クラシック音楽徒然草

ほぼ40年一貫してフルトヴェングラーとグレン・グールドが好き、だが楽譜もろくに読めない音楽素人が思ったことを綴る

J.M.コレドール 「カザルスとの対話」(2) 知られざる3人の巨匠

2024-04-13 13:25:53 | 図書・映像・その他
エマヌエル・モール Emánuel Moór 1863~1931
ドナルド・トーヴィ Sir Donald Francis Tovey 1875~1940
ユリウス・レントゲン Julius Röntgen 1855~1932

カザルスはこの3人について、
”この3人の大音楽家は忘れられている。
音楽会のプログラムにそれらの名がみられるのはいつのことだろう?
しかしながら、他の作曲家の名より彼らの名のほうがプログラムに載る資格がある、ということは確かだと思ってよろしい・・・”
と語っていて、大いに評価している。
が、カザルスの思いもむなしく、現在の音楽会プログラムで彼らの名を見ることはない。
不肖わたくしも本書を読んで彼らを初めて知った。

カザルスがこれほど言うならすばらしい曲を残しているに違いない、と思って動画を探してみた。
まずは、エマヌエル・モールの「チェロ・ソナタ」イ短調 Op.53


次はドナルド・トーヴィ卿の「チェロ協奏曲」ハ長調 Op.40。この曲についてカザルスはこう言っている。
”この曲は、作曲者が光栄にも私に献げてくれたものだが、私はそれが彼の作品中一番重要なものであり、セロ音楽史でもっともすぐれた名曲のあいだに伍する値打ちがあると信じている。”


3人目のユリウス・レントゲンの曲は「チェロ・ソナタ第2番」Op.41で、1901年の曲らしい。


これらを聴くと、カザルスがどんな曲が好きだったのかよくわかる。
彼らと同世代の作曲家には、マーラー(1860~1911)、ドビュッシー(1862~1918)、シベリウス(1865~1957)らがいる。
カザルス推しの3人が現在サッパリで、マーラーらがメジャーなのはなぜか?
理由はなんとなくわかるが、世の好みは移り気なので、将来”レントゲン大リバイバル”もあり得ないわけではない。
そんな時代が来れば、天国のカザルスもうれしいだろう。


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