けいはんな文化学術協会ブログ

私達は2001年6月に認証されたNPO法人でけいはんな文化学術協会と称します。

第12回「けいはんな国際中学生キャンプ」開催

2017年08月24日 | 活動報告
第12回「けいはんな国際中学生キャンプ」開催
この8月11日(金)から8月13日(日)にかけて、「けいはんな文化学術協会」では中学生のためのグローバルキャンプ(第12回)を2泊3日で開催しました。

今回も、宇宙航空研究開発機構(JAXA、コズミックカレッジ・ファンダメンタルコース)、(公財)関西文化学術研究都市推進機構、(株)けいはんなの協賛、生駒市ならびに精華町・木津川市・京田辺市・城陽市・交野市・生駒市の各教育委員会の御後援を得て素晴らしいキャンプを開催することができました。
「けいはんな国際中学生キャンプ」の主旨は「グローバルな視点を持ち、明日の世界を力強く生きるために、中学生が考えるべきことは何だろう?」です。「グローバル化とは、異文化を尊重しながら自らの主体性を保ち、自国の文化を語れる人間力を備えることです。語学力も大切ですが、話の中身を豊かなものにすることがもっと大切。」に気付いてもらう機会になればと思っています。

写真1 20名のキャンパーが参加してくれました。プラザビル横の木陰で記念写真

今回はお盆に重なる日程でしたが、20名のキャンパーたちが集まってくれました。カウンセラーは6名の皆様が参加してくれました。生駒市ALTのJoachim 先生(ヨアヒム、ドイツ)、Dan先生(ダン、カナダ国籍・カメルーン母国)をはじめ、京大留学中のDesi(デシ、ブルガリア)、同志社大留学中のMarwa(マルワ、レバノン)、ソルボンヌ大学生のKaoru(カオル、フランス在住の日系の方)と今回特別参加のKie (竹本 季永) の皆様でした。今回も素晴しいカウンセラーのお蔭で、キャンパーはそれぞれ貴重な体験ができたと思います

写真2 “キャンパー自己紹介” 自分のPRを書いた画用紙を持って

みんな緊張の中にも大いに盛り上がったところで、「キャンパーの自己紹介」をしました。自分のPRを書き込んだ画用紙1枚と、持参した好きな本や漫画などを紹介しました。毎回のことですが、これでみんなの気持ちをぐっと近づけることができました。

写真3 カウンセラーの“お国自慢”、みんな興味津々


次にカウンセラーの「自己紹介・お国自慢」として、カウンセラーから、お国の地理・歴史・風俗・習慣などを紹介してもらいました。まずヨアヒム先生がいつもの様に本を片手に、スライドも使わずドイツの素晴らしさを紹介してくれました。続いて、マルワさんが綺麗なスライドを使ってレバノンを紹介してくれました。
ここで夕食です。けいはんなプラザのレストラン“ラ・セーヌ”で、美味しく、楽しいひと時を過ごしました。夕食後、続けて2人のカウンセラーからの「自己紹介・お国自慢」です。デシさんとカオルさんが、それぞれブルガリアとフランスの紹介をしてくれました。素晴らしいスライドを見ながら、皆さん、初めてのお国の様子や、美味しいお料理の数々を見て、さっそく異文化の世界を感じることができたようです。
1日目の最後のプログラムは、カウンセラーからいろいろな話を直接聞ける「ラウンド・テーブル」①です。キャンパー達は4つのグループに分かれて、各テーブルのカウンセラー達と膝をまじえて、いろいろ質問したり話を聞きました。
今回はキャンプの主題として「ことばと文字」を取り上げましたが、ラウンド・テーブルでは特に「諺(ことわざ)」をテーマに、みんなで議論しました。もちろんテーマにこだわらず、幅広く話を聞いたり、質問したりしました。留学生たちの留学の動機や将来の夢なども聞くことができて、キャンパー達にも「グローバル」を意識する良いきっかけになったと思います。 

21:30頃まで熱心にカウンセラーに質問したり、話を聞いたりして第1日のプログラムが終了し、皆さんホテルに戻ってそれぞれ楽しい時間を過ごしました。

第2日目、少し朝寝坊する人もいましたが、プラザの食堂“ライン”で楽しく朝食をしました。朝食後は、プラザビルの横の木陰で全員の記念写真(前出の写真1)を撮りました。

