学校や職場、家庭の問題でストレスを感じて胃が痛くなる・・・こうした経験をしたことがある人は多いかなと思います。
4月から5月は環境の変化でそういった症状が出やすい季節かもしれません。
胃は、自律神経によって機能しています。このため、胃そのものには病変はなくても、ストレスによって自律神経の働きに乱れが生じると胃の機能にも悪影響が及び、胃の痛みへとつながります。
このような病気は「機能性胃腸症」もしくは「機能性ディスペプシア」とよばれます。
具体的には胃の機能に乱れが起きると胃の粘膜を保護する物質の分泌が抑えられて、逆に胃の粘膜を刺激する胃酸の分泌が増えることにより胃痛が起こります。また、胃酸による胃への刺激が過剰に脳に伝わる知覚過敏も機能性胃腸症にみられる代表的な症状の一つです。
機能性胃腸症の原因は精神的なストレスだけではありません。過労や睡眠不足といった肉体的ストレスとも関係しています。
機能性胃腸症の治療には消化器官の運動を調節する薬や胃酸の分泌を抑える薬による薬物療法がおこなわれます。また、精神的ストレスが主な原因となっている場合は抗不安薬や抗うつ薬の処方が検討されます。そして、薬物療法と同時にストレス対策や生活習慣の改善に取り組みます。
こうした対処で症状の改善を期待します。
胃の痛みは心身の健康状態を表す重要なサインです。そのまま放置しないでかかりつけの先生に相談してみてくださいね。