きれいな季節だけど。

落ち着かない。
周りは柔らかな彩が増して、きれいな季節なのに。
年々この思いがこの時期強くなる。

なんだか、きれい、という気持ちが
水でシールを心に張り付けられたような。

きれいだと思うけれど、きれいと思わなければと
自分に迫られているような。

不安なのかな。

去年やおととしの今頃に比べれば、状況は確実に好転している。
というよりも、完全に路線変更して
特急を各駅停車に乗り換えたようなものだから、
完全に比較はできないけれど。

きれいだと思うものが変わってきているのかも。
それに自分が気づいていないから、
自分の気持ちに不安なのかもしれない。

そう、
並木に萌え出ている若芽の緑よりも、
冬の何もない裸の枝に惹かれるようになってきたように。

それでも、これから咲こうとしている八重桜の一番乗りの花は、
やっぱりけなげで可憐だと思える。

早く時間が過ぎてほしいとは思わないけれど、
この迫られているような落ち着かない気持ちは
早く収まってほしい。