Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

きょうのいっぴん(英国便り3)

2011-07-26 18:40:26 | 買い付け日記
前回のアイボリーブローチの日については、何のコメントも付さず、大変失礼致しました。ベッドでブログの言葉を考えながら寝てしまうなんてのがしょっちゅうで、いいかげんなことにそのまま送ってしまったりするものだから、こんなことになってしまって、どうかお許しを。ロマンティックなチェラブのブローチは、日本に持ち帰りましたので、また後日詳しい内容をご紹介させてください。

そう、今、僕は京都でこのブログを書いています。延べ3週間余りの買い付けの旅より、無事戻ってまいりました。スペアタイヤを知らぬ間に盗まれていた以外には、これといったトラブルもなく、(盗まれたのは想定外(唖然...そして涙)でしたが、この程度の被害はもう、長旅につきもの、な訳です。)とにかく肩の荷が下りた帰国です!。ナマケモノの如くスローな動きで本日の発送業務をこなしたあと、時々気が遠くなりキーボードに額を打ちつけながら、夢うつつで書いています。



さて、旅の終わりに。
僕の心揺さぶられた品は、前回に引き続き、ガラスに焼き付けられた写真でした。イギリスのどこかの工房のモールディングの仕事の記録ではないかと思います。その壊れかけた木箱には50枚ほどの装飾の記録写真が収められていました。100年ほど前のもののようですが、それまでに脈々と続いてきた様式の姿を留める試み。全ては鏡に映るこのカメラによって残された記憶。これらのガラスのネガには、記録写真ゆえの硬質で、おもねらない美しさが宿っていました。

今回もよく走り、よく働き、よく買いました。しばらくすると、雑貨類が航空便で到着し、9月中旬ごろには、家具と雑貨がコンテナで到着します。どうぞご期待ください。今週は、筋肉痛とひどい時差ぼけで、僕自身は使い物にならない状態・・・店でノロノロ仕事いたします。

マルツ

きょうのいっぴん(英国便り)

2011-07-22 19:08:19 | 東日本大震災支援
ヴィンテージのクリスタルグラス

いくつかの雨を抜けて、ようやく今夜のホテルにたどり着いた。
幸運なこ とにちょうどこの辺りは雨の気配はなく、トラックの荷台で荷物の梱包を始める。
陽が長いのが有難いような、恨めしいような…。
21:00、 だいぶ暗くなってきたので、しぶしぶ作業終了(やっぱ陽の長いの
は有難いのです)。
南仏での買い付けを終え、すでにイギリスに 入って1週間が過ぎた。
Tシャツ1枚では、肌寒い気温 と厚い雲。
突然の雨の用意にも、ようやく慣れたところです。

イギリスには、ウォーターフォードやスチュワートなど、優れたクリスタ
ルメーカーが幾つもありますが、アンティークフェアにも新旧混ざって
様々なクリスタルが出てきます。
アンティーククリスタルは英国内での価値が高く、なかなか仕入れとなると手が出ないのですが、それらに混ざって出てくる、数十年まえのもの、最近のもの、未使用品のものも多く、こういったものの中から、佇まいの美しいものを選んで買い付けてみました。

どや顔でご紹介するほどのものではないですが、普段使いに気軽に楽しんで欲しいと思います。
価格も比較的お手頃に設定できそうですので、どうぞお楽しみに。

このワイングラスは、ほんの少し小さめサイズが良い感じで、ステムの
カットがちょっと目を引きます。

マルツ

きょうのいっぴん( 南仏便り 3)

2011-07-21 19:09:13 | 買い付け日記

郷土色というのでしょうか、この独特の気候のせいか、南仏では、その風土を感じさせるような品に心が動かされるものですが、なぜか手にした銀器には、底にTIFFANY&Co.の刻印。

さすがに、銀器に南仏の風土を求めるのは、すこし無理があるかもしれないですが、パリや他の地方都市ならともかく(なんと大雑把なくくり!)南仏での出会いに、妙に納得がいかないのは、僕の南仏への過剰なロマンチシズムのせいでしょうか。
そんな事を、その瞬間に考えたのだかどうだか、シュガーポットは手から離さず、気のない素振りも見せながら、状態を確かめつつ、交渉に挑む。

おそらく1900年代前後まで遡るのではないだろうか、愛らしくもあり力強さも見せる、文句なく魅力的な逸品。ティファニーでなくても買い、というのは愚見かもしれない。何故ならそれは、ティファニーだからこそのセンスと技術で、世に出された物なのだから。
銀のシュガーポットは、無事京都へ届いたようです。


※こちらの品は既に南仏より発送済みで、間もなく店頭に並びます。

マルツ


きょうのいっぴん( 南仏便り 2) 

2011-07-19 19:11:28 | 買い付け日記

写真を携えるブローチ。

7月のアルルは、村を挙げての国際写真展に大勢の人が訪れ、盛り上がります。そんなムードの中、朝の蚤の市でも写真関係のものが、やはり気になって手にした、フレーム状になった小さなブローチ。
大切な人の姿を携えるのは、手帳の中でなくても、携帯の待ち受け画面でなくても、こんなふうに肌身離さず、恥ずかしがらずに。


※こちらの品は既に南仏より発送済みで、間もなく店頭に並びます。

マルツ