写真4 カウンセラーと楽しくラウンド・テーブル


2日目の最初のプログラムは、昨晩に続けて「ラウンド・テーブル」②です。次々にカウンセラーのテーブルを廻って、最終的に全てのカウンセラーと親しく話をすることができました。テーブル毎に大いに盛り上がって、初めての参加で、英語に不慣れなキャンパー達にとって貴重な体験になった様です。
その後、カウンセラーの「自己紹介・お国自慢」の最後として、このキャンプ初参加のダンさんから、母国のカメルーンの話をたっぷり聞かせてもらいました。ダンさんはプロのバレーボール選手でもあった方で、その長身(196cm)で、キャンパーの頭上から響き渡る声で迫力たっぷりのお国自慢でした。生活、文化や環境の違い、スケールの大きさに、またまた皆びっくりでした。

写真5 長身のダンさんから“カメルーンのお国自慢”


午前中最後のプログラムは、「ワークショップⅠ」の①回目です。竹本さんが、分かりやすく楽しくまとめて頂いたスライド『100人の村』を見ながら、“グローバル”の意味を身近に考えてもらいました。その後、いつもの様に“100人の村”の話をテーマに、スタッフの竹本さんが用意した道具を使って、ゲーム感覚でこの地球に住む世界中の人々のこと、人口や言語や宗教や文化、それに環境や資源などについて考えました。キャンパーにとって“100人の村”は“グローバル”を意識して考えたとき、非常に分り易く参考になったと思います。

美味しいお弁当の昼食後、「ワークショップⅡ」として、今回は、NICT(国立 情報通信研究機構) の島津浩哲先生から『最近の宇宙科学の進展』と題して、広く宇宙全般の話をして頂きました。キャンパー達は興味をもって聞きました。「宇宙の果てはどうなっているのですか?」など、先生が研究中の核心に迫る質問もあり、関心の高さが分りました。“グローバル”を超える“グローバル”な話題でキャンパーにも大いに刺激になった様です。

写真6 “最近の宇宙科学の進展”を島津先生(NICT)から


講義の後、少し休憩をして次のプログラム「ワークショップⅠ」② に移りました。今回のメインテーマ『ことばと文字』ですが、キャンパーに主題を考えてもらいやすいように、まずスタッフの吉永から“話ことばと文字”について、ポイントをスライドで紹介しました。続けて、関連話題として、今回特別参加頂いた船見先生(伊賀市在住の日本語教師)から、“やさしい日本語”を本当に面白くお話し頂き、キャンパーも大喜びでした。

ここでラウンドロビン形式の4グループに分かれ、『ことばと文字』に関連して提示した課題のいくつかから、テーマを選択して議論した内容を模造紙にまとめてもらいました。例えば“英語は国際語か?”などのテーマについて、「賛成」・「反対」⇒「私たちの考え」へと皆でディスカッションし、Y-Chart方式でまとめました。キャンパーにとっては、多少難しかったけれど、日頃なかなか気がつかない大切な問題を考えるきっかけになったようです。最終日のグループ発表に向けて、熱心に議論し、立派な発表用の“まとめの模造紙”が完成しました。


写真7 “ラ・セーヌ”での美味しい夕食


夕食は レストラン“ラ・セーヌ”で、みんな仲良く楽しく頂きました。夜の部は明日の発表会に向けて、パソコンをにらみながら「キャンプの感想」や「将来の夢」などについて自分の考えをPower Pointにまとめ、時間がかかったけれど皆さん上手に仕上げました。

第3日目は、朝一番に「ワークショップⅠ」のまとめとして、昨日作った模造紙「ことばと文字」を使って上手にGr発表しました。グループごとに創意工夫がみられ、非常に充実した時間になりました。また続けて、「100人の村」の詩を朗読してもらい、地球に住むという意味を考え直すことができたと思います。最後に前回同様、その思いを含めて今回の感想を自分宛ての手紙にしました。後日キャンパー自身に届くと思いますので楽しみです。

写真8  Y-Chartを使ってグループ発表、大成功 !



