Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

旅行記 伏見 その1

2007-08-30 19:01:20 | 旅行記
残暑お見舞い申し上げます。
気が付けば既に八月も終盤、またしても祇園祭やら大文字やらの話題をスルーしてしまった。
盆と正月ぐらいにしかブログを更新しないsabaeです。
ご無沙汰しております。申し訳ありません。
お盆も逃してしまいましたが。

去年の盆休みには、白川郷に旅行をしたわけですが(読んで頂きましたか?)、今年の盆休みはあまりの暑さに家でグダグダしているだけで、あっという間に時間が経ってしまったような感じです。
とは言えせっかくの夏に、何処にも行かないというのも勿体無い。ちょっと思いつきで半日旅行に行って来ました。

伏見稲荷まで。

家から20~30分、四条界隈から10~15分ですよ。職場よりよっぽど近い(交通機関的に)所へ行くことを旅行と呼んでいいものかどうか。
一応観光地として有名だけど、「お稲荷さん(稲荷大社)」位しか行くとこないんですよ。半日旅行にはうってつけ。
母方の祖父母が昔この辺りに住んでいたので、伏見稲荷にはちょっと思い入れがあります。子供の頃はよく遊びに来たものです。
祖父母はもうとっくに亡くなっていますし、お盆だし、ちょっとした供養気分で行って来ました。お墓には行きませんでしたが。

京阪伏見稲荷駅の妙に派手な駅舎を出ると、そこは参道(みたいなもの)。坂を上ると「お稲荷さん」です。
微かに記憶に残る景色を確認しながら、坂を上る。目印はダルマをいっぱい並べてる(売り物)店。屋号は知らないが、子供の頃から「ダルマ屋」と呼んでいた。
そこの角を曲がって、ちょっと歩いたところに祖父母の住んでいた家があったはず。
坂の上の方に「ダルマ屋」はあったけど、ダルマの数がすごく少なくなっていた。昔は確か、ひな壇に大小様々なダルマが大量に並んでいたのに。
ついでだから祖父母の家の跡を見に行った。当然家はとっくに無く、新しげな家が立ち並んでいたのですが、向かいの大きなお宅がそのままだったのは嬉しかった。
ちょっと寄り道を楽しみつつ、「お稲荷さん」へ。
正月にテレビでよく見る本殿で、数十年分のお賽銭をまとめて(5円×20年=100円)お参り。
初詣ならここで帰る(ていうか動けない)所ですが、せっかくなので千本鳥居を上ってみる。
子供の頃から何度も見てるが、鳥居がずらずら並んでいるのは、改めて見ても奇妙な光景だ。京都の寺社仏閣の中でも有数の奇妙ゾーンだと思う。
多分ここでしか観られない光景だとは思いますが、鳥居の朱色が周りの山の緑に溶け込むと言うか、滲み出るというか、木漏れ日と相まって幻想的な色彩を見せてくれます。
とか思ってたら千本鳥居終了です。
奥の院をお参りしたが、まだ時間も早い。勢いが付いたので稲荷山を登る事に。登った事のある方ならご存知の通り、こっからが本番です。
何しろ稲荷山には一万本からの鳥居が建ってますから。

もうね、山頂へと向かう山道に鳥居がずっと並んでいるんですよ。ここまでやることは無いんじゃないかと。
途中に幾つも謎の社があったりするし、祭神が多すぎて何の神様を奉っているかも分からなくなります。
途中道を逸れたら、山道で迷うこともできた。
ちゃんと道はあるので迷ったとは言えませんが、こんな所があったのかという感じ。
明らかに稲荷大社とは関係なさそうな参拝所を(幾つか)発見。
弘法大師と書いてあるし不動明王いるし、なんでしょうか? 密教?
こんなところで遭難しても仕方が無いので、本来のコースに戻り、三つ辻、四つ辻と山道を登りました。
時間は昼過ぎという所。さすがに朝から山道を徘徊しておなかも空いたし、何より暑い。
そんな参拝客を待ち受ける罠のように、四つ辻辺りには蕎麦やうどんの軽食と、喫茶なんかができる茶店が幾つかあります。
店構えも稲荷山の雰囲気に似つかわしい、古色蒼然とでも言った感じ。
どうせなら一番高いところにある店の方が景色がいいだろうと、「仁志むら亭」へ。
ざるソバとビールを頼んだが、一番のご馳走は景色でしょう。
京都を一望にできる。
多分できていたと思われます。広すぎて何処が何処やら。
たっぷり汗をかいた後、これだけ高い場所で飲むビールはやはりおいしい。エビスだったし。
あ、お蕎麦?これ以上注文つけてはいけませんよ。景色をスパイスにおいしく頂きました。

さて、もう帰りたいところですが、山頂まではもう少し。せっかくなので、いっときましょう。
一の峰~二の峰~三の峰と、ぐるりと回って四つ辻に戻ってくるのですが、間違えて三の峰方面へ逆走。何やってんだ。
どうりで鳥居の裏ばっかり見えると思ったら、そういうことか。鳥居の裏には奉納した人の名前や日付が書かれているので、なんか変だなとは思っていたのですが。
しかしそのおかげで、かわぐちかいじプロダクション奉納の鳥居に気付いたり。こんなところで有名人の名前を見つけるとちょっと嬉しい。
山道を歩き回りはするけれど、どこもかしこも鳥居だらけでどこを歩いているか分からなくなるような、どうにも奇妙な感覚を満喫できた。
キツネにつままれたような、っていうか。
ようやく一通りの参拝を済ませ、山を降りたら昼過ぎというところだった。
どうせなら伏見桃山まで脚を伸ばそう。

ほんの半日の旅行にもかかわらず、つづく。

sabae


THE LITTLE WILLIES "THE LITTLE WILLIES"