徒然鯖日記

【青空・未来】管理人eriyによる「無人惑星サヴァイヴ」狂いな呟きと日常生活。
最近は歌い手アンダーバーさん狂い。

カオルの日記。

2011年06月18日 00時27分57秒 | 思いつき小説(二次小説)

 

本当に久々だな~、キャラ日記。

んな訳で、カオルナ・ベタベタ物語でもアップしますか。つまり、2部作でございます。

発端は、カオル氏なのでした。

 

ってか、変なことを気にするカオル氏です。もう完全に心が病んでるよ?
ルナに癒してもらってね?

 

                  

                  

                  

                  

 

太陽系標準歴6月18日:標準時間00:27 (カオル)

 

 

『カオル、本当にいい顔で笑うようになったね。』

「・・・・・・・っ・・・」

 

このやりとりは、さっきまでテレメッセージ上で話をしていたベルとのものだ。

その時一瞬、言葉に詰まったのは、言われ慣れていなかっただけではなくて、実は今日だけでこの言葉を聞いたのは二度目だったからだった。

 

思わず押し黙ってしまったら、ベルが相変わらず余計な心配をして不安気な目を向けてきた。

 

『あ・・・・ゴメン、気に障った?』

「ああ、いや・・・・・・・・・」

 

こんな時、いまだにどう返せばいいのかわからない。

嫌ではない。迷惑でもない。意外な言葉ではあるが、腹が立ったわけでもない。

この感情には覚えがある気もするが、ちょっと考えただけでは思い出せなくて、ベルには曖昧な表情で返したのだった。

 

「妙なものだな、同じことを昼間、艦長にも言われた。」

『艦長さんに?』

「ああ。あの人は、俺のことはルイとの事件当時から知っていた人だから、余計にそう感じるんだろうな。」

『そういえば前にそんなこと言ってたね。』

 

昔から笑顔は作るものではない、というのが持論だった。

今でもそれは変わらないが、社会に入ってからはそうもいかない場合もあり、そんな時はもちろん「作り笑い」(ルナいわく『営業スマイル』)だ。

だが、それはいつも艦長にはすぐに見抜かれて逆に大笑いされる。

彼に言わせれば、『無理している人をみると、相手まで無理させてしまうのだよ。』

 

『人は、自然体が一番だ。』

 

『へえ・・・・艦長さん、いいこと言うなぁ。』

 

その話をするとベルは大仰に感心していた。

思わず苦笑すると、今度はいつもの人懐こい笑顔で返してきた。

 

・・・・・・本当だな、ベル。お前の『自然体』にはいつも安心を覚える。

 

そんなことを考えていたら、ベルはこんなことを言った。

 

『つまりはさ、カオル。君は今、自然体に笑えてるってことだよね。それってやっぱり・・・・・ルナのおかげかな。』

 

ベルとのテレメッセージ回線を切った後、ハワードが送ってきた、奴のドラマのプロモーションビデオに映った大安売りの笑顔を無表情で見ていると、今度は後ろからチャコに大笑いされた。

 

「めっずらしいこともあるもんやぁ~~!あんたが自称・スタァのアホ面を自分から鑑賞するなんてなぁ~?」

 

確かに珍しいことだ。

あいつからはこういう代物は山のように送られてくるが、見る暇がないから積み上げていったら更に見る気をなくしてしまった。(ルナも同じ理由らしい)

だが。

 

「・・・・・・たまには参考にしてみようかと思ってな。」

「はん?参考??コイツの何を、や?」

「・・・・・・笑顔。」

 

「はっあぁぁぁぁぁ~~~~~~~~???????」

 

チャコの腹抱えたバカ笑いが、キッチンにいたルナにも聞こえたらしく、彼女が不審げな目で部屋の中を覗いてきた。

 

「チャコ~?何大騒ぎしてるの~??・・・・・カオル?電話終わった?」

「ああ。」

「ん~?何か楽しいことでもあったのかな?カオルくん?」

「え?」

 

なおも笑い転げているチャコは置いておき、極めて自分はおバカなハワードの映像を前にしても無表情を保っていたはずだが、あっさりルナにそんなことを言われて目をむいた。

 

「いや・・・・・チャコは、これ(ハワードのプロモ)を見て勝手に笑っているだけだが・・・・・」

「そう、チャコはね。でも、あなたも何かいいことあったんでしょう?ベルとの電話、楽しかった?」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・・・不思議だった。

いったい、彼女は話の内容を聞いていたわけでもないのに、何故そんなことがわかるんだ?

 

「やだ、そんな不思議そうな顔しないでよ。」

「ああ・・・・・いや・・・・・・・」

「安心して?電話の立ち聞きもテレパシーも使ってないから。」

「ああ・・・・・・・・」

「でもやっぱり不思議なの?・・・・そうね、単純にあなたが楽しそうだったからよ!」

 

クスクス笑いながら、ルナはゆっくり近づいてきた。

そしてこちらを覗き込むようににっこりと笑う。

 

・・・・・・・・・楽しそう?

 

「・・・・・・俺は、笑っていたか?」

「ううん。いつもの顔。」

「いつもの顔って?」

「え~と。」

 

考え込むような誤魔化すような、困ったような表情を浮かべてから、ルナは短く息を付き。

 

「あのね、笑ってなくてもわかるよ?ベルに何か嬉しいこと言われたんでしょ?」

「・・・・・・・どうして・・・・・・・」

「わかるのか、って?んもう、自覚ないんだなぁ。」

 

そう言って呆れたように微笑むと、両手で顔を包み込むように触れてきて、座ったままの俺を見下ろし真っ直ぐに見つめてくる。

瞳を合わせてから、彼女はしみじみと呟くように言った。

 

「だって、こんなにいい顔してるのに!」

「・・・・・・・・・・・っ・・・・!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・不覚にも、思いっきり赤面してしまった。

 

 

 

その後、チャコの大笑いの理由が「これ」に移ったのは言うまでもない。

 

 

ルナにとっては全く当たり前の行動だったらしく、こっちの反応にもチャコのバカ笑いにも意味がわからない様子で首を傾げていたが。

三度目。・・・・・一日に三度も同じことを言われたら、さすがの俺も認めざるを得ない。

自分では、まだまだ自覚など出来ない「いい顔」だが。

 

この俺にも、人を幸せにできるような顔ができるようになったということだろうか。

 

 

あの時説明できなかった分、これを書き上げたら彼女に読んでもらおう。

全てはお前のおかげ。お前と出会わなければ、こんな顔は出来なかった。

 

今、ここで、心から感謝しようと思う。

 

 

・・・・・・・・・・・続く!!

 

 

 

 


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