キャンプ最後のプログラムは、各自が昨晩遅くまで、かかって完成したPower Pointを使って、みんなに“プレゼン”する時間です。今回は中学1年生から、シニアメンバーの高校2年生まで全員がそれぞれ工夫して個人発表しました。皆さんそれぞれのレベルにあった素晴らしい発表でした。一緒に聴いて頂いた保護者の皆様にも、印象深い発表会だったと思います。

写真9 カウンセラーから全員修了証を頂きました


閉会式では、カウンセラーからそれぞれ修了証を授与されました。キャンパーの笑顔が素晴らしかったです。サインを交換したり、記念写真撮ったりして素晴らしいフェアウェルパーティーを最後に今回のキャンプが終了しました。


写真10 名残惜しいけど、じゃーまた !


第23回けいはんな子ども科学キャンプ開催

2017年08月19日 | 活動報告

けいはんな文化学術協会は2017年度1回目の「第23回けいはんな子ども科学キャンプ」を参加者30名、7月29日、30日、31日の2泊3日 けいはんなプラザラボ棟3階の実験室及びけいはんなホテルで開催しました。


この事業は京都府地域力再生プロジェクトのご支援を頂き
協賛 :京都大学地域連携教育研究推進ユニット (公財)関西文化学術研究推進機構
(株)けいはんな
後援 :JAXA(宇宙航空研究開発機構) 精華町・木津川市・京田辺市・城陽市・交野市・生駒市の各教育委員会
のご協力のお蔭をもちまして今回23回目(年2~3回開催)を迎えました。



指導者としては当協会のスタッフ13名に加え京都大学医学部大学院、滋賀医大大学院、奈良先端科学技術大学院大学から外国人留学生8人(それぞれ出身はブルガリア、スーダン、パラグァイ、エジプト、マダガスカル、チュニジア、バーレーン、リビア)が参加しました。

第一日目は正午から保護者同伴で開会式を開催。
当協会理事長からPISAの話があり、このキャンプは日常生活において目にする現象になぜ?どうして?と科学の基本に目をむける習慣を育む機会であることについてお話ししました。その後キャンプのオリエンテーションとホテルの部屋を親子で確認しました。


その後3階の実験室に移動し1コマ目
実験①「吹奏楽器を作り、音を見よう」で楽器が音を響かせる時の科学を学びました。


この時間はキャンプの最初の実験でぺアレンツタイムとし、保護者の皆様に参観して頂きました。スタッフ一同大変嬉しく思いましたのは90分の実験時間ほとんど全員最後までご参加いただいたことです。


実験②「どうして天気は変わるのだろう」です。
どうして変わるかを詳しく説明していただきその後実験で確かめました。


その後天の川に移動し、カウンセラー達のお国紹介が始まりました。まず南米のパラグァイ出身のJuan からスペインに征服されるまでに、もともと住んでいたグアラニー人とは今でもお互いに良い関係を保っていて言語も宗教も両方が上手く調和しています。
次にMahmoud がエジプトの紹介をして下さいました。おなじみの5千年前の遺産、ピラミッドやルクソールの話に加えて産業や生活についてお話を聞きました。たくさん質問もしました。またSteff のマダガスカル紹介でアフリカの近くにあるけれどアフリカから分かれて出来た国でないこと知りました。いろいろ珍しい話で興味深かったです。


夕方6時から待ちに待ったホテルのレストラン ラ・セーヌでビュッフェスタイルの夕食です。
サラダ、ピザ、八宝菜、パンプキンコロッケ、から揚げ、焼きそば、カレー、炒飯、ハンバーグ、お蕎麦、茶わん蒸し、お好み焼、タコ焼き、プチケーキを何種類も、白玉団子、ジュース類、果物(スイカ、オレンジ、グレープフルーツ、パイナップルなど)でおなか一杯頂きました。


夕食後は実験③「波のお話とドップラー効果」の実験
① の実験で学習したことを日常の生活でみられる現象、救急車のサイレンからさらに音は波であることを実験を交えて理解しました。


