南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

南西諸島貝殻学入門-022

2013年10月25日 | 生命科学

 

南西諸島貝殻学入門 

             -022

 

 

 

加計呂麻島太平洋岸秘密の浜辺・・・・・足跡は筆者

 

今年最大規模の台風27号が接近中です。未だ進路が揺れ動いており、奄美群島がに直接向かってくるかどうかはわかりません。台風26号は伊豆大島に大災害をもたらしました。進路の近所の方は十分注意してください。今のところ最大風速75m/s 920Hpです。

10/25 AM 10:00ころ通過しました。まだ強風が吹いています。 

 

 ミニ貝殻博物館訪問記  

 

加計呂麻島・伊古茂の傍の海上タクシー乗り場

殆ど見たことのある貝の中で、未見の貝。         ↑・何でしょうね?  

 

夢が湧き上がるような奇抜な形。フィリッピン辺りから流れて来たような?来年は是非海中に潜ってこの貝を探してみたいですね

夜光貝」達

 

加計呂麻島は<夜光貝>が豊富です。以前、大島海峡で大きなものを拾いました。初めは砂浜に埋まった鍋かと思いましたが・・・磨くと美しい光沢が有ります。

 先日の台風26号の後数日後に、加計呂麻島々の太平洋岸のプライベート・ビーチで貝拾い。うねりが意外と強く、この写真を撮った後に長靴を履いて行ったのにもかかわらず、膝まで波を被ってびしょ濡れになりました。波の高さは気まぐれですぐ騙されてしまいます。波は甘く見てはいけません。 台風通過後でしたので、まあまあ程度の収穫でした。

 

そこそこの収集品-01 

 

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 03

  

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特別の逸品は有りませんでしたが、そこそこでしょうか。それにしても先回ヤドカリに持ち逃げされた貝は素晴らしかったのですが・・・そんなもんです。では、その中から 幾点かご紹介しましょう!

 

ハチジョウダカラ・87mm

 

知人の別荘の傍のプライベート・ビーチの珊瑚の砂浜に、ポツンと転がっておりました。余り良い貝がなかったので、もう帰ろうかと思って岩礁を越えたところで、うねりの波を被ってびしょ濡れになりました。長靴の中まで海水。ウンザリして歩きながらひょいと先を進み、何の気なしに浜の上のほうに眼をやると、この貝がたった一個、白い細かな珊瑚砂の上に置かれるように、落ちておりました。

 

 

 

 貝殻拾いはこんなものなのです。諦めかけて止めようとしたした瞬間、良い貝が眼に飛び込んでくるんです。意地悪されているような感じ。

少し磨耗が有りますが、拾いの場合はこの辺りが普通。傷もなく良品です。最近、ハチジョウダカラが取れませんでした。久しぶりでしょうか。このサイズは。 

 

 

 

上は今回採取、下は海中で生採取したもの。殻の鮮やかさが違います。

                  ベニタケ紅竹 80mm

 マキザサ・巻笹 60mm

いつもの連中ですが、それほど磨耗や折れも有りません。水中採取ですと先端が折れないのですが。拾いはこれが限界です。

 

スクミウズラ竦み鶉 65x60mm

                

初めて 完品を拾いました。砂浜の珊瑚石の上に転がっていたにもかかわらず、割れ傷なし。奇跡!殻が華奢で薄いので、普通は欠けが酷いのが大部分。波の悪戯でしょうか。

ウズラガイ・鶉貝  90x70mm 

 

可也大きなウズラガイですが、殆どこんな有様になってしまいます。

左右が一個でしたらすばらしいのですが、殻が薄すぎるのでしょうか。 

 

 

クモガイ  105,120mm

         

 

何時もの秘密の浜で採取した貝。 小さいのですが貝の蓋が無いだけで、完全な完品。砂浜に転がっているだけで、これほどの貝は滅多に取れません。偶然ですね。必ず拾いの貝は突起の所が磨耗しているか折れております。珊瑚の石は固いので、どうしても磨耗するか折れてしまいます。完品でなければ、幾らでも転がっております。ただ、場所がなかなか眼に留まらない・・秘密

 

スイジガイの殻と内臓と蓋

 

 大波に打ち上げられておりました。拾ったときは生きていましたが、入れ物の中の海水では、生きていれなかったようで、あえなく昇天。まだ幼貝でした。蓋は牙のように鋭く、これで砂浜を漕いで動きます。スイジガイは運動能力が結構あります。力も強い。

 

ちょっと一服 

                「話の喫茶店」  

 

 この2個の貝殻はスイジガイの幼貝の貝殻です。下は先ほどの拾った生貝。上はヤドカリが入っていた貝殻。一見同じですが、先端が違います。

 

 

磨耗が有りません。ヤドカリは磨耗の有る貝殻は通常好みません。眼で理解して殻に入居します。適当な貝が無ければどんなものでも入ります。人工的な入れ物でも。しかし、本音はお洒落です。そのようなことから、ヤドカリが入っている貝は、完品が多いので人間と取り合いになります。水槽に入れて死んでから、殻だけ頂きますが、相手次第。何ヶ月も待つことも有りますね。

                  殻先に磨耗が無い

 

ヤドカリには美的センスがあるようで、美しいという感覚が有るのでしょうか。人間のように?どんなに小さい貝の殻でも同じことが言えます。色合いや模様の美しさも解るようです。鳩などの鳥類は頭の良いのが居りますが。・・・・貝の模様は眼の無い貝にはどのようにして、自らが殻に描き出すのか? 自然の不思議なところです。偶然がそうさせるのか。単純な繰り返しの数学的な美しさなのかはわかりませんが。

殻の中には非常に複雑な美しい模様をしたものが有ります。専門デザイナーでも脱帽クラスの貝が存在します。 設計者は神様かね? 宇宙にはまだまだ未解決な分野が有りますね。人間は謙虚にならなければなりません。貝を見ていて何時も感じます。  

 

 尋ね人・・この貝はですか 

  

ソデ貝類65mm、55mm

                 

したのソデガイはベニソデですが、白っぽいのは同定ができません。殻の先端の磨耗が少ないのですが、ベニソデでもウラスジマイノソデでもありません。殻の袖の部分の尖った部分は磨耗しております。異種なのかも?大きさも大きい部類です。

  

                                            タカラガイ宝貝世界

 

 先回は<オオサマダカラ>を紹介してみました。今回は世界の名宝は 

 

 ウスアカネダカラ

薄茜宝・7.8~9.4cm

 

 Cypraea armeniaca Verco,1912

Apricot-Colourd Cowry

 「生きている海の宝石・タカラガイ」より掲載

 

世界の5大名宝の最後、<薄茜宝>で非常に希少性の高いタカラガイ。

オーストラリアの南部から東部に生息する<シロガネダカラ>。

反対に西部は<クロガネダカラ>が生息する。

            シロガネダカラ                   クロガネダカラ

               

          鳥羽水族館より掲載             微笑貝データーより掲載

全世界に200種類以上の種類数を誇るタカラガイ

次回からは日本の有名なタカラガイをご紹介しましょう

 

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