けいはんな文化学術協会ブログ

私達は2001年6月に認証されたNPO法人でけいはんな文化学術協会と称します。

公開シンポジウム「科学者の社会的責任について考える」開催

2013年05月30日 | 活動報告
去る3月29日(金)午後2時~午後5時、公開シンポジウム“科学者の社会的責任について考える”が「けいはんなプラザ・交流棟」を会場に開催されました。これは昨年、京都大学が中心になり発足させた ≪けいはんな文化・科学コミュニケーション推進協議会≫ (代表:京都大学大学院教育学研究科 高見 茂教授)が主催するものであり、委員の一人である筆者がそのコーディネーターを務めましたので、その概要についてご紹介します。
シンポジウムのオーガナイズを命じられたのは、過去に文部科学省委託の「サイエンス・メディエーター制度の推進」という政策提言プログラムを調査研究代表者として担った経緯があるからです。お引き受けするに当り、(独)科学技術振興機構 社会技術研究開発センター長で政策研究大学院大学教授の有本建男氏をメインスピーカーとしてお呼びすることとして、さらに学研都市域で活躍されているNEC中央研究所C&Cイノベーション推進本部長の山田敬嗣氏、同志社大学心理学部教授の内山伊知郎氏のお二人をお迎えしてシンポジウムを構成することにしました。
春休みの学会シーズンでもあり、大学を中心とする研究者の参加は期待できないため、あらかじめ主旨を説明したメールを各分野12名の方に送り、事前に意見を伺った上、討論の経過をみながら、それらを紹介する準備もして臨みました。当日の参加者は78名で、一般市民ならびに地元教育研究機関の方々(学研都市推進機構をはじめ、国際電気通信基礎技術研究所、日本原研関西研究所、国会図書館、地球環境産業技術研究所、奈良先端科学技術大学院大学など)が約半数ずつという構成でした。

まず、コーディネーターを務める筆者が、現在、大学教授をはじめとする科学者が如何に市民から信頼されていないかということと、それが風評に代表される様々な社会的歪を生んでいることを具体的なデータで示した後、スピーカーからの話題提供をして頂きました。
メインスピーカーの有本氏は2004年、文部科学省科学技術・学術政策局長時代に科学技術白書を初めて「科学と社会との関係」を軸にまとめられた方ですが、1999年のブダベスト会議(ユネスコとICSU主催)の「21世紀のための科学世界宣言」の中の「社会における科学と、社会のための科学」をベースに、科学と社会の関係が新しい局面を迎えている国際的な流れを意識して議論が進められました。
大学や学協会が内閣府や文科省からの「街へ出ていって市民に説明しなさい」という通達のもとに実施している「アウトリーチ活動」もその一環ですが、その現状を受けて、山田氏は企業におけるCSR活動(Community Service Responsibility活動)が市民に対して何かをするということでなく、市民から企業が教えて貰うのだという姿勢に移行しつつあり、そうでなければもはや社会的イノベーションは進まないと表現され、学研都市で具体的に実践している内容を紹介されました。また、内山氏は心理的な側面が新しい科学・技術が社会的に受容される過程で重要であることを発達心理学の研究を例に紹介されました。これらの話題の中で、会場の女性研究者(食品科学)から保健栄養食品を開発する場合に、美味しさから入って行くという発言もあり、共感を呼ぶとともに、あらためて各スピーカーによる話題提供の意図を理解した人も多かったように思います。

