けいはんな文化学術協会ブログ

私達は2001年6月に認証されたNPO法人でけいはんな文化学術協会と称します。

第14回「けいはんな国際中学生キャンプ」開催

2018年09月25日 | 活動報告
第14回「けいはんな国際中学生キャンプ」開催

キャンパー・カウンセラー全員プラザビル広場で記念写真

この8月3日(金)から8月5日(日)にかけて、「けいはんな文化学術協会」では中学生のためのグローバルキャンプ(第14回)を2泊3日で開催しました。

 今回も、宇宙航空研究開発機構(JAXA、コズミックカレッジ・ファンダメンタルコース)、(公財)関西文化学術研究都市推進機構、(株)けいはんなの協賛、生駒市ならびに精華町・木津川市・京田辺市・城陽市・交野市・生駒市の各教育委員会の御後援を得て素晴らしいキャンプを開催することができました。
 「けいはんな国際中学生キャンプ」の主旨は「グローバルな視点を持ち、明日の世界を力強く生きるために、中学生が考えるべきことは何だろう?」です。「グローバル化とは、異文化を尊重しながら自らの主体性を保ち、自国の文化を語れる人間力を備えることです。語学力も大切ですが、話の中身を豊かなものにすることがもっと大切 」に気付いてもらう機会になればと思っています。

今回は8月早々の学校の行事と重なり、いつもに比べて少なかったですが、13名のキャンパーたちが集まってくれました。外国のカウンセラーは3名の皆様が参加してくれました。生駒市ALTのJoachim 先生(ヨアヒム、ドイツ)、Dan先生(ダン、カナダ国籍・カメルーン母国)と、このキャンプ立ち上げの大ベテランVictorさん(ビクター、ロシア、京大OB・現開智国際大学(千葉・柏市)准教授)が、久しぶりに遠方より特別参加してくれました。また、前回に続けてキャンパーOBのNao(藤田 奈緒) さんを入れて全員で4名の皆様でした。今回も素晴しいカウンセラーのお蔭で、キャンパーはそれぞれ貴重な体験ができたと思います
Joachim先生のイントロダクションゲーム、みんな楽しそう!


初日、いつものようにJoachim先生のイントロダクションゲームで、みなさんの緊張をほぐしてもらったところで、「キャンパーの自己紹介」をしました。自分のPRを書き込んだ画用紙1枚と、持参した好きな本や漫画などを紹介しました。毎回のことですが、これでみんなの気持ちがぐっと近づきます。

次にカウンセラーの「自己紹介・お国自慢」ですが、まずJoachim先生がいつもの様に素晴らしいドイツを紹介してくれました。豊かな食べ物や、ドイツの著名な人物のベートーベンやアインシュタインなどのスライドを見て、キャンパーからは早速ジャガイモやマルチン・ルッターって誰?など質問しました。
ここで夕食です。けいはんなプラザのレストラン“星陽亭”(今回からお店が変わりました)で、美味しく、楽しいひと時を過ごしました。

“星陽亭”での美味しい夕食


 カウンセラーの“お国自慢”、みんな興味津々


夕食後、Dan先生からの「自己紹介・お国自慢」です。国籍のあるカナダと母国カメルーンの紹介をしてくれました。カメルーンの凄い自然と、美味しそうな料理の映像を見て、みんな大喜びでした。次々手を挙げて、料理について質問しました。


1日目の最後のプログラムは、カウンセラーからいろいろな話を直接聞ける「ラウンド・テーブル」(1回目)です。キャンパー達は3グループに分かれて、各テーブルのカウンセラー達と膝をまじえて、いろいろ質問したり話を聞きました。
 今回はキャンプの主題として「AI(人工知能)」や「日本の文化」を取り上げましたが、ラウンド・テーブルでは特に「Japanese Culture」をテーマに、みんなで議論しました。もちろんテーマにこだわらず、幅広く話を聞いたり、質問したりしました。海外のこと、海外から見た日本のこと、日本に来た動機や将来の夢なども聞くことができて、キャンパー達にも「グローバル」を意識する良いきっかけになったと思います。 
  21:30頃まで熱心にカウンセラーに質問したり、話を聞いたりして第1日目のプログラムを終了し、皆さんホテルに戻ってそれぞれ楽しい時間を過ごしました。

