Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

覚えているということ。

2011-03-25 21:20:25 | 東日本大震災支援


「覚えていますか?」

少し久しぶりのお客様から、メールをいただきました。

「はい、覚えてますともぉ。」

だいぶ前になりますが、店頭で撮影小物として使っていた壊れたデスクランプをご覧になって、修理ができたら、連絡をするという約束でしたが、それが諸々の事情で、まだ手をつけていなかったのでした。そのお客様はブログをご覧になって、ぜひ義援金支援の期間中に買いたいと言って下さるのでした。ズボラな我が身を恥じながらも、とっても心温まる催促メールでした。ぜったい、期間中になんとかしますので、もう少しお待ちくださいね。ありがとうございました。

日々のご注文や、荷物の到着を知らせるメールの最後に、義援金募金への応援や、被災地の人たちへのいたわりの言葉をいただきます。それぞれの心にあるささやかな善意をこうして言葉にすることで、気持ちを確かめながら、繋がりを感じながら、長く支えあえたらなぁ、と今は思っています。いつも忘れないで。

店主

『 あしたへはダイジなことだけもってゆく 』

2011-03-22 18:08:18 | 東日本大震災支援
少し寒さが緩んだ3連休と、連休明けも、京都はささやかながら賑わいを見せています。銀閣寺や南禅寺も遠くない場所柄、この季節に観光ついでのお客様が増えるのは毎年の事ですが、ここ数日の東京、関東からのお客様の多さは、少し意外なものでした。地震の事などいろいろお話させていただく機会もあり、聞けば、ほとんどの方が、「避難と観光を兼ねて・・」と、ちょっと複雑な表情を浮かべます。でも、その後でみんなが口を揃えて言ってくださいます。京都、関西の、被災しなかった、この日常の風景に癒されて、慰められて、元気をもらって関東に戻れますと。なんだか役に立っているような気がして嬉しかった。自分たちにとって 《この災害に遭うまでの全てのひとたちにとっての》 ふつうの、この日常の風景が、しばしの憩いを求めて訪れる人たちの心を和ませられるのなら、喜んでこの日常の営みを続けることに努めたい。そしてそんな日常に癒しを醸せるのは、京都という場所のもつ空気なのかもしれないと、しみじみ思いました。今これを書きながら、昨年観た映画【マザーウォーター】をぼんやりと思い出しています。『あしたへはダイジなことだけもってゆく』。何処にでもありそうな何気ない日常を、この京都で撮ったのは、きっとそんな風に思ったのかもしれないと。震災の影響でDVD発売が遅れているそうですが(うちの椅子たちが出演したのでもちろん買います)、すごく、もう一回観てみたくなりました。みなさんもどうぞ。

店主

骨董に紡ぐ物語

2011-03-17 21:53:58 | 東日本大震災支援


関西にお住まいの初めてのお客様から、義援金支援にご賛同いただきアンティークタイルをご注文いただきました。「もちろん、その品自体が魅力あるものですが」と、お気遣いのお言葉を添えていただいて。なんだか恐縮ですが、ありがとうございます。実はちょうど昨夜、店内でふとそのタイルと目が合って、しみじみ良いな-と、手にしていたところだったので、なんだかいいご縁のような気がして嬉しくなりました。そしてメールの最後に、「代金の一部が義援金になることも嬉しく、いろいろな意味も込めて大切にしたいです。」と、ジーンとくるお言葉。100年の時を越えてお手元に届いたアンティークが、そのお客様にとって、より意味の深いものになるのなら、骨董屋の端くれとして、こんなに嬉しいことはありません。ひとつひとつのご注文メールに添えられた、心あるメッセージに、日々自分が勇気づけられています。

店主

祈る

2011-03-16 13:05:35 | 東日本大震災支援


東京の長くお付き合いいただいているお客様から十字架のオーナメントをご注文いただきました。「被災地を思うと祈りたい気持ちです」と。余震、毎日の計画停電、物資不足など、東京も大変な状態だというのに、ご賛同本当にありがとうございました。嬉しかったです。他にも昨夜ご注文いただきました皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで義援金支援も良いスタートがきれました。本日、撮影担当は、少しでもきれいで、明るめで、見る人に元気を届けられる写真をと、ささやかながら、自分たちに出来ることから始めています。京都は小雪が散らついていて、東日本の天候が心配ですが、今は遠い空の下からただ祈るより他にありません。だれもが誰かを心配して浮かない表情をしている毎日だけれど、今はうつむいている時ではなく、行動するとき。今日は無理でも、いつかまたあの空と思いが繋がることを信じて。

店主