コーディネーターの方針として、メインスピーカーと言えども壇の上にあげず、参加者は全て同格という考え方で、講演途中でも質問が許されるように運んでいましたので、はじめから活発な質疑が交わされました。このような運びをほかで体験された方は少ないと思われますが、そのお一人から「重要なテーマについて、多様な視点から貴重なお考えを伺うことができ、本当に勉強になりました。また、あのようにフラットな形で運営されるシンポジウムを聴講するのは始めてでしたので、その点でも良い経験をさせていただきました」というメールを頂戴しました。
参加者の市民の中から「科学・技術のことを市民が全部知るのは無理だ」だという発言がありましたが、少し趣に差があるものの同じニュアンスのご意見が市民(女性)ならびに大学関係者から寄せられたことも紹介させて頂きました。これはもちろん、アウトリーチ活動やCSR活動は意味がない、ということを意味しているわけでなく、科学・技術に対する意識の持ち方が問題だということです。
参加者の発言が相次いだことを先に書きましたが、このような場の有効性は参加者の発言数や発言の誘発率で評価されます。その点、今回の発言率はゲストと主催者を除いて18%で、実に参加者の5.3人に1人が発言されたことになります。また、定量的評価は難しいものの、発言の誘発率もかなり高いものでした。行政や大学等が主催するものでは、形式を整えて、実施したという記録を残すためだけにやっているものが多いのですが、本シンポジウムの主旨から言ってもこのあり方を是非見習って頂きたいと考えています。
全体としては、有本氏の発言の中にもありましたが、科学と社会の関係が新しい局面を迎えているとして、科学×人文・社会科学という国際的な流れ(トランス・サイエンス時代の科学技術)を念頭において討議が展開されました。
また、真面目な大学の研究者の平均的な姿勢として「責任を感じるがそれを果たせないもどかしさを抱えている」という面があり、それが「良い方法があれば教えて欲しい」という声もありました。ここで討議の内容を全てお伝えすることはできませんが、内容は実に濃く、重いし、有本氏の講演の基調であり、国際的流れである「科学技術と社会・政治・政策をむすぶ (Bridging Science and Society)」 において一般市民もまた重要な役割を期待されていますので、真面目な科学者の悩みも含め、あらゆる階層をこえて前に歩を進めるべきであり、この辺りが今後の主催者である協議会の活動の進むべき方向であるようにも思いました。
このシンポジウムは映像も含めて京大の高見教授のもとで記録されており、主催者である推進協議会の今後のあり方を検討する材料にさせて頂くことになっています。なお、各スピーカーが準備された配布用の資料に若干の残部がありますので、ご希望の方は当協会までご請求下さい。

補足: けいはんな文化・科学コミュニケーション推進協議会は京都大学大学院教育学研究科の高見 茂教授を代表にこれからの科学コミュニケーションの新しい形の創造を目指してその社会的仕組み、方策を考えるために2012年度に設立されたもので、京都大学のほか、京都府、周辺自治体の教育委員会、学研都市に所在する主要研究機関から選出された委員が定期的に会合を開いて協議をすすめています。
以上、けいはんな文化学術協会のブログの場を借りてご紹介させて頂きます。
        2013. 4. 25 けいはんな文化学術協会理事長 高橋 克忠

第166回けいはんなサロン「大規模スーパーにおける食品の品質検査」開催

2013年05月21日 | 活動報告
第166回けいはんなサロン - 暮らしの中の科学を考える -「大規模スーパーにおける食品の品質検査」が次の通り開催された。
日 時:平成25年4月12日(金) 午後2時~4時30分
場 所:けいはんなプラザ・ラボ棟2F交流室「天の川」
話題提供者:(株)生活品質科学研究所 中央研究所 主席研究員 黒瀬 直孝 氏

誰もが関心を寄せる身近なテーマであり、50人近い市民の方々が参加された。黒瀬氏の所属される研究所は大型スーパーの代表であるAeon (イオン)の一部門で、そこで販売されている商品の安全性を検査しているところである。食に関する安全と安心を届けるのが責務であるとの立場から、消費者ニーズに応えるために他ではなかなか真似のできない独自の検査体制や設備、企業内での商品規格設定、さらに固有の商品(トップバリュ)を開発する部門を整え、大変な努力をしておられることを示された。

まず、検査すべきものとして、(1)食中毒菌などの微生物検査、(2)添加物や残留農薬、アレルゲンなどを分析する理化学検査、(3)セシウムに代表される放射性物質の検査、(3)表示の検査、の4種の項目に分類して実施していることを述べられたが、社会的責務という立場を常に意識されていて、現行法のもとできちんと責任を果たすということが良く伝わってきて、参加者に非常に好感をもって迎えられたという印象である。講演では昨今の関心事であるアレルゲンならびに放射性物質の検査に話題を絞って紹介された。いずれも前置きとして最低限の科学的解説をされたのが聴衆にとって非常に理解の助けとなり有益であった。また、参加者にとっては実際にスーパーの「イオン」ではではこんなことまでやっているのかという驚きとともに、安心感を与える契機になったと思われる。

