けいはんな文化学術協会ブログ

私達は2001年6月に認証されたNPO法人でけいはんな文化学術協会と称します。

第38回暮らしの中の科学を考える「けいはんなサロン」開催

2012年09月01日 | 活動報告
けいはんなサロン「メタンハイドレート化学燃料の今後を考える」開催
8月17日(金)14:00~16:30  交流室「天の川」

電力不足が心配される関西では、この7月に大飯3、4号機が何とか運転再開されました。しかし福島原発事故以降、我が国の原子力や電力・エネルギーを今後どうするかについて国民的議論が続けられています。代替エネルギーとして「シェールガス」や「メタンハイドレ-ト」などが救世主として期待されていますが,実態はどうなのか。第158回の「けいはんなサロン」では話題提供者として、もと津山高専教授の吉永洋一氏を迎え、この問題について参加者で語り合うことにしました。吉永氏には将来のエネルギーを考えるうえで重要なカギを握る天然ガスを中心にこれからの化石燃料や、期待される再生可能エネルギーについて幅広くお話し頂きました。

三つの大切な問題(トリレンマ ― 資源・エネルギー・食糧、経済発展、環境 ―)">


化石燃料の代表格である石油の生産量が2006年にピークを迎えた。人類が資源は有限であることを現実問題として気づかされたこと、資源・エネルギー・食糧、経済発展、環境には強い関係があること、化石燃料の中で天然ガスがとくに期待される理由について述べられました。天然ガスは石油や石炭など他の化石燃料に比べるとNOXやSOXなどの排出量が少なく、また発熱量当たりの炭酸ガス(CO2)排出量も少ないのでクリーンエネルギーと言われる。また高温ガスタービンを利用するコンバインド発電(複合発電)に適した燃料なので効率良く発電ができることから、地球温暖化の観点からも効果的であることを説明されました。

シェールガスってなに?


近年、米国では従来型の油田やガス田で採集される天然ガスが減少して、海外からLNG(液化天然ガス)を輸入する必要に迫られていた。シェールガスは頁岩(シェール)にしみこんでいる天然ガスのことで、古くから資源量は確認されていたが従来は採集が困難であり放置された資源であった。ところが数年前から水平坑井と水圧破砕という技術開発の進歩により東南部地区のシェールガス生産が活発になり「シェールガス革命」と呼ばれる状況になった。一方シェールガス採集に際して大量の水を地下に放出するので地下水系の汚染など環境破壊の問題が生じている。資源・エネルギー開発と環境保護ではシェールガスも例外でなくあらたな解決策が検討されていると紹介されました。

シェールガス革命?


米国の「シェールガス革命」のお蔭で、世界のLNG市場では需給関係が緩和されつつあるが、日本ではこれまでの長期契約の関係上、いまのところ輸入価格が下がるという状況になっていない。シェールガスは欧州や中国でも埋蔵量が確認されているが、当面環境問題が解決されるまでは少なくとも欧州では普及しないと予測されている。IEA(International Energy Agency)の調査結果では、将来シェールガスがさらに開発されれば2035年時点で,石油石炭の割合が両者の合計で45%から35%に減少するのにたいして、天然ガスは全エネルギーの22%以上(現在18%)を占めるだろうと予測されている。

メタンハイドレートは燃える氷?


メタンハイドレートは「燃える氷」といわれる。低温かつ高圧の条件下で水分子は立体の網状構造をつくり、内部の隙間に目単分子が入り込んだ氷上の結晶になったものがメタンハイドレートで、地下数100m-1000mの海底やシベリアなどの永久凍土の地下に存在する。日本近海では年間消費量の数十年分以上の資源量が推定されており,現在メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムによって資源調査が行われている。今年の2月にはJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)はメタンハイドレートから天然ガスを取り出す海洋産出試験に着手した。来年の1から3月には産出試験が予定されているという説明に、会場からも資源の少ない我が国の新たな資源として期待の声が上がった。しかし、最大の課題は生産コストであり、現状ではLNG輸入価格の3倍程度かかるとみられている。

