南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

西南諸島貝殻学入門-009

2013年07月26日 | 生命科学

 

西南諸島貝殻学入門 

  
               -009

 

お知らせ 

 

 GW期間中は夏休みモードに入ります。8/20までお休みします。尚、「加計呂麻島貝殻図鑑」は現在随時作成次第公開して行きます。 

 

 

加計呂麻の海浜

 

 GWも直ぐ始まる・始まった方・・・いろいろあるでしょうが、今年は何時もより強い日差しと、雨の少ない夏になりそうです。水の管理には十分注意してください。行楽地以外は海浜には飲料水は売っておりません。炭酸飲料よりも紅茶に蜂蜜などを混ぜて持参した方が、どうせ温くなるでしょうから宜しいかと思います。水分の補給は命に関わりますからね。刺すような紫外線対策は 麦藁帽子、手ぬぐいの頬かむり、長袖のシャツ でしょうか。

 

                                               

 

 先回は「貝拾いのコツ」を書いてみました。長年の経験者は各自丸秘が有るのでしょうが・・・貝を拾う趣味の方、プロ級の方達には、必ず自分だけの秘密の場所というのがあると思います。ここだけは誰も来ない・・必ず拾える・・などという場所。 このような特定の場所を持っていることが大切でしょうね。

先回に引き続いて気の付いた事を書いてみたいと思います。

 

加計呂麻海岸

 

A- 岩場

   特定の貝しかないのですが、岩礁の割れ目を探すと、<トコブシ>、<マツバガイの仲間>、<ウノアシの仲間>などが良く取れますが、スキンナイフを持参すること。無ければ洋食用のナイフでもOK! 取るコツはナイフを隙間に入れて一気に貝を岩から剥がす事。失敗したら止めること。もう上手くは取れません。

岩礁は打ち付ける波も強い場合が多く、足場もヌルヌルしている場合も有るので、足元には十分気を付ける事が肝要です。セーフ・ジャケットを携帯することをお勧めします。そして、慣れていない箇所は複数同伴で。落ちたらヒトタマリもありません。命に関わります。

                         Hpから掲載 鳥羽

 

岩礁は凹凸が不規則ですし、至るところ割れ目が有ります。 気軽に飛び越えないことです。転んだら大怪我をします。一足一足が大事ですね。

B- 潮の干満

  潮の干満は何時も頭に入れて置くべきですね。気象庁で凡その潮の干満時間が発表されておりますので・・・土地の方は子供のころからの事なので習慣で身に付いていますが、内陸や都会の方たちは、プロ以外は十分注意が必要です。一日に2回干満が有りますが、干潮の場合を例に取りますと

干潮の時間の前後2時間位がセーフティー・タイムです。出来るだけ干潮の2時間前辺りから現場に入り、干潮時間を越えて来たら、現場から出る準備を始めましょう。特に断崖絶壁で囲まれたような浜辺、岩礁帯は危険です。逃げられなくなります。時間の場所的な誤差が付きまとうからです。波の状況、風も大きく影響します。

                    HPから掲載・熊本県 宇土                    

 

一人で断崖絶壁の岩礁帯に良く出かけますが、腕時計を何時も気にしつつ、辺りをいつも見ています。貝採りに夢中になって事故に出会う方が多いのです。思わず夢中になって童心に返ってしまうからでしょう。

C- 携帯用具

  セーフティー・ジャケットは勿論こと、長靴や短靴も気を配った方が良いですね。兎に角、岩場は滑りやすい。岩場に張り付いた藻は要注意です。 手には物を余り持たないように、腰のベルトなどに携帯することをお勧めします。藪蚊やブヨが多いので、アレルギーのある方は要注意。手拭を首に巻くとかしないと、数の多さに負けてしまいます。

相手は吸血鬼ですから・・その道のプロです・・・序でですが・・・海浜の周りの藪は気を付けること。ブヨ、ダニはけっこう居りますし、ものによっては大変危険! 筆者は免疫疾患があるので、何時も注意をしております。虫アレルギーの方は十分注意してください。砂浜や岩場でもブヨは多く居ります。

 

 