8時30分、全員疲れも見せず元気にホテルの部屋へ移動しました。スタッフは就寝時間までに各部屋を2回、3回廻って困っていることがないか尋ねました。


二日目30日6時半に起床し7時からレストラン「ライン」で全員そろって朝食。和食と洋食充実したメニューで親しくなった友人達と楽しく頂きました。
朝食後ホテル前で集合写真の撮影をして実験室へ移動しました。


実験④「のぞいてみようゾル・ゲルの世界」の実験をしました。
日頃目にするお豆腐やゼリーが化学的、物理的にはどのような仕組みでできるのかを調べました。



次の時間は実験➄「プラ板の秘密」プラスチックで高分子を学び化学的な仕組みを学びました。そしてプラ板を作成しておみやげにしました。
その後「天の川」に移動してレストラン特製のお弁当を楽しく頂きました。


次はこのキャンプの他では出来ない体験プログラム「ラウンドロビン」が始まります。これは5人ずつ6つのグループに分かれて担当の外国人留学生の指導でテーブルを順番に巡回して実験します。6回ですべての実験を体験します。
⑥「顕微鏡試料の作成と観察」
自分で実際にプレパラートを作る。自分で顕微鏡の操作を実践する。この二つを必ずできるようになることです。次に顕微鏡で見えたものは実際にはどれぐらいの大きさのものなのかを認識することです。科学は目で見えない微小なものや巨大なものを探索する楽しみであることを学びました。


⑦「光が持つ性質:偏光とは何?」では光の進む方向について観察するためのいろいろな実験をしました。偏光板やテレビ石も観察しました。


⑧「食べ物のpH、糖度、塩分を測定してみよう」では日常食べたり飲んだりしている食べ物にそれぞれどれぐらい含まれているか測定器を使って測ってみました。またこれらの測定値はどのように利用されているか、それぞれにどんな意味があるか話し合いました。


⑨「電気抵抗と温度の関係」
マルチメーターを使って金属と半導体の電気抵抗値を比較しました。グラフに記入して話し合いました。


⑩「赤色はなぜ赤く見える?」の実験では吸収スペクトルの測定器を使用して観察。自分で資料を作って測定しました。グラフのデータでいろいろ話し合いました。


⑪「表面張力の不思議」日頃表面張力は水蓮やサトイモの葉にできた水滴で見かけます。表面張力とは何だろうか。表面張力と多面体の関係について学びました。一円玉をいくつ水面に浮かせることができるか競争しました。水銀ではどうかについても学びました。

以上⑥~⑪は2日目午後と3日目10時まで続きました。

6時から昨日と同じホテルのラ・セーヌで楽しく夕食を頂きました。


その後「天の川」で4人のカウンセラーのお国紹介がありました。まずHibaからスーダンの紹介でニュースで見ているスーダンとは異なった印象でした。次にチーフカウンセラーのDesiからヨーグルトでおなじみのブルガリアの紹介です。次にEbi は私達が普段から耳にしないバーレーンの紹介です。小さな島国で石油の産出国でした。最後のMahdiは北アフリカの国チュニジアの紹介です。意外に私達の食卓に出る食品でお世話になっていたりしました。

長い、長い一日でしたが誰もダウンすることなくホテルに帰って休みました。


最終日は6時20分に起床してチェックアウトの準備をして昨日同様1階のレストラン、ラインで朝食をおなか一杯戴き、実験室に移動しました。


全部の実験を終了して、最後の実験について担当のカウンセラーとグループの5人で実験についてまとめたりディスカッションした内容などを発表出来るように考えました。
11時半から12時まで保護者やスタッフ一同の前で一人一人1分間発表しました。


このキャンプは山城教育局主催のサイエンスラリーに参加していますので山城教育局から教育長の沖田吾伝様と田中英行指導主事が見学に来訪されました。



その後修了式。ひとりひとりグループ担当のカウンセラーから修了証が手渡されました。またカウンセラー達から一緒に過ごしたキャンパーについて感じたことを発表してもらいました
彼らは皆子供たちから活発な質問があったこと、聡明で、好奇心いっぱいで素晴らしい子供達と過ごせて何より自分たち自身がよい経験になったとコメントしました。

事故や病人もなくみんな元気に楽しくキャンプを成功できました事に感謝!です。