第2日目、少し朝寝坊する人もいましたが、プラザの食堂“星陽亭”で元気いっぱい朝食をしました。朝食後は、プラザビル前の広場で、まぶしい朝陽を受けながら全員の記念写真(前出の写真1)を撮りました。

2日目の最初のプログラムは、昨晩に続けて「ラウンド・テーブル」(その2)です。カウンセラーのテーブルを廻って、最終的に全てのカウンセラーと親しく話をすることができました。テーブル毎に大いに盛り上がって、初めての参加で、英語に不慣れなキャンパー達にとって貴重な体験になった様です。

 カウンセラーと楽しくラウンド・テーブル


その後、カウンセラーの「自己紹介・お国自慢」の最後として、Victorさんから、久しぶりにロシアの話をたっぷり聞かせてもらいました。最後は、藤田奈緒(Nao)さんがこのキャンプの卒業生として、後輩たちに訪問した世界のすばらしさを紹介してくれました。キャンパーの皆にも大いに刺激になったようです。

『100人の村』のゲーム、アジアは人口が多い


午前中最後のプログラムは、「ワークショップⅠ」の1回目です。まず、竹本さんのリードで、『100人の村』の詩に沿って、地球全体を100人の村に縮めたらどうなるか、ゲーム感覚で体験してみました。ひもを使ったアジア、アフリカ、オセアニア、アメリカなど各地域の人口密度や食料の多寡など実感できたようです。


美味しいお弁当の昼食後、今回の「ワークショップⅡ」として、けいはんなキャンプスタッフの吉永と木村先生が担当して、『AI』について考えてみました。

“AIロボットVS人間”の短編映画を見て、『AI』を少し考えた


『AI』は『人工知能』のことです。中学生にとって少しとっつきにくいテーマですが、身近に“スマホ”がある現代では、どうしても学んでほしいテーマです。吉永が概説した後、木村先生が用意された“AIロボットVS人間”の映画を見て、いろいろ考えてくれたようです。キャンパーにも大いに刺激になったと思います。

 Y-Chartを制作中


講義の後、少し休憩をしましたが、このキャンプで人気の高い“けん玉”ゲームで、キャンパーもカウンセラーも夢中になって楽しみました。
休憩を終わって、次のプログラム「ワークショップⅠ」(2回目)に移りました。ここでラウンド・テーブル形式の3グループに戻り、今回のメインテーマ『AI』に関連した具体的な課題をいくつか提示しました。「AIって何だ?」「AIと人類の将来」「コンピューターはどうなっていくのか?」「きみはAIと友達になれるか?」「自動運転の車に乗りたい?」などからテーマを選択し、議論した内容を模造紙にまとめてもらいました。

選んだテーマについて皆でディスカッションし、Y-Chart方式でまとめました。キャンパーにとっては、多少難しかったけれど、日頃なかなか気がつかない大切な問題を考えるきっかけになったようです。最終日のグループ発表に向けて、熱心に議論し、立派な発表用の“まとめの模造紙”が完成しました。

最終日のPPT発表に向けてPCと格闘中


夕食は レストラン“星陽亭”で、みんな仲良く楽しく頂きました。夜の部は明日の発表会に向けて、パソコンをにらみながら「キャンプの感想」や「将来の夢」などについて自分の考えをPower Pointにまとめ、時間がかかったけれど皆さん上手に仕上げました。

Y-Chartを使ってグループ発表、大成功 !