我が国のエネルギーをどうする


話しのまとめに入り,国家戦略室から提案されている「3つのシナリオ」の案が確認され、ドイツの例をたたき台に原発ゼロの可能性や、当面の問題と将来の課題の双方から今後のエネルギーのあり方について熱心な議論が交わされた。最初は、日ごろ聞きなれない難しいエネルギーの話しと思われていた方も、みなさんの活発な意見に熱心に耳を傾けられていた。基本的に環境を大切に考える方が多く、ゴミ捨て場(核廃棄物の最終処分場)のない原子力に頼るのは後世につけを回すだけで解決策にならない、最終的には再生可能エネルギーを拡大するしかない、またそのための覚悟も大切などの意見も出された。参加された皆さんも頷かれる場面が多かった。吉永氏はエネルギーに関連する幅広い情報を分かり易く紹介され,今後市民として真剣に考え判断すべき課題についてあらためて考える機会を提供されたと思います。

次回第39回「けいはんなサロン」は久々に外国人女性コメンテイターのイローナ・アレクシウナイテ(京都大学言語学研究室大学院生)を招いて9月21日(金)午後2時からけいはんなラボ棟2階「天の川」於開催致します。多数のご参加をお待ちします。

第12回けいはんな国際子どもキャンプ開催(No.2)

2012年09月01日 | 活動報告
3日目も6:30起床で散歩から一日が始まりました。レストランで朝食後、英語レッスンの2回目です。今回は広い山麓公園に出て宝探しをしながら英語や算数や地理の勉強をしました。公園のあちこちに準備された関所を訪ねて、そこで用意された問題を次々クリアしてゴールします。赤、青、黄色の各チームは皆協力してゴールを目指しました。

午後は国際学習の3回目です。なじみの少なかった国の様子が分かってみんな大喜びです。それから3回目のテニスレッスンです。みなさんあっという間に上達しました。
夕食後、今日の科学実験はロケット製作です。少し大きめのペットボトルで60㎝程の立派な水ロケットを完成しました。出来上がったロケットにそれぞれ思い思いの飾りやマークを付けて明日のロケットコンテストに備えました。出来栄えの素晴らしいロケットには、最終日にデザイン賞の表彰があります。


ロケットコンテストで100mを超しました

4日目、6:30起床に始まり散歩でリラックスしたあと朝食です。今晩の宿泊はすぐ近くの野外活動センターキャンプ場へ移動するので、朝食後キャンパーは各自の荷物を整理しました。片づけが終了して、いよいよロケットコンテストです。会場は学校の運動場よりずっと広い山麓公園の多目的広場です。4年、5年、6年生ごとに飛距離を競いました。美しい軌跡を描いて飛んだロケットもあり、カーブしたり、くるくる旋回するのもありました。なかには100mを超える大飛翔をして大きな拍手をもらったロケットもありました。

午後からは最後の英語レッスンです。今回は英語でパスポート作りです。このパスポートを持ってカウンセラーに各国の入国審査官になって貰って、慣れない英語で入国審査の疑似体験をしました。キャンパーはあっという間に6か国、7か国の旅を経験することが出来ました。そのあと最終のテニスレッスンをして、入浴後近くの野外センターに移動しました。

今日の夕食は野外センターでの飯盒炊さんです。かまどに火を焚きご飯を炊いておにぎりを作り、次に焼きそばを作りました。みんなが助け合い手分けしてキャンプ場のテーブルに配膳しました。食後には西瓜もでてきてみんな大満足の夕食でした。

緑いっぱいの中で美味しかったです

夕食後辺りも暗くなったころ、キャンプファイヤー場に移動しました。大きなキャンプファイヤーを中心に、火を囲んで歌ったり、踊ったりゲームをしました。各チームのキャンパーはこの日のために用意した出し物で大いにみんなを沸かせてくれました。その晩はそのまま野外センターのロッジに泊まりました。

