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動物支援センター NPO法人・アニマル ウィング

1匹でも多くのワンちゃん、ネコちゃんが幸せになりますように…との思いを込めて活動しています。

「血統書」は必要ですか?(前編)

2012-04-14 15:13:46 | 動物愛護
世間では血統書の犬猫が良いと信じられている傾向があるようです。
しかし、それは本当でしょうか?実際のところはどうなのでしょうか?

ここで、雑種の子がもらわれなくてかわいそうだからとかいう感情的な理由ではなく、論理的に血統書であるということはどういう意味を持つのかを書いていきたいと思います。

血統書=すばらしい、迎えるなら血統書の犬猫と思いこんでいた方はぜひ考えて頂ければと願います。

私(佐賀シェルター野口)は犬ヲタですから、犬についての知識から書くことになりますが、このことは猫にも多々当てはまることかと思います。

長文になりますから、何回かに分けてお送りします。


1.血統書の犬が作られた経緯・歴史的背景

これは、多くの人はご存知のことだと思う。作業能力を人為的に発達させた「ワーキング・ドッグ」達は、能力を偏らせることで特殊な犬種類を作り出しているのである。それは、過去の時代には必要なことであった。人間と犬が協力し合って築いてきた生活がある。羊をまとめる牧羊犬・狩猟のパートナー猟犬などはとりわけ必要なものであった。


2.作業に向いた犬種を家庭犬にするという選択

しかし、歴史の流れの中、すでに実用としては必要とされなくなった犬種も存在する。文明の発達した社会で、一般人に猟犬が必要であろうか?猟犬を家庭犬として飼うことは現実的であろうか?私はそうは思わない。
猟犬や牧羊犬種を飼っては、「体力が過ぎる」「いたずらが過ぎる」と言って手放すことがあちこちで起こっている。正直、そのような犬種は家庭犬向きではないのだ。

訓練競技会に出場したいとか、毎日一緒に長距離をジョギングしたいなどという目的でもあれば別だろうが、ただ、見た目が好みだからとかで迎えるのには向かない作業犬種は多々存在する。ボーダーコリー(牧羊犬)、コーギー(牧羊犬)、ジャックラッセルテリア(猟犬)などは、90分の運動を1日2回は最低必要とする犬種である。とにかく仕事を与えて欲しくてたまらない犬種も存在する。例えば、ボーダーコリー、リトリバー系の犬達である。そういう犬種は、とにかく人間に構ってもらい、何か仕事を成しえることで、情緒が安定する傾向を持つ。常に犬に構える環境にない人に飼われた場合、犬の溜まったフラストレーションはいたずらなどの行動に繋がってしまう。そうやって、捨てられる作業犬種は後を絶たない。どうやら、そのような犬種を選んだ人は、黙っていても盲導犬や警察犬になると思っている傾向があるらしい。盲導犬や警察犬になれる犬は、ラブラドールやシェパードでもごく一部であり、連日プロのトレーナによる訓練を欠かしてはいないことを知っていて欲しいと思う。

血統書の犬の中で、特にこのように作業に向いた犬種を家庭犬にするということのリスクについては考えるべきところであると思う。

(つづく)

今後の予定
3.虐待繁殖
4.血統書にこだわる人の主な意見
5.「原始犬」とそこからの進化
6.犬の犬による犬のための進化とは
7.結論
という形でお送りしたいと思います。

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コメント (2)
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