話の中では、国の基準があるにも拘わらず、アレルゲンや残留農薬等についてさらに厳しい条件を企業基準として課し、それをクリアーしたものだけを販売するという体制をとっておられることを述べられたが、これは筆者はもちろんのこと始めて聞かされた人が多かったのではないだろうか。
アレルゲン検査はELISA法やウエスタンブロット法などの最新の化学的および生化学的手段を用いて行われている。そうでなければならないのは当然としても、こうした検査を他の小売店も実施しているかどうか気になるところである。しかし、個人商店など設備投資に余力がないところでは到底実施できないほどに多数の項目があることを実感させられた。もし、これが自主規格でなく法的に義務づけられた場合には自営業などの小規模商店ではもはやついていけないのではないかと危惧される。
なお、アレルギーは成長とともに治癒する場合も多いが、このような検査をしていることがアレルギー疾患で苦しむ人に強い安心感を与えている半面、検査で不合格のものを販売からはずすということが、アレルギー症状の自然治癒を妨げていることにならないかという良心の痛みも抱えておられることを正直に話されたのは印象的であった。この種の講演ではこれだけやっていますよというPR的な側面が強調されがちだか、その点については研究者らしく謙虚な姿勢が聴いていてとても清々しい気分にさせてくれた。

ただし、筆者には二つの気になる点があった。一つは遺伝子組換え食品ゼロを目指すというポリシーが社内で有力だということである。たしかに一般市民の遺伝子組換え食品に対する不安感は払拭されていないが、この姿勢は極論すれば、「この豆腐は原料として遺伝子組換え大豆を使っていません」と商品に記載する設け最優先の悪徳業者に類するものになりかねないことを心配する(現行法では遺伝子組換え大豆を使った豆腐はそのように表示する義務があるが、不使用のものは表示義務はない)。もう一つは企業の方針として放射性物質が含まれないもののみを扱うという考え方があるという点である。講演の中では丁寧にカリウム40に由来する自然放射能が海藻など種々の食品に含まれることを紹介されたが、もし、「当社では放射性物質を含む食品は販売しておりません」と市民に対して言えば、誰もがそれは危険だからそのようにしているととるはずである。
上記の二点はいずれも最近の市民におけるゼロリスク志向の意識を反映していることで共通している。近年このゼロリスク志向は様々な社会的歪を生み、場合によってはパニックを惹き起こすかもしれないということで問題視されている。ここで筆者が危惧するのは遺伝子組換え食品、放射性物質のいずれであっても、上記の姿勢が消費者ニーズに沿ったものといいながら、一方でこのゼロリスク志向を助長するのではないかという想いである。
スーパーのイオンあるいは(株)生活品質科学研究所にそのような意図はないはずであるが、真の企業における社会的責任(CSR:Community Service Responsibility)とは市民と一体になって未来社会を建設する責務を果たすことにある。折角の真摯な取り組みが単に消費者ニーズに迎合するようにとられたら、却って企業のイメージを悪くしてしまうのではないか危惧する。
3月29日に当協会と京大教育学部の共催で開いた「科学者の社会的責任について考える」というシンポジウムは実はこのことを中心的なテーマとして問うたものであり、ゆがんだ教育政策を指摘してその是正を図ろうというものであった。容易に風評に流される市民を育てる教育のゆがみに無批判に追随し、利益を最優先するのではなく、ゼロリスク志向が様々な社会的歪を生んでいることを重くみて、市民と手を携えてよりよい社会を建設することこそ企業に求められる社会的責任であり、こうした感想を想い抱いたのは筆者だけではないと考える。
(けいはんな文化学術協会 理事長 高橋 克忠)



第11回けいはんな子ども科学キャンプ開催

2013年05月11日 | 活動報告
第11回けいはんな子ども科学キャンプ開催
 春休みの3月27日から2泊3日、参加者21名で小学生高学年を対象に開催しました。会場はいつものように「けいはんなプラザ・ラボ棟」の子ども科学実験室で、「けいはんなプラザ・ホテル」に宿泊しました。
新しい友達と仲良くなれるかな?         みんな真剣に実験始まり!