第3日目は、朝一番に「ワークショップⅠ」のまとめとして、昨日作った模造紙“AI”を使って上手にGr発表しました。グループごとに創意工夫がみられ、非常に充実した時間になりました。

また続けて、カウンセラーたちに“If the world were a village of 100 people”の詩を朗読してもらい、地球に住むという意味を考え直すことができたと思います。最後に前回同様、その思いを含めて今回の感想を自分宛ての手紙にしました。後日キャンパー自身に届くと思いますので楽しみです。

 カウンセラーから全員修了証を頂きました


キャンプ最後のプログラムは、各自が昨晩遅くまで、かかって完成したPower Pointを使って、みんなに“プレゼン”する時間です。みんながそれぞれ工夫して個人発表しました。皆さんそれぞれ素晴らしい発表でした。一緒に聴いて頂いた保護者の皆様にも、印象深い発表会だったと思います。



  閉会式では、カウンセラーから、それぞれ修了証を授与されました。キャンパーの笑顔が素晴らしかったです。サインを交換したり、記念写真撮ったりして素晴らしいフェアウェルパーティーを最後に今回のキャンプが終了しました。

                                       おわり



































































第26回けいはんな子ども科学キャンプ報告

2018年09月12日 | 活動報告
 


指導者としては当協会のスタッフ13名に加え京都大学医学部大学院、滋賀医大大学院、奈良先端科学技術大学院大学から外国人留学生7人(それぞれ出身はブルガリア、パラグァイ、イエメン、インドネシア、エチオピア、アルバニア、エジプト)と高輝度光科学研究センター、から参加して下さいました。

今回2018年度として実験を新しくしました。より科学のベイシックな指導に力を入れて11種類の実験を考えました。難しい理論をより分かりやすく楽しく学習できるように工夫しました。


第一日目は正午から保護者同伴で開会式を開催。
当協会理事長からPISAの話があり、このキャンプは日常生活において目にする現象になぜ?どうして?と科学の基本に目をむける習慣を育む機会であることについてお話ししました。その後キャンプのオリエンテーションではこのキャンプは第一に他では体験できない実験を11コマする。第二には三日間外国人留学生と共に過ごしコミュニケーションをはかる第三には初めて会った友達とホテルに泊まる経験が出来るという有意義な時間を元気に最後までやり遂げましょうと説明。その後ホテルの部屋を見学して親子で確認しました。

   


その後3階の実験室に移動し1コマ目
アイスブレイクに始まり、実験①「磁石の物性」で磁性体の3つの性質を3つの実験で確かめました。いっぱい実験をして楽しく過ごしました。


この時間はキャンプの最初の実験なのでピアレンツタイムとし、保護者の皆様に参観して頂きました。スタッフ一同大変嬉しく思いましたのは90分の実験時間ほとんど全員最後までご参加いただいたことです。
保護者の皆様、狭い部屋で熱心にご参観頂き有難うございました!

実験②「食物消化のメカニズム」です。
毎日おいしくお食事をしたりおやつを食べると私達の体の中でどのように変化して血液や筋肉に変わるのかを調べました。それを実験で確かめました。



その後天の川に移動し、カウンセラー達のお国紹介が始まりました。Christina がアラビア半島にあるイエメンの話をしてくださいました。治安の悪い国の印象がありますが美しい景色や豊富な食生活のお話でした。次に久し振りに参加して下さったMengistuのお国はエチオピアでアフリカの広大な国の話です。次にChristinaのご主人Mahmoud はエジプトの話でおなじみのピラミッドやスフィンクスを詳しく教えて下さいました。二人の結婚式の写真も見せて頂きました。たくさん質問もしました。

 


やっと夕食の時間です。一生懸命実験したのでお腹がペコペコでした。ご馳走が一杯でとても楽しくおいしくいただきました。
 


食後は実験③「浸透圧とは何か」の実験
私達が日頃サラダを食べるときに見ている現象。高度な科学の基本を学んで、自分の目で確かめました。

8時30分、全員疲れも見せず元気にホテルの部屋へ移動しました。スタッフは就寝時間までに各部屋を2回廻って困っていることがないか尋ねました。

2日目18日6時半に起床し7時からレストラン「ライン」で全員そろって朝食。和食と洋食充実したメニューで親しくなった友人達と楽しく頂きました。
朝食後ホテル前で集合写真の撮影をして実験室へ移動しました。

 


④「構造物の強度」の実験をしました。建物などの強さはどのようにして測るのでしょうか?難しい物理の勉強をとても分かりやすく学んで測定したデータをグラフにしました。

 
 

