・・。』

 

まさか・・・・・・・!サヴァイヴ人との混血だというのか?この少女が・・・・・・。

 

しかし、驚くのはこれからだった。

 

『じゃ、改めて・・・・・はじめまして、ご先祖様。私はあなたの10代後の子孫です。』

『は・・・・・・・・・・・』

 

はぁ~~~~~~??????

なんだそれは!?冗談にも程がある!!

 

『あ、その顔信じてない。ま、仕方ないけどね。確か、この時代はまだサヴァイヴとは観光条例も通ってないのよね?じゃ、教えてあげましょうか?この先、サヴァイヴは無事観光化されて、多くの太陽系の人間が移住するわ?他にも同じような星をご先祖様の船が開拓するの。今や私の星は近隣宇宙でも一大リゾート地なんだから!』

『・・・・・・・・・・・・・・・・。』

『あ~~まだ信じない??他にはえ~と・・・・・確かご先祖様は子供が二人で、孫が三人。それまた子供が・・・・え~と何人だっけ?あ、惑星 サヴァイヴに移住してきたのはお孫さんの一人よ?その彼の子供がサヴァイヴ人と結婚したのがウチの一族では最初のハーフ誕生!!あ~変な気分!ずっと前の大おばあさんや大おじいさんの話をお子さんとかお孫さんとか・・・・ウフフ!!』

 

・・・・・・・このあっけらかんとした喋り方・・・・・・・・

そうか・・・・・・・この突き抜けたような明るさや女神を思わせる微笑みは、どこかルナを思わせるんだ。

だからこんなにも不思議な気分になる。

 

『俺の・・・・・・子孫?』

『そ~でぇす!!驚かせちゃってゴメンなさい。学校の課題で「自分の祖先に会って、そのレポートを提出」ってのがあってぇ。あ、私の時代にはね、特殊なタイムトリップマシンがあるの。でも法律で過去に影響与えちゃいけない、ってのがあるから、こうしてターゲットとの精神世界を繋げて夢の中でしか会えない、って条件付き。』

 

・・・・・・・・信じがたいが理にかなっている・・・・・・・・。

しかし、そう考えれば彼女の言い分にも納得がいくのだ。

「様」付けで呼ばれるのは、不本意にも神格化されてしまった惑星サヴァイヴでだけでの話だし、この先サヴァイヴとの異星間交流が本格化すれば、当然混血だって生まれるはずだ。

しかし。

 

学校の課題だって!?

 

『あのね、ご先祖様。私の今回の課題の一番の目的を聞いてくれる?』

『目的?』

『そう。これは夢の中だから、何を言っても何をしても現実のあなたには何の影響も与えられない。きっとすぐに忘れてしまう。でもね、私、今日の課題の為にずっと「ビッグ・キャプテン夫婦の足跡」を調べてきて、二人がすごく苦労して悩んできたことを知ったわ。』

 

!?「ビッグ・キャプテン」??その呼び名・・・・・・・。

 

『だからこそ、今日、ご先祖様に会えたら、これだけは伝えなくちゃ、って思ってたの。』

『何を・・・・・・・・・?』

 

全身不思議な青に包まれていた彼女がまた一つ呼吸をすると、再び最初に見た姿に戻った。

茶色の長い髪をなびかせて。

 

そして、やはりまた、あの見覚えのある「女神の微笑み」。

 

『あのね、私の時代では、「ナノマシン」は不可欠だよ?サヴァイヴはもちろん、太陽系の人間も生まれた瞬間からナノマシンを授けられる。それは「ミラクル・ナノマシン」って呼ばれてるの。』

 

ミラクル・・・・・奇跡・・・・・・・・・。

 

『そ!ご先祖様の「奇跡の生還劇」からとってるんだって!・・・・・・・・この先、ビッグ・キャプテン夫婦は勇気を出してナノマシンの必要性を宇宙中の人々に説いていくわ?それが認められて生誕時ナノマシン注入が義務化されていくの。惑星サヴァイヴの歩んできた道を、全宇宙の惑星が辿っていくことになるのよ?私・・・・・・そんなご先祖様の血をひいていることを、心から誇りに思うわ!!』

 

まるで。

歴史の教科書を淡々と読み上げているかのような「子孫」の言葉は。

もちろん信じがたい内容ではあるが、考えられない未来でもなく。

思えば、本当にそうなれば。どんなに。

 

どんなに・・・・・・・・・・・・ルナの心が温かく開かれることだろう。

 

『ねぇ、だから。だから・・・・・・・負けないで。強く生きて!!二人の勇気があったから、私は生まれたの。生きているの!』

 

ああ・・・・・・これは、本当に夢、なのか。

 

『あなたの子孫、血族、みんな応援してるから!みんな心から尊敬してるから!だから、これからも精一杯生きて・・・・・・・私まで繋げてね!!』

 

夢・・・・・・夢なんかじゃない。

きっと、彼女の言うとおり、これは未来の現実だ。

そうでなければ。

 

『あっ!!キャ~~!タイムリミット!!戻らなくちゃ!!じゃあねっ、ご先祖様!!確かに伝えたからねっ!!』

『おいっ・・・・・・君の名前は!?』

 