キャンプ最終日、いつものように6:30起床の後ロッジの片付けと各自の荷物を整理しました。朝食後、ふれあいセンターすぐ横にあるフィールドアスレティック場に向かいました。このキャンプでの最終メニューはフィールドアスレティックです。近隣では有名なこのコースを約1時間半かけて回ってきます。かなりハードなコースも元気いっぱいのキャンパーには問題ありませんでした。みんな元気に戻ってきました。

キャンプファイヤーはいい思い出になりました


ふれあいセンターに戻って、今回のキャンプの記念写真を飾る写真楯のデコレーションをしました。みんな思い思いの飾りつけや、カウンセラーのサインをもらったりして記念の品を作りました。



第12回けいはんな国際子どもキャンプ開催(No.1)

2012年09月01日 | 活動報告
第12回国際子どもキャンプを開催しました(no.1)

 今回は第1タームならびに第2タームそれぞれ28名の募集に対して73名および70名の合計143名の応募がありました。抽選で選ばれた小学4年生~6年生が、第1ターム(28名):8月7日(火)~11日(土)、第2ターム(28名):8月21日(火)~25日(土)に参加しました。

 このキャンプは夏休みを利用して、各国からの留学生や研究者、日本の大学生と一緒にキャンプ生活を経験していただくのが目的です。欧米諸国では一般的なオールラウンド型の子供キャンプで、テニス、水泳などのスポーツや音楽、英語レッスン、科学実験のカリキュラムを通して、子ども達の「自立性」、「協調性」、「創造性」、そしていわゆる「国際性」を体験し養って頂くものです。

生駒山麓公園のふれあいセンター多目的ホール「ふれあい304」でご父兄と一緒に開会式・オリエンテーション、緊張感の中にも期待で胸が膨らみます。

最初のプログラムはテニスレッスンです。山麓公園の立派なテニスコートでさっそく汗を流しました。今日から4日間毎日テニスレッスンがあります。最終日には立派なストロークができると思います。



夕食後、最初の国際学習をしました。国際学習はキャンプ中3回に分けて行いました。第1、第2タームそれぞれに参加した外国人カウンセラーのお国(ロシア、ブラジル、ブルガリア、ハンガリー、ウクライナ、リトアニア、マダガスカル、マレーシア、スリランカ)を紹介してもらいました。いままで知らなかった国の歴史や地理や産業や料理などを、みんな興味深く聞いてたくさん質問しました。国際学習の後やっと1日目が終了して各自のベッドでゆっくり就寝しました。



 2日目は6:30に起床して、8時の朝食まで山麓公園をゆっくり散歩しました。散歩の後ドッジボールや縄跳びをして遊びました。みんな直ぐにお友達になりました。レストランで朝食を済ませて2回目の国際学習で外国人カウンセラーのお国の話を楽しく聞きました。質問も一杯しました。



次は水泳の時間です。ふれあいセンター1階の室内プールで、カウンセラーと一緒に思いきり泳ぎました。水泳の時間は毎日あるので、濡れた水着を明日のために干しました。水着干しが終わって昼食のカレーを美味しくいただきました。


午後からは1回目の英語レッスンです。今回は英語の唄 ”Twinkle twinkle little star,How I wonder what you are …”をみんな歌えるようになりました。次は2回目のテニスです。2時間たっぷり汗をかきました。最後の方で雷が来て夕立になったので少し早目に終了しました。みんな無事でした。

夕食後は科学実験です。今回は珍しいパンケーキつくりに挑戦しました。みんなは時間を決めて温度が上がる様子を熱心に観察記録しました。なぜケーキミックスの中を電気が通って熱が出たのか先生の説明を一生懸命聞きました。少し難しかったけど、あとで頂いたパンケーキにはみんな大満足でした。



パンケーキつくりの後、ふれあいセンターの玄関前広場で花火大会をしました。夏の夜の花火は本当に最高でした。今日もすべてのプログラムが終了して9時にはみんなぐっすり休みました。