J1第7節(20日、NACK5スタジアムほか)大宮は浦和との「さいたまダービー」を1-0で制し、昨年9月から続く負けなしをJ1新記録の「18」に更新。勝ち点17で2位に浮上した。浦和は今季初黒星で、同16の3位に後退した。
小雨のなか、過去最高の1万3016人が集結したNACK5スタジアムに、大宮イレブンの雄たけびが響き渡った。オレンジ色に染まったスタンドが大きく揺れる。今季無敗同士の浦和との「さいたまダービー」を制し、昨年9月のダービーから始まった連続不敗を18試合に更新。新たな歴史を刻んだ。
「勝てたので、それだけでうれしい。サポーターが最高の雰囲気を作ってくれた」
決勝アシストのMF渡辺が喜びをかみしめた。前半ロスタイム、浦和DF那須が負傷でピッチの外に出たスキをついた。ゴール左からDF下平とのワンツーで縦に抜けると、ドンピシャの低いクロスをFWズラタンへ。あとはエースが右足で合わせるだけだった。
堅守が新記録を生んだ。昨年6月にスロベニア出身のベルデニック監督が就任して守備の再建に取りかかると、9月にはロンドン五輪男子代表のヘッドコーチだった小倉勉氏をコーチに招いた。守備の位置取りを徹底的に見直し、練習中はセンチ単位で指示が飛んだ。
GK北野は「5センチ違うだけで対応力が全然違う」と説明する。この日の後半は攻め込まれる場面が増えたが、クロスを入れられても競り負けるシーンはほとんどなく、MF金沢は「ポジショニングのよさがいい結果につながった」と笑った。
これで負けなしの18試合中、無失点は10試合目。2005年のクラブ記録に並ぶ4連勝で2位に浮上した。毎年残留争いに巻き込まれてきたチームを躍進させた指揮官は、「(連続負けなし記録を持っていた)鹿島のような大きなクラブになるきっかけになる」。覚醒した“オレンジ軍団”が、ビッグクラブへと変貌を始めた。
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