このキャンプには第1回の時からのコンセプトとして、日頃疑問に思っていることやまた何気なく見過ごしている現象を観察し、そこにある法則性を見つけ、またそれが普遍的であるかどうかを確認するという科学のあり方を基本にして科学的思考習慣を育んでいただきたいという思いが第一にあります。また2番目は毎回参加してくれる優秀な外国人キャンプ・カウンセラーと共に3日間を一緒に過ごし、実験を楽しみ、出身国についてのプレゼンテーションを聴くことにより国際性を身につけていただきたいことで、今年も5人の優秀な留学生と1名の日本人学生が協力してくれました。そして3番目は初めて出会う友達とホテルに泊まり、協調性と自主性を養うことであり、科学実験をするだけでなく、文字通り寝食を共にすることで有意義な3日間を体験していただきます。なお、今回のキャンプ・カウンセラーはブルガリア、ハンガリー、日本、ケニア、リトアニア、スリランカから各1名、計6名に担当して貰いました
葉っぱで笛を作ってならしたの初めて           顕微鏡の操作って楽しい

実験は90分が単位で、担当スタッフがテーマにそってオリジナルの装置や器具を準備し、それぞれ理解しやすくするための工夫をし、キャンパーたちに与えて実施しています。前半は全員が同じ種目を行うテーマ実験、後半は少人数に別れて行うラウンド・ロビン実験を楽しみました。テーマ実験は年度の始めにスタッフ会議で討議して決めますが、今回は、船や飛行機における浮力と揚力の基本、顕微鏡観察を通して観た葉っぱの構造や生化学的機能の仕組み、簡易な星座早見表の工作をベースにした宇宙科学入門、カイロの発熱を実験器具の中で再現した酸化反応の学習、そして銅線による簡単なモーターの製作とそれをもとにしたリニアモーターカーの科学、を楽しみました。
   なかなかうまく回らないよ            いっぱい美味しいものあってどれにしようかな

後半のラウンドロビン実験は高倍率顕微鏡、ガイガーミュラー放射線量計測器、紫外・可視分光光度計、高感度デジタルマルチメーターなど、実験室の定置器具・装置を用い、3~5人の少人数に分かれて実施するもので、各種食品の塩分・糖分・pHの測定、食塩の放射能強度とカリウム含量の関係、白金と半導体サーミスタにおける電気抵抗の温度依存性の違い、葉っぱから抽出したクロロフィルの可視吸収スペクトルの測定とそれにもとづく光合成の学習など、担当のカウンセラーの指導のもとで行いました。
ハンガリーに行ってみたいな           はい!10秒 何度?

ハードなメニューのようですが、朝は8時から夜は9時前まで誰一人落後するものもなく最後まで楽しむことができたのはキャンプ・カウンセラーの細やかな気配りと担当スタッフの行き届いた準備によるものです。実験の合間の食事はキャンパー、カウンセラー、スタッフも共にホテルで用意されたものをとります。さらに食事後の休憩時間を利用して留学生によるそれぞれの母国の地理・歴史・文化・風俗習慣の紹介があり、キャンパーだけでなく、スタッフも熱心に聞き入っていましたが、子どもたちが積極的に手を挙げて質問をする姿勢がとても印象的でした。
これが飛行機の飛ぶ仕組み?           ガイガーミュラー放射線量計測器初めて見たよ

ペアレンツアワーは開会式の直後のテーマ実験と閉会式(修了式)の直前のラウンドロビン実験を当てましたが、保護者の方々も熱心に見学して下さいました。修了式は「とても楽しかった. 次回も楽しみにしています」、「もっとキャンプの期間を長くしてほしい」などキャンパー全員から感想が一言ずつあり、さらに「スタッフやカウンセラーの質問に的確に答え、自分から活発に質問をしているので感心した」などカウンセラーからも挨拶があり、グループ担当のカウンセラーから全員に英文の修了証(Certificate of Achievement)を授与して終了しました。いつもの光景ながらカウンセラーと抱き合って別れを惜しむ子どもたちの姿がスタッフの労苦をとても癒してくれました。
ジュースって糖分多いんだね            分光光度計で測るといろんな事分かるね