休憩しておやつを頂きました。


実験⑤「化学反応の仕組み」
 


次はこのキャンプの他では出来ない体験プログラム「ラウンドロビン」が始まります。これは5人ずつ6つのグループに分かれて担当の外国人留学生の指導でテーブルを順番に巡回して実験します。6回でバラエティーに富んだすべての6つの実験を体験します。

次に「天の川」でハンバーグのおいしいお弁当を頂きました。みんな親しくなっておしゃべりしながら頂きました。

  


ここからはラウンドロビンの6種類の実験。
⑥「顕微鏡試料の作成と観察」
自分で実際にプレパラートを作る。自分で顕微鏡の操作を実践する。この二つを必ずできるようになることです。科学は目で見えない微小なものや巨大なものを探索する楽しみであることを学びました。



⑦「食べ物のpH、糖度、塩分を測定してみよう」では日常食べたり飲んだりしている食べ物にそれぞれどれぐらい含まれているか測定器を使って測ってみました。普段思っているのとまるで違っていたりしました。またこれらの測定値は何に利用されているか、それぞれにどんな意味があるか話し合いました。

 



⑧「光の波動と干渉」では光の進む方向について学ぶためのいろいろな実験をしました。偏光板も観察しました。




⑨「電気抵抗と温度の関係」マルチメーターを使って金属と半導体の電気抵抗値を比較しました。グラフに記入して話し合いました。

 


⑩「クロロフィルの吸収スペクトル測定」の実験では吸収スペクトルの測定器を使用して観察。自分で資料を作って測定しました。グラフのデータでいろいろ話し合いました

 



⑪「お湯の冷め方とニュートンの冷却則」お湯が冷めるという現象は毎日のように目にしますがそれをニュートンの法則で学ぶというここでしかできない実験です。

 


以上⑥~⑪は2日目午後と3日目10時まで続きました。6時楽しく夕食を頂きました。

その後「天の川」で4人のカウンセラーのお国紹介がありました。まずDoina は民族舞踊を素晴らしく優雅に踊って見せて下さいました。その後みんなで踊りました。とても楽しいひと時でした。また南米のパラグァイ出身のJuan からスペインに征服されるまでに、もともと住んでいたグアラニー人とは今でもお互いに良い関係を保っていて言語も宗教も両方が上手く調和しているそうです。チーフカウンセラーのDesi はヨーグルトでおなじみのブルガリアの紹介です。研究中の耳鼻咽喉科の話、世界で一番小さな骨について話してくれました。。
また脳外科のお医者様Dhito はインドネシア出身で幼少の頃を日本で過ごされたそうです。国土はたくさんの島から成り立っています。

  


長い、長い一日でしたが元気にホテルに帰って休みました。

最終日は6時20分に起床してチェックアウトの準備をして昨日同様1階のレストラン、ラインで朝食をおなか一杯戴き、実験室に移動しました。
 



全部の実験を終了して、最後の実験について担当スタッフ、カウンセラーとグループの5人の仲間で実験についてディスカッションしてまとめ、全員が担当を決めグラフやその他の資料を作成して保護者や参加者全員の前で実験の内容を発表出来るように考えました。

11時半から12時まで保護者やスタッフ一同の前で一人一人1分間発表しました。

     



その後修了式。修了式には「京都山城教育局 学校教育担当 指導主事」が視察にお見えになりました。

ひとりひとりグループ担当のカウンセラーから修了証が手渡されました。
彼らは皆子供たちからパワーをもらった。活発な質問があり聡明で、好奇心いっぱいの素晴らしい子供達と過ごせて自分たちがいろいろ勉強になりとても楽しい3日間を過ごせて感謝している。次回も是非参加したいとコメントしました。

キャンパーの皆さん、事故や病人もなく30人揃って終了証を授与されおめでとうございました。




第27回けいはんな子ども科学キャンプ
  12月22日(土)、23日(日)、24日(祝)
第28回けいはんな子ども科学キャンプ
  2月9日(土)、10日(日)、11日(祝)




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