《 自動創作プログラムが作製したショートショート作品です 》
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『おやすみなさい』
白色の壁と淡く光っている床、天井の通路をゆっくりと歩き、自動扉の前に立つ。
知能カメラの視線を感じたまま、しばらく待っていると音もなく扉が開く。
目の前にあらわれたのは、グリーンに統一された落ち着きのある空間。
光る床の案内指示に従い移動すると完全個室のブースにたどり着いた。
そこに待っていた、天使の(観音様?)様な微笑みの完全癒し系のきれいなお姉さんに促されイス座る。
こうしてここにいる自分を思うと、ついに俺もシュラフ生命社、医療センターの厄介になる時が来たのだと現実を受け止めていた。
天使さまのやさしいヤサシイ最終確認の説明を一通り聞き終え、俺は無言のうなずきを返す。
机上に置かれた契約書にいまどき珍しい年代物の万年筆で承諾のサインを済ます。
最新科学の結晶であるこの医療施設でこんな万年筆を使い手書きでサインする。
命を扱っている企業の責任感というか、このこだわりがなぜかうれしい。
体の最終チェックを受け用意された、冬眠誘導剤入りのジェル状液体をゆっくりと飲み干す。
同じサービスを受けている友人に聞いていた通り黒酢の味がした。
準備がすべて完了し全裸になった俺はシュラフ(寝袋のこと)装置の中に体を滑り込ませる。
これで俺は6ヶ月間極低温状態で眠ることになる。
最新の冬眠カプセル。半年間は完全に細胞の活動を停止させてくれる機械。
半年眠り、1週間目覚め、体調を整えてからまた半年眠る。
そんな暮らしをこれからずっと続ける。
末期癌の俺にはこの道しか残されていない。治療法が見つかる未来の世界を待ち続ける。
プチタイムマシンの力を借りながら…
《 お わ り 》