海中に少し入る場合も、寄せる波よりも引き波が危険です。場所によって波の力は変化しますので、足元を気を付けましょう。また、浅瀬でも危険な生物は数多く生息しております。<海蛇>、<ウツボ>、<ウニ>、<ミノカサゴ>etc

ミノカサゴは動きがゆったりとして一見可愛らしいのですが、棘に毒が有りますので触らぬこと X それ相当の用具持参でどうぞ! 生の貝を採った場合は海藻で包んで、海水に良く浸らして持って帰ってください。食べる場合はその限りではありませんが・・・筆者は水槽に入れるためにそのようにして持ち帰ります。

 

D- その他・ 「水槽」

 

 * 目立たないようですが相当数の貝が生息しております。

 最近は淡水・海水を問わず水槽を設置して、アクアxxx 何ていう物を楽しんでる方も居られます。近くで海水を取水出来る方は良いのですが、一般の方は水道水に塩分を加味した調整水を使うことになるでしょう。

自然の中に生息していた生物ですから、生息環境に強く影響されるでしょう。岩礁の岩場などに生活していた貝などは割と強いのですが(潮間帯)、潮下帯に生息してい貝など、砂の中などと類によっては、海水の状態のコンディションに強く影響されます。 巻貝は意外と強いですがシャコガイは非常に敏感で、余程設備が整ってなければ無理かもしれません。太陽光線を好みますので設備費も大変です。

                 ハナビラダカラ ↓

 

ミノカサゴや熱帯魚は酸素濃度の管理が上手くいけば、長生きさせることが出来ます。しかし、停電が一番怖く直ぐにアウトになってしまいます。停電の際のフォローが出来、餌を上手く食べてくれればOKです。餌はミノカサゴの場合はつり用の小さな海老で結構です。 一度教えれば次からは簡単に覚えてくれますし、慣れてくれます。

                      大ヤドカリ    ↓   昼寝中

 

大ヤドカリもミノカサゴと同じ方法で結構です。これは丈夫です。20cm以上のスイジガイの殻に入っているのもあります。直ぐ懐きます。慣れれば餌も手から取ってくれるでしょう。 経験ですね。

 

             喫茶店でちょっと一服 

 

珍しい貝殻

 

 ナンヨウダカラ

Cypraea aurantium Gemelin

Golden Cowry (eng)

 

 

 先日、知人の貝のコレクターがメールで送ってくれた<ナンヨウダカラ>の写真。  殻長 <112.5 mm> の超ビッグサイズ。色合いも朱色の勝った濃い色合い。しかも殻も丸く大きい。

調べてみましたところ 色合いは赤橙色から次第に橙色に変化するとか。採取して間もないものかもしれませんね。o沖縄以南から中部・南太平洋に生息。サイズ・85~105mm。 ということは世界のトップクラスの大きさかな

 

下の写真は筆者の持っている<ナンヨウダカラ>・・・殻長 85mm 

この貝は沖縄でもなかなか採取出来ないようです。奄美群島の深みにでも潜れば、生息しているかもしれませんが、海浜では欠片も見たことがありません。筆者のものはフィリッピン・ダバオ 水深20m となっております。滅多に貝を市場で買うことはないのですが、これは例外でした。

 

                                        

 

因みに、「世界の貝」のコレクションの中の<ナンヨウタカラ>です。同じくフィリッピン産で92mm

筆者と色合いが似ております。

 

 でも、海中でも海浜でもこれを見つけれたら素晴らしいでしょうね。  

加計呂麻島のある地点で、フリッピンから流れ付いた<オームガイ>を採取したことがあるので、そこなら大嵐の後ひょっとしたら見付けられるかもね。 冬場頑張ってみます。

   

貝の摂食の仕方・2>

海藻やプランクトンを食する貝もあれば、肉食の貝もあります。アワビ類、ツタノハ類、ニシキウズ類、サザエ類、アマオブネ類、タマビキ類はなど潮間帯に住む多くの貝は海藻食です。口から入ったところに歯舌がぎっしり詰まった部分があり、ここで岩に生えている海藻を引っかいて食べます。

 

                   タカラガイ、アマオブネなどの貝の歯舌   

 

ガレイシ

 

              有棘型 サザエ

                

 

 

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