リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

財務省による森友文書書き換え疑惑の根拠は?

2018-03-04 | 政治
森友学園への国有地売却の際に財務省が作成した決裁文書が,問題発覚後に書き換えられた可能性があることが報じられ(朝日新聞2018-3-2),国会でも政府が野党から激しく追及されている.記事を見ると,変更は疑惑に関するこれまでの政府答弁を否定するような文言を削除するもので,書き換えがあったのか,誰が行なったのか,誰の指示で行なったかなど,早急に調査する必要がある.

だが上記記事は根本的な情報が欠けているように思う.朝日新聞は文書を確認し,「契約当時の文書」と2017年2月の問題発覚後に国会議員らに開示した文書(起案日,決済完了日,番号が同じで,いずれも決済印あり)を比較したようだが,「契約当時の文書」がどこからきたのか書かれていないようだ.「国会議員らに開示した文書」は写真が掲載されており,その文書が本物であること(「本当に契約当時の内容」という意味ではなく,「本当に国会議員に開示された内容」という意味)は疑いの余地がないだろう.だが「契約当時の文書」はどこにあるのだろう? 書き換えられたのだとしたら原本は存在しないはず.朝日新聞はコピーを使ったことになるが,いつどうやって入手したのだろうか.

もちろんニュースソースを明かすことができないのは報道の原則だが,全く説明がないのがどうも気になる.
白状すると,私は森友・加計問題の報道をそれほど丹念に追っていたわけではない.過去の記事を読んでいる読者には当たり前の情報なのかもしれない.だが,そうだとしても,比較のベースとした「契約当時の文書」がどういうものなのか,少しは説明すべきだと思うのだが.

追記:朝日新聞2018-3-6によれば,どうやら「原本」はあるらしい.つまり,承認印を押した文書を書き換えたというのではなく,国会議員に提出する書類は原本とは別に作成し,承認印を押したものらしい.こうなると「書き換え」というレベルの問題ではなく,公文書偽造なのではないだろうか.
相変わらず朝日報道の根拠は示されていない.内部告発なのだろうか.もしそうだとしたら,重大な犯罪を告発した人が迫害されることのないことを願いたい.

追記2:国会からの照会に,財務省は「捜査への影響」を口実に説明を拒む姿勢をきめこんでいる.数日たっても調査を始める気すらないかのような人を食った回答書を出してきたようだ.財務省のいう「捜査への影響」をおもんぱかって公文書の開示や説明を拒む財務省の言い分は正しいのだろうか? そんなふうに思っていたら,まさにそのものずばりの解説があった(朝日新聞2018-3-7).この記事を見ると,財務省の言い訳は通らないように思う.

追記3:今回のニュースソース,というわけではないのかもしれないが,改竄前の文書は契約成立後に国交省に提供されていたものが保管されており,国交省から会計検査院に提出されていたそうだ.(朝日新聞2018-3-13

追記4:中央省庁で採用されている電子決済システムでは,書き換えを行なっても書き換え前のものも保存されて履歴を確認できるようになっているという(朝日新聞2018-3-16).これで私が疑問に思っていた「原本」の謎は解けたが,財務省が文書が残っていないと言い続けていたのは何だったのか.

余談:自民党が党大会で記念品として安倍首相の似顔絵入りマグネットシートを配ったのだが,ペンでメモを書いたり消したりできることから「書いて消せる!」とのキャッチフレーズが.公文書改竄が話題になっているタイミングだけに,あまりの間の悪さに自民党内でも自嘲の声が出ているという(朝日新聞2018-3-26).

関連記事:
「「安倍晋三記念小学校」も書き換えられた可能性はないか?」(2018-3-12)
「業務上違法な改竄に関与してしまったらどうすればいい?」(2018-3-10)
「公文書改竄:首相は関与していないならなぜあれほど調査に後ろ向きだったのか?」(2018-3-15)


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