・・・・・・・思えば10代後の子孫の名を聞いたところでメリットなどないのだが。

夢でないのなら、この心に留めておきたい。

例え・・・・・・彼女の言うとおり、すぐに忘れてしまうのだとしても。

 

これは未来の現実なのだから。

そうでなければ。

この湧き上がるような愛しさは・・・・・・・・・どうにも説明が付かない。

 

『私の名前・・・・・・・・ルティナよ!』

『ルティナ・・・・・・』

『サヴァイヴでの正式名称はもっと長いけど・・・・・愛称はルティナ!聞き覚えある?』

『え・・・・・・・・・・』

 

・・・・・・・・・・彼女の微笑みは「女神の微笑み」。

今まで思いもしなかった・・・・・いや、避けていたのか。

この先、自分たちの血を受け継ぐと同時に思いまで受け継いでいく子孫が生まれていくということ。

ルナの思い、を。

 

こんなにもきれいに受け継いでくれるということ。

 

『カオル様!私、やっぱり似てる?ルナ様に!!』

『え?』

『私ね~~!よく言われるの!「先祖返りだ」って!笑い方とか、仕草が似てるって、大おばあさん達が言うの。だから名前もルナ様から一部貰ったんだって。それにね、時々、自分の意思とは関係なく、こうなっちゃうからぁ~!!』

 

そう言って振り返った彼女の瞳は、空を映したかのように青かった。

最初に見た薄い青でも、サヴァイヴ人化した時の濃い蒼でもない。

この・・・・・・・・・・・青は。

 

 

 

『ルナ様の瞳の青~~~!!実際には見たことないけど、ずっごい自慢なんだぁ~~~~!!』

 

 

 

 

「・・・・・・・・・っ!カオルッ!!大丈夫っ!?」

「えっ・・・・・・・・・」

 

揺り起こされて、目を見開いたら。・・・・・・・・ルナの瞳の青。

驚いてフリーズしてたら、ルナが長~~~く息を付いて。

 

「びっくりしたぁ。帰ってきたらソファで寝ながら唸されてるんだもの。・・・・・・嫌な夢でも見たの?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

実は起きた瞬間、夢のことは何も覚えていなかった。

とにかく驚くことが次々と起こった夢だったようだが、そんな曖昧な感覚しか残っていなかったからだ。

だから、素直に。

 

「・・・・・・・・・・覚えてない。」

 

そう言うと、ルナは呆れたように。

 

「も~うっ!・・・・・・・でも、良かった。最初、全然起きなかったのよ?冷汗かいて唸されてるし、こう眉間に皺寄せて、ウ~ウ~って・・・・・・」

 

獣か、俺は。

 

「でも不思議だったな。そのうち、段々と穏やかになってきて少しづつ微笑みだしたり・・・・・・。気になるなぁ!どんな夢だったんでしょうね?」

「知るか。」

「後で思い出したら、是非教えてね!あ~、お腹空いたぁ!・・・・・・・・・ん?キッチンに食材が・・・・」

「あっ!!!」

 

その瞬間、夕食を作るつもりだったことを思い出して、更に夢のことは忘れてしまった。

忘れていたのに、いざ、食事の段階になって、ルナが昨夜の話を持ち出してきたから思い出したのだ。

 

「残念~~~~!もう少し遅く帰ってきたら『ビッグ・キャプテン』の一流料理、堪能できたのかしら~?」

「・・・・・・・・・・・・・あ~~~~~!!!」

 

俺の叫び声を聞いて、ルナは「何?何??」とパニックになっていたが。

何せ、一度に話すのは自分には無理だと思われるので、ここにまとめて後でルナに見せよう・・・・・。

 

 

____________________________________

eriy

ハイ、久々のキャラ日記いかがでしたか?

カオルが考えていた夕食のメニューは、パスタだったようです。スパゲッティ・ボンゴレ。この時代、魚介類は当然養殖でしょうか。シャトルにも養殖場があるのだな、素晴らしい。

ちなみにパスタならルナも得意なので、カオルがこの時間呑気に日記書いてるなら、その間ルナが夕食作ってるんでしょうね。

10代後の子孫、ルティナちゃん。これぐらい後になると地球と惑星サヴァイヴ双方に一族繁栄していて欲しい。カオルとルナの墓は地球かな?やっぱ。
カオルが名誉艦長なら、ルナも晩年は環境庁のお偉方とかやってて地球やサヴァイヴのあちこちに銅像とか建ってたりして。んで、もう公然とバレバレなのに「この銅像は妻です」と恥ずかしくて言えないカオル艦長さんは、銅像前で写真を撮りたがる観光客に赤面しながらシャッター押してあげているのでしょうw う~ん、ロマンスグレー

余談ですが、アニメでもウチのサイトでもルナの名前を叫ぶ以外はあまり大声を出さないカオルさん。ですが、生鮮食品を放置したまま居眠りをしたことで流石にヤバイと思ったようですが。
思わず叫んだカオルを見てルナが「カワイイ」と思っちゃったことはナイショ

更に余談ですが、「バイオ6」のエイダ編終盤で、エイダはレオンに向かってこう言うシーンがあります。
「So Cute」
・・・・・・・・これの訳がどうして「なんて顔してるの」になるのだ・・・・・・完全にナメられてる証拠になるセリフなのに・・・・・

 

そんな訳でカオルのこともナメちゃってるルナの話でもあったのでした。

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。