事後のアンケートで保護者からは「人見知りな性格ですが、初めて会った同じ班の子とお話しすることが出来自信がついたようでした」、「見るだけでなく実際に手を動かして行う実験の楽しさを知ったようです」、「刺激をたくさん受けたようで帰ってから積極的にPCで調べたり少し違った事に興味を示すようになった」、「今回3回目ですが毎回大きく成長して帰ってくる姿をとても頼もしく思います」、「プログラムが楽しかったらしく新しい実験にも興味があるようで、また参加させていただきたいと思います」、「積極的になり、顔つきがしっかりしました. 以前から科学が好きでしたが科学好きに拍車がかかりました」、「親から見て変化は感じ取れませんが、良い刺激を受けたと思います. 本人は大変良かったと喜んでいます」、「タラさんに教えていただいたPC操作と熱心に取り組みました」、「カウンセラーの方々の出身国についての話を親子で話し合い、今まで知らなかった国を少し近く感じていつか訪れてみたいと言っています」、「頂いた資料を広げ直し、嬉しそうにノートに張り付けました」、「ノートにはメモや表が書き込んであり、一つ一つの実験に興味を持って熱心に取り組んだ様子が見て取れました」などの回答をいただきました。
多くの要望を受けて次回のけいはんな子ども科学キャンプは7月28日から30日に決定しました。皆様のご参加をスタッフ一同お待ち申し上げます。

      2013. 4. 20.

第165回けいはんなサロン開催

2013年05月06日 | 活動報告

第165回けいはんなサロン開催
・日時:平成25年3月15日(金)14時~16時30分 
・場所:けいはんなプラザ交流棟2F「天の川」
・テーマ:人に“やさしい”車とは
      ~車はどこまで安全なのか?~
・話題提供者 松浦 譲氏 大阪産業大学名誉教授
元工学部交通機械工学科自動車性能・特性研究室

<概要>
現在世界中で10億台を越える車が普及している。人類は利器として氏に利便さを享受しているが、反面凶器として車社会に諸問題を惹起している。その主たるものとして次の
4点が挙げられる。①資源やエネルギーの消費、②排出ガスによる大気汚染や温暖化。
③騒音・振動公害や交通事故、④車両やパーツ類の廃棄等である。
これら諸問題への取り組みとして環境と車と人間との調和が必要で、地球に自然に環境に
やさしい車、人にやさしい車が求められている。


まず松浦氏は人にやさしい車とは 1.人に対して思いやりがあり不便を感じさせない心配りの行き届いた車 2.操縦ミスを起こさない、気を遣わない、操作が容易な車 3.人に危害を与えないクリーンで事故を起こさない安全な車であると定義付けられた。
 その上で交通事故の現状や推移のデータを示し特に高齢者の事故増加に焦点を当て解説があった。



交通安全施策として3E:工学(Engineering),教育(Education),規制(Enforcement)の理論をベースに道路環境-車-人間からの安全対策が紹介された。特に人を安全に包むやさしさとして車をぶつけない、ぶつからない運転支援システム、もしぶつかった場合車体の耐衝撃吸収やエアバッグ・シートベルト等人への対策等詳細に説明された。
この数年は多くの安全対策が講じられて車の安全性は格段に向上しております。5年以上前の車を運転している皆さん特に高齢者の方は今すぐ新車に買い替えがお薦めです。



<コメント>
高齢者の多い参加者を目にして開口一番“高齢者に大切なことは「きょういく」と「きょうよう」です”と話されなんだか固い話だなと思った。しかし“今日行く”ところがある、“今日用”がある事が大事です。暇を持て余す高齢者にならないような生活に心掛けて下さいとの主旨だった。見事なアイスブレークで即座に会場の雰囲気が和らいで楽しい話題が提供された。安全対策で詳しい説明があったが例えば如何にシートベルトの機能が向上していても実際に試すわけにもいかず実感できないもどかしさがあった。永年に亘る車に対する氏の深い思